第3章-8
「お前がスキルを使えなくなったことだけどな、『発動障害』だな」
「『発動障害』?そんな名前が付いてるの?じゃあ俺の他にも似たように発動出来なくなった人がいるってこと?」
「そうだ。理由は大きく分けて2つあって心理的要因と、神経的要因だ。お前の『発動障害』は多分前者の方だろうが、精神的圧力や不安、過去の失敗体験への恐怖だったりから無意識に発動を停止させてしまうものだな。神経的要因ってのは同じ動作を過剰に繰り返した結果、脳の構造変化が起きて誤作動が起こってしまうことだ。お前の場合突然なったものだから前者だろう。」
「そっか、俺意外にもスキルが使えなくなった人っているんだ」
「何言ってんだ?お前は恵まれてる方だぞ?」
「え?」
父さんは腕を組んだ
「『恩恵スキル』と『弊害スキル』は知ってるな?お前のスキルはどうみても『恩恵スキル』だ。その時点で既に圧倒的に恵まれてるが、5歳になって早々にスキルを授かる人間なんて殆どいないんだぞ?ちょっとスキルが使えなくなったからってなんだ。人によっては使うのも躊躇われるような『弊害スキル』持ちの人達が沢山いるんだ。お前はここカーマを出て外のことを知ったって言ってたがな、お前なんて全然だ、まだまだ全然!」
大袈裟に馬鹿にするように言っているのが分かる
お前の悩み何て大したことないんだぞ
多分だけど
悩み過ぎると良くないんだろう
心理的要因であるならば心の枷を軽くしてあげることも大事なんじゃなかろうか
父さんは敢えて俺の『発動障害』を大したことないって言いたいんだ
だから俺もここは乗る必要がある
「そうかもしれないけど、出来なくて困ってるんだ!」
「良いんだよ!出来なくても、お前には早すぎたんだな笑」
「な!?俺のスキルが戻ったら、父さんが大事にしてる酒もどっかに飛ばしちゃうから!」
「おーやってみろ!今すぐにでもやってみろ。ほれほれ!」
煽られているがほんとにちょっとムカついたので
【空間転移】を試みる
しかしやはり不発に終わった
「はっはっは!まあ焦るな焦るな!いつかコロっと発動するもんさ!」
父さんは大口開けて笑っている
イラっとしたので小石を父さんの酒めがけて投げつける
「おおいっ!!!!」
父さんが焦りながら酒を持ち上げて石から逃れる
「それは反則だぞ!クロス!!」
一旦父さんは捨て置こう
とりあえずリアとソラにでも会いに行こうかと外へ出ようとすると
「待て!クロス」
「今度はなに?」
鬱陶しそうに返事をすると
「人を対象にスキルを使うことだったらラザが良く知ってるんじゃないか?丁度行くんだろ?聞いてみろよ」
確かにラザさんは体温を移動できるスキルで
対人が主だと言ってたはずだ
今は既に克服した、何か問題があったかもしれない
ダメで元々
聞いてみるか




