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俺のスキルが使えない  作者: めん
第3章

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第3章-18

「よし行くぞ、クロス」

「うん」

伐倒した大木に向かった


これから切り出しをするための補助線等を引くらしく

大きさも結構なため

どれくらい?

どの材に切り分けるかで少々もめることもあるらしい


基本的には

(はしら)

間柱(まばしら)

鴨居(かもい)

敷居(しきい)

垂木(たるき)

筋交(すじかい)

胴縁(どうぶち)

長押(なげし)

平板(へいばん)

根太(ねだ)

野地板(のじいた)

端材(はざい)

に切り分けられる

断面から見てどれだけ無駄なく品質の高い材を取り出せるか

熟練の人達はこれを目で見て判断しているそうで

木取り

と言うらしい


言ってしまえば余すことなく木材を使う

このことから適材適所と言う言葉も生まれているんだとか


だから断面の方に集まって言い合っている人達が数人いた


その他の人達は枝を落としている

・・・かなりの時間がかかりそうだ


「俺も枝落としを手伝ってくるからな、あっちにいるダウのとこに行っとけ」

ダウとはダウコッチ先生のことだろうか?


先生は断面で揉めてる人間の一人だ


近付いてみると

言い争っているのは3人

なだめ係が1人

合計4人だった


実は

父さんの仕事場ではこの言い争いが喧嘩に発展した時点で追放

つまり木材の権利を得られなくなるし

今後一切一緒に仕事が出来なくなるという約定があるらしい


と言うことでこの断面に関しては必ず1人はなだめ係が配属される


しかしながら

父さんの切り出す木材は高値が付く

質が高いとのことでちょっとでも自分の手元に多く手に入れたいわけだ

ここで譲ってばかりいては仕事にならない


だから多少無理してでも自分の言い分を通さないといけない


よくよく聞いてみると

言い争っているうちの1人は断面に対しての木取りを決める役割のようだ

断面図からこういう木取りにするのが良いだろうと

先に補助線を引いているわけだが

それに対してダウコッチ先生ともう1人が取り分をもうちょっとこっち寄りにしろと

言い争っている構図だ

そして無茶が過ぎれば木取り役の人がそれは無理だろうと

俺の仕事に文句があるのかと


そんな感じの言い争いが

父さんの耳には届かないギリギリで行われている


聞こえてるか聞こえてないかで言えば

多分聞こえてるんだろうけどな

父さんも言い分は分かるからある程度までは許してるんだろう


喧嘩に発展せずとも時間がかかり過ぎれば父さんの目に余る可能性も出てくる

だから悠長なことはしてられない

しかし無理を通せば熱くなる


ままならないものなんだね・・・

しかも覗き込んでその競り合いを見させて貰うと

白墨の線の厚さ分こっちを切れとか

そのくらいの条件合戦だった


そこまでするか


小競り合いが終わるまではちょっと離れておこう



さて

木材の乾燥方法にはいくつかあって

切った木をそのまま放置して感想を待つ、葉枯らし乾燥

切り出した木材を風通しよく天日干しにする、天然乾燥

テージさんのスキル等を利用する、人力乾燥

熱した蒸気によって高熱で乾燥させる、人工乾燥

などがあるみたいだが

今回は一番多く利用されている天然乾燥になるらしい


なので父さんにここで切り出してもらうようだ


さっきはダウコッチ先生が

父さんの仕事はこれで終わり

なんて言ってたが

全然まだまだ終わりじゃないみたいだ


当の本人は凄い勢いで枝を落としまくっているし


それと同時に樹皮剥ぎも行われていた

まだ剥がれてはいないが

切り込みだけ入れてるようだ

あとで父さんが剥ぐらしい


やっぱり結構仕事あるな・・・



しばらくして

木取りが一悶着も二悶着もあったうえで

どうにか話はついたようだ


父さんの樹皮剥ぎ速度が異様に速すぎて

これ以上は揉めてられないとお互いに妥協点を探ったためだった


「よし!これから切り出しするが、これは俺の方でやっておく!みんなはこの現場でやるもう一本の方へ行って準備をしていてくれ!」

父さんがその場にいる全員に声をかけて指示を出した

それを聞いて全員が移動を開始する


「ロヴィオの旦那、大丈夫ですかい?木材の移動が大変だと思いますが」

「ああ、大丈夫だ。こいつがいるからな、内容は詳しく話せないがな」

父さんが俺に二カッと笑っている

スキルはあまり吹聴しない方が良いということだ


「さようですか!じゃあ俺もあっち行って来ますんで!クロス!お前も頑張れよ!」

「はい!ダウコッチ先生!」

「先生?」


ダウコッチ先生に手を振って見送った

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