第3章-10
ラザさんと話してみて時間差の問題はどうにかなるかもしれない
だが座標の問題はどうだろうか
こればっかりは誰かに話せる内容じゃない
と言うか話した内容をまず信じてもらった上で
説明を理解してもらうための基礎知識からやらなきゃならない
面倒なうえ
余計な危険性を負ったにも拘らず何も得られませんでしたとなる可能性もある
ラザさんから考え方の手掛かりは聞けたんだ
内容をもっと単純化して考え直してみよう
まず俺がぶち当たったと思う問題は
この世界の座標設定をどうしたらいいかと言うことだ
空間座標で考えたとして
今いる自分の座標が何かもさっぱり分からない
誰(何)が定めた
どこを基準とした
どれくらいの尺度での座標なのか・・・
どれもこれも全く分からないのでお手上げなわけだ
だから例えば俺の座っているこの位置が
(656483213469461231465456,-3235698948865413236746004,23135454878454451101508845136)
とか訳の分からない点であるかもしれない
仮にこの点が分かったとしても
この点から家の扉までの距離で座標がどれくらい動くのかも分からない
それに何だったら上下左右も分かってない
・・・
多分こういうことじゃないんだろうな
恐らく
これを計算できる人間は存在しない
つまりこのやり方自体が間違っていることを意味している
ラザさんは「単純に」と言っていたな
難しく考えると何も出来なくなるか
難しくね・・・
俺は難しく考えてたんだろうか?
じゃあ例えば座標は一旦抜きにして考えてみるか?
座標は決まったとして
目標はどうやって設定するか
待て
対象物の座標はどこを選べばいい?
中心?
いやいや
平面座標で考える場合は原点に近い方を基準としたりするし
と言うかそうだ
対象物の輪郭まで全て曲線座標で表さないといけないのか?
その計算式は?
無理だ
そんなの単純な形をした果物でさえ正確に表現するのにどれくらいの時間がかかるか分かったもんじゃない
いやいやいやいや
そんなこと俺はしてない
今までただ単純に見ただけで発動してたじゃないか
そうだ
計算するより明らかに正確な情報があるじゃないか
目で見ればいい
何なら触ればよりその対象物を理解できる
要らないんだ
計算なんて
何処から俺は勘違いしてたんだ?
消してたと思ってたの実は転移で
消えたように見えてたのが発動の時間差による大地の移動だと分かって
どれくらい移動したかは計算しないと分からないと思い出したことが始まりか
そうだよ
複雑な計算だとか
世界の心理だとか
そんなもの理解する必要すらなかったんだ
そもそも俺は出来ていた
なんでこんなことに気付くのにここまで時間がかかっちゃったんだろう
単純に考えればよかったことだったのに・・・
無駄に前世の知識が邪魔したわけだ
「っっっっっはあぁぁぁぁぁぁ・・・」
大きなため息が出て
がっくりと項垂れる
けど途端に出来るような気がしてきたぞ
早速やってみよう!




