第3章-12
スキルを発動する際に
転移元と転移先を同時に指定すればいいと思ってやってみた所
上手く行った
が
同時、とは・・・
左手の上にある対象物を見て
右手の上に転移させたいと思う
同時に行ったつもりでいて
同時ではない
少なからず時間差は産まれている
でも上手く行った
これに関しては結論から言えば
同時である必要はなかったわけだ
と言うか
転移元は座標や位置、場所と言ったものを意識する必要はなく
対象物を認識すればいい
だから俺が考えなければならないのは
転移先をスキルを発動する瞬間に指定するだけのことだった
翌々考えてみれば単純なことだったが
思考が行き詰り
余裕がない状態では導き出せなかった
地元に帰ってきて本当に良かった
ダイザフに居続けていたらずっと藻掻いていたかもしれないな
環境を変えると言うのは大事なんだな
そしてもう一つ分かったことがある
俺は今日までずっとスキルの集中訓練を毎日毎日飽きるほど繰り返して来たことで
代償として必要な集中力の方は相当に鍛えられているようだった
スキルの危険性を理解した上で発動してみると
安全に行使することは可能だったので
今まで落ち葉とか小石程度の小さい物しか転移してなかったが
少しずつ対象物を大きくしていって検証してみた結果
今の自分の身長2つ分を1辺とした立方体分の土を
そのまま上空に転移させるくらいまでなら
少しの疲労感を代償に行使出来るようになっていた
落ち葉から始め
石を探し
枝を探し
岩を探し
さて次に大きな物をどうしようかと悩んで歩き回っていたところで
歩き回っているこの地面
というか土で良いじゃないかと思い至った
別に何か1つの物である必要はなかった
質量と重量があれば実験はいくらでもできるからな
そうやって自由に使える実験材料を見付け
少しずつ大きくしていった結果分かったことだった
更に言えば
やはり転移させる距離は関係するみたいだ
さっきは同時出なくても良いとは言ったが
転移元を先に指定して
転移先をどうしようか?どうしようか?と悠長に迷っていると
この星がどんどん移動しているせいで
とんでもない距離を転移させることになってしまうようだ
なので可能な限り素早くした方がいい
逆に言えば小さなものを転移元に指定して
敢えて長い時間をかけて転移先に指定することで
長距離転移の訓練にはなるかもしれない
どれくらいの時間なら自分が耐えられるのか測ってみてもいいかもしれないな
まあ
自転方向、公転方向などが常に一致し続ける訳じゃないから
相当なブレは出てくるだろうけど
何度も何度も試せば限界は何となく分かってくるだろう
とりあえずは安全にスキルを行使出来るようになったことが大収穫だ
これならもう
いつでもダイザフに戻っても良いだろう
だけどその前に
少しくらいは父さんの仕事の手伝いをやってみたいな
ちょっとだけでも親孝行したいし




