第3章-5
帰り路は来る時よりも速かったし
早く感じた
一度通った道というのは新鮮さが薄れるもので
まだ一回しか通ってない
逆方向から見える景色が違うとしても
1回目の新鮮さには程遠い
慣れた道ではない者の
俺は外の刺激を知ってしまった
ダイザフに行ってからの濃い時間、経験は
ただの移動をあまりにも退屈に感じさせるようにしてくれた
違うことと言えば馬車の乗り心地だ
まずそもそも人を運ぶために設計されたであろう馬車なので
かけるべきところに予算が費やされているんだろう
軽く
揺れが少ない
おそらく俺達がダイザフに向かうときに乗っていた馬車は
荷運びが主
となると快適性よりも耐久性
より多く、そして思い積載物に耐えられるだけの造りになってないといけないわけだ
しかしこの馬車は乗れて精々が4人
詰めればもう少しと言ったところだが
金持ちがぎゅうぎゅう詰めで乗る訳もなく
多分1人か2人乗せて運ぶのが殆どだろう
だから重量に耐える設計よりも
快適な馬車旅になる様に配慮されて造られている
そして当然速い
運んでいるのは俺だけだし
御者も恐らくそこそこの経歴を持つのだろう
冗談でなく
行きの半分、よりちょっと長いくらいの時間で到着した
しかしそれでも退屈は退屈だった
もうすぐ自宅に到着すると言うところ辺りで
リアとソラが走って駆け寄って来た
「「クロス兄!おかえりー!!」」
双子の息の合った突撃で
俺は後ろへ倒される形になった
「ぐっ・・・た、ただいま。でもどうして帰ってきたのが分かったの?」
「リアが夢で見たんだよ」
「昨日の夜にクロス兄が帰ってくる夢を見たの」
予知夢か?
たまたまかもしれないが
「夢でこの先のことが分かるようになったの?あれ?そう言えばリア、寝てなくて平気になったの?」
リアは頭の上で大きく丸を作ってニッコリ笑っている
「でも、お昼寝の時間は皆より長いよ。それと、分かる夢と普通の夢の違いも分かるようになったの」
なるほど
予知夢は以前からあったのかもしれないが
それを予知夢と認識できるようになったということか
「だからもう皆クロス兄が返ってくること知ってるよ!パパもママも、ロヴィおじさんも!」
「今日は皆でご馳走だって!」
そうか
ビックリさせようかと思っていたけどそうは行かなかったか
いや
昨日もしかしたら既にビックリしたかもしれないな
「ありがと、じゃあ3人で家に戻ろうか」
「「うん!」」
ねえそれよりクロス兄全然帰ってこなかったー
ねえどんなことしてたのー
などなど不満やら質問やらを延々に投げかけられながら
俺は久々の故郷に帰りついた




