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俺のスキルが使えない  作者: めん
第3章

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第3章-15

父さんの請け負った

木の伐採の仕事に付いて行った


てっきり

2人きりなのかと思ったけど結構な人数が参加しているみたいだった

だから余程大木を切り倒すのかな?

なんて思っていたけど

父さんは最初の内は全然仕事に参加せず

ゆっくり休憩しているだけだった

最初の方で段取りやら打ち合わせを行ったあとは

座って作業を見ているだけだった


現場監督?


俺は父さんが木を切り倒すと思っていたから

内心ガッカリしていた


すると

「もうちょっと時間かかりそうだから、お前のスキルでどんなことが出来るか見させてくれるか?」

と父さんから提案があった


皆が作業している所からやや離れた所で

「これくらいの木なら大丈夫か」

と言ってそんなに高くない程度の木を見付け

「この辺からこの辺で良いかな、切り出せるか?」

と言って白墨(はくぼく)で線を引いた


この白墨は貝殻を粉上にして固めたものらしい


「出来る、と思うけど先に父さんに危険性とか話しておきたいんだ」

「おう、そうだな。何か心配があるのか?」

「まず、木って生きてるでしょ?石とか落ち葉とか生きてないものを転移させるのは割と簡単なんだけど、命あるものを転移させるのと、その命を絶つような転移はもしかしたら結構代償が必要かもしれないんだ。だから倒れたらゴメン」

「なるほどな。まあ、今のお前なら何とかなるだろ。この木くらいなら大丈夫だろうから試しにやってみろ」


軽いなあ・・・

まあ信用してやってみるか


「どこに転移させる?」

「じゃあ俺の目の前のここに置いてくれ」

父さんは自分の目の前の地面を指さしている

「分かった」


とりあえず倒れては面倒事が多すぎるので

過剰にでも集中しておこう

大丈夫そうなら集中度合いを減らしていけばいい


しっかり転移を想像して

指定された範囲を凝視して

父さんの目の前に転移させる


転移自体は呆気なく成功

切り出された丸太は地面からほんの少し浮いた位置に出現し

落ちて倒れた

そこまで太くない木だ

俺の太腿くらいの太さで

高さは父さん4人分くらいか?


幹を中抜きされた木の方は

残された上半分がそのまま下の幹に落ち

倒れると言うかズレるようにして地面に落ちてから倒れた


少し離れた位置からの行使だったので

こちら側に倒れても問題なかったが

結果的には俺達から見て右に倒れた形になった


父さんはと言うと顎に手を当てながら見ていて

転移された丸太を手に持って切り口などを見ていた


「こりゃ凄い。切断面が滑らかだとか言う域を超えてる。下手したらまだ切られたことに気付いてないかもしれんな」


切断面は瑞々(みずみず)しくツルツルしていた


木とは本来多量の水分を含んでいる

木材として利用されるときには充分に水分を抜き、乾燥させてから出ないと使えない

建材として使用した後に水分が抜けると木材が歪むからだ


この転移された丸太は

ホントにまだ生命力に溢れてそうな見た目をしている


自分でやったことながら

へー

みたいな顔をして父さんの手にある丸太を眺めていたが


「クロスどうなんだ?疲れたか?」

と聞かれ

「ううん、大丈夫だった。疲れた感じもないよ」

と答えると

「ん~・・・、そうだな。クロス、これ2つ同時に転移出来ないのか?」


それは

考えたことなかったな・・・

出来るんだろうか?


「例えばなんだが、このさっき切った木の上半分と、今手に持ってる丸太を位置だけ元あったように戻せるか?引っ付きはしないだろうけど形だけな」


だとすれば確かに同時にする必要はある

言ってしまえば同時じゃなくてもすぐさま連続でやればいいことだが

父さんの言う条件で同時となれば

その必要もある


一旦丸太をした半分の幹に乗せ

その上に上半分を乗せれば同じ結果にはなるだろうが


これは実験だ

やってみる価値はある


「とりあるずやってみるよ。一応父さんはその丸太を地面に置いといて」

父さんは言われた通り丸太を置いた


その丸太と

今は倒れている上半分の木を凝視する

さっき転移する前の気の状態を思い出して思い描く


条件は同時


丸太の上に

上半分の木を乗せる

2つ同時はやったことないから

集中力も十分に


・・・


丸太と上半分の気は同時に消え

下半分の木の上に同時に出現はした

ピッタリとはいかず

微妙に間が浮いてたのか

僅かに落ちて丸太も上半分の木も落ちて倒れてしまった


それに

丸太は上下逆だったかもしれないし

上半分の木も回転してピッタリ合わさるように転移は出来てなかったようだ


万能とはいかないらしい


それを見ていた父さんは

「なるほどな。精度はまだまだだが、充分使えるみたいだな。クロス、体調はどうだ?」

「大丈夫、何ともないみたい」


この分なら何個か同時に転移も可能な気はしてきたな


「この後な、さっきの現場で大木を倒すつもりだ。今はその準備中なんだが、その木の切り方を良く見ておけよ。そのあとお前には似たような工程で気の切り出しを頼むかもしれない。危険な仕事ではあるんだが大丈夫だ、今日一緒に作業する奴らは熟練の奴らばかりだからな。色々と教えて貰え」


父さんの仕事はこの後にあったらしい

現場監督じゃなかったんだ

今は切り倒す前の準備中みたいだ


大径木(たいけいぼく)と呼ばれる大きな木の幹を切り倒す場合は

安全に作業するために準備が多いらしい

それも含めて勉強させてもらうことになった

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