第3章-3
「檻の中に何か先に入っていたら、か、確かに気になるな。クロスのスキルがどういったものなのか詳しく検証する必要がある。良いか?クロス」
「・・・いや、ちょっと待ってくれ。確認も大事だがもっと考えておかないとまずい気がしてきた」
3人が疑問を浮かべている
だからそれを検証してみようと言ってるのに
という顔に見える
これまで散々スキルを訓練の為に使ってきたけど
もしかしたらすでに手遅れになっている何かがあるかもしれない
だってそうだ
この手に持っている落ち葉と大気が入れ替わるだけならまだ影響はないと言っても良い
しかし
転移先に万が一にもヒトがいたら?
落ち葉と人が入れ替わる?
きっと違う
落ち葉の質量分だけが入れ替わる
だから俺の手にいきなりヒトが現れるわけじゃない
おそらくだが
落ち葉の質量分だけの
肉片か何かが手に残る・・・
ゾッとした
落ち着け・・・
俺の記憶では手元に肉片があったためしはない
だからきっと人を殺めたりはしてないはずだ
大丈夫だ
それにもしあったとしても
それが人とは限らない
動物の可能性もあるし
既に加工された食肉かもしれないじゃないか
いや、そう言ったことはなかったんだが
だめだ
変なことを考えすぎた
良くも悪くも
過ぎたことには変わりない
俺の身の回りでは何も起こってないんだ
悪い方ばかりに考えすぎても仕方ない
とりあえず
これまでのことは反省した上で無視しよう
それよりもこれからだ
この危険性が出てきた以上は
安全を考慮してスキルを行使しなければなくなった
これまでに俺の知るところで何も起こってないのは偶々だった
大きな石とかは危ないと思っていたが
これでは落ち葉はおろか
植物の種程度の小さなものでも致命傷になるかもしれない
だとすれば安全にスキルを使うには
転移先を明らかにする必要がある
しかし出来るのか?
俺は目の前にある物体にスキルを行使することしか考えてなかった
が
実際はもっと高すぎる汎用性があったわけだ
今まではスキルを使い
例えば、俺がココと決めた瞬間に視覚から脳へ、脳がスキルの行使を処理して実行
そして実行が完了するまでの僅かな時間差
俺の集中力の速さだったりでいかようにも変わってしまっていた時間差
この時間差分
大地が、俺達が近く出来ない速度で移動するために
俺の認識した点と、実行された点で距離が出てしまう
だから消えたように見えていた
ではその時間差分を考えて
大地の移動距離を計算して座標点を出すか?
無理だ
絶対に
まずこの大地がどれくらいの自転、公転速度を持っているか知らないし
この大地のおおよその大きさすらも分からない
仮に滅茶苦茶頭が良くて計算が出来る人間がいたとしても
その計測値が分かってなければ計算もくそもない
大体まず
座標とはなんだ?
どこが(0,0)だ?
(0,0,0)か?
じゃあ仮にその座標が分かったとして0から1までの実際の距離は?
前世でさえも人種によって距離の測り方は様々だった
単位がいくつもあった
どれが基準だ?
何も分からない
あまりにも
なんにもわからない
これでは・・・
俺のスキルが使えない




