第3章-4
「スキルが使えなくなった、か」
ルートは俺の話を聞いて驚きはしなかった
予感していたわけではなさそうだが
何が起こってもおかしくないとは思ってそうだ
「あ、あの。つっ使えなくなったというのは、金輪際発動は不可能ってことではないん、ですよね?」
ナルが心配そうに聞いてくる
「多分ね。スキルが使える感覚はあるよ、ただ発動直前で自分で不発させちゃうんだ」
それを聞いて今度はタキが
「残念」
ルートとナルがタキを見る
何か諫めようとする雰囲気があった
「いや、待ってくれ」
俺が2人に手で制すると
タキは
「私はあなたを置いていくから、待ってなんてあげない。でも競い合った方がより成長も早いから残念。クロス、追い付ける?」
そう言って俺の顔をじっと見て来た
タキなりの激励なんだろう
ルートとナルも溜息をついていたが
俺は嬉しかった
「絶対に追い付くさ」
俺達が4人で行動し始めてからそこそこの時間が経っていた
初歩は履修を終え
アプタン語もほぼ習得
良い頃あいだ
それに・・・
「父さんに俺のスキルが分かったことを伝えてくるよ」
3人にそう話した
「父さんには俺が5歳の時、母さんをスキルで消してしまったことで深く傷つけているはずだからね、手紙でもいいんだけどいい機会だし、幼馴染にもすぐ帰ってくるって言いながら帰れてないからね。直接父さんにスキルのことと、母さんのもしかしたらを伝えに言ってくる」
「ああ、そうするといい」
「お、お父さまぜ、絶対に喜んでくれると思いますっ。クロスさんも心を休めて来てください!」
「幼馴染・・・」
3人に別れを告げ
休学届を提出し
俺は故郷であるカーマへ帰ることにした
ルートから
「帰りはどうするつもりだ?」
と聞かれ
「来た時と同じで馬車を探すつもりだけど?」
と返すと
「お前は心の休養を取る必要があるんだ、こういう時の為に用意しているものがある」
そう言って
高機能の馬車を用意してくれた
「言っておくがこれを俺が使うつもりはなかったんだ、だから誰も利用用途が無いのであれば今回は好都合。使ってくれてありがたいというものだ。なんだ?その顔は!本当に俺は使うつもりなどないぞ?母が無理やり用意していたものだからな、いつでも使って良いと言われてたから無碍にするのも心苦しいし、御者にも空で帰らせるなど申し訳が立たんだろう?だからと言って俺が当然にように使えば、経済力を見せつけているようで嫌味に捉えられ兼ねんだろうが、俺はそれが嫌で来るときだって・・・」
ルートはやや恥ずかしそうにいい訳を述べていたが
仲間のため、友達のためとなれば
惜しむことなく使える者は使うやつだ
正直有り難い
「ありがとうルート。快適な帰省の旅になりそうだよ」
「・・・っ。で、あればいい。使ってやってくれ」
結構久々の故郷だ
凱旋とは全く行かないが
懐かしい面々に顔を見せに行こう




