第3章-14
父さんの仕事先へ一緒に行くため早起きし
迎えの馬車に乗ってそこそこな時間を揺られて到着したのは
ラムカーと言う地域
滝がいくつかあって自然豊かな所だが
ダイザフより長い時間揺られて到着した・・・
実際の移動距離は同じくらいらしいが
直線で移動するのは山だったりの関係で難しく
迂回して通りやすい道を選べば
倍くらいの時間がかかってしまうらしい
父さんも父さんだ
普段からこういった移動が多いので
多分感覚がマヒしているんだとは思うけど
事前に教えてほしかった
到着した日は流石にそのまま仕事とはいかず
翌日になるようで
宿に案内され休憩した
ちなみに宿は仕事先の方が支払いを済ませてくれていて
食事も自由にしていいらしい
あとでこっそり教えてもらったが
こうやって宿も、食事もと提供してくれるのは
父さん自身がこの仕事に置いて重宝されている証拠なんだとか
だとすれば今回は結構な仕事なんだろうか?
俺がサラッとついてきても良かったのか?
・・・まあいいや
馬車旅でろくに身体を動かせなかったから
運動ついでに散策してこよう
ついでにスキルの練習もしたいし
少し歩くと所々に看板が出ていて
こっちの方に滝がありますよ
と案内書きがあった
案内されるがまま歩いて行くと
段々と滝音が聞こえてくる
到着する頃にはかなりの音量になっていた
想像だにしなかった長旅で正直疲れたが
滝を眺めていると
なんだか疲労が癒されていくような感覚になる
それに結構涼しくていい環境だ
滝は水量が結構あるが
一直線に滝壺まで水が落ちている訳ではなく
大きな岩に当たってから落ちるような
2段形式だった
看板案内があった割りには人が全然いない
そもそもが人の少ない地域だからだろうか?
こういった所には人を餌とする脅獣も殆ど寄り付かないので
生活するには安全だろう
水に足をつけてみると
滅茶苦茶冷たくてびっくりしたが
正直気持ちいい
疲れをいやしながら
スキルの集中訓練をさせて貰おう
父さんの仕事で
もし木を切り倒すとなった時
俺のスキルで生木を相手に出来るかどうかと言う不安はあった
要は
ただの物質じゃない
木は生きている
生命だからだ
俺の【空間転移】はただの物質よりも
生命に対して行使する方が代償が断然大きく必要となる
大木ともなるとどうなんだろう
勝手に切り倒して練習するのは流石に危ないので試したりは出来てないからこそ
父に着いてきて
熟練者の指導の下で安全に大木を相手に出来ればと思って着いて来たが
木はそれなりの大きさ
太さとなってくれば何百年と生きているはずだ
俺の想像がつかないくらいに長生きしている
・・・
分からない
足手まといになったらどうしようという気持ちと
こういう機会でないと試せないという気持ちが同居している気分だ
けど
なるようになれだ
父さんには気掛かりや狙いも含めて全て話してから判断してもらおう
俺は今この滝を目の前にして
集中するとはどういうことか
改めて考え直すいい機会に巡り合えている気がする
滝音は言わば轟音だが
この轟音の中でありながらも
いつもより深い集中が出来るような感覚だ
何か掴めそうな気がしてならない
俺は父さんが探しに来て怒られるまで滝の前で集中訓練を行っていた




