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僕はテイマー  作者: 鳥越 暁
東方担当相
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第178話 僕たちらしい帰還

ファーファが加わって、僕たちはブカス街区へと向かっていた。


 森を抜けて、街道に出る。見慣れたはずの道のはずなのに――。


 ファーファがきょろきょろと周りを見回し、小さく首を傾げた。


 「んー……なんか、知らない人……多くないですか?」


 その言葉に、エリナがくすりと笑う。


 「ふふっ……そういえば昔、言ったことがあるのよ」


 「え?」


 「ユリアスが出かけると、増えて帰ってくるって」


 「そうかな……?」


 僕は少し首を傾げる。


 言われてみれば――増えてるのかもしれない。


 僕は歩きながら、一人一人を紹介してあげた。


 そのまま僕たちは、連れ立って街へと向かう。


 


 ようやく、ブカス街区の別荘区域に入ると――。


 今度は腰に手を当てて仁王立ちしている人がいた。


 マリアちゃんだ。テッテラさんの孫娘で、ここで一緒に暮らしている。


 「ルドフラン様! わたくしに何も言わずに行かれるなんて、酷いではありませんか!」


 「あ……いや、テッテラ殿には……」


 「そうではございません!

 おじい様にお告げになるだけではなくて、わたくしにも言って欲しかったですわ」


 「す、すまぬ……」


 こんなルドフランの姿は珍しい。


 しかし、なんでマリアちゃんは怒っているのだろうか?


 「ほっほ」


 ダイラムさんが愉快そうに笑う。


 


 マリアちゃんはまだ少女だ。


 ルドフランがお土産を渡すと、機嫌がなおったのだった。


 「皆様、今日は家にお泊まりになってくださいませ」


 そう言われて、面々は引きずり込まれるようにして別荘の中へ。


 まあ、今日はいい時間だし、今日泊まる予定だったブカス街区のチョコレッタの屋敷まではまだ距離がある。ここで泊まるのもいいかな。


 リグネールとニノトーラが、そのことを留守番をしてくれているみんなに伝えに走っていった。


 本当は報せを送らなくても、ルドフラン達が『通信』できるのだけれど、やはり直接伝えるのとでは受け取り方も違うはずだ。


 リグネール達も主であるマーベラに早く会いたいだろうしね。


 


 今回の訓練行の話などをしてあげると、マリアちゃんの目が輝く。この娘はそういう話が大好きだ。


 「やはり龍って強いのですね。ルド様、凄いですね」


 そんなやり取りを見ながら、ラトレルが「私も手合わせしたんだがな」とボソッと言っていた。


 


 そうだ。


 「マリアさんは弓も得意だよね」


 「はい。得意かどうかは分かりませんけれど、好きですわ」


 うん。じゃあ、これをあげようか。


 「あのね、龍から抜け落ちたヒゲを何本か貰ったんだ。1本もらってくれない?

 龍の、それもヤトノリュウさんのヒゲだけあって凄く丈夫らしくてね。それで弓の弦を張ると切れなくていいらしいよ」


 そう言いながらコルメイスバッグからヒゲを出して、差し出した。


 「お、大きいですね!?」


 確かに一番小さなヒゲなんだけれど、長さは5、6mで太さは人の胴回りほどある。


 「こ、これは弦にできませんわ。どのように加工するのか分かりません」


 「大丈夫ですよ」


 龍の小刀を出して、削ぐようにして一部を取り出す。それをさらに細く割く。


 「ほらね。このやり方も聞いておいたからね」


 「あ、ありがとうございます、ユリアス様」


 少し顔が上気している?


 「誰か弓の弦を張れる者を呼んできてくださいな」


 マリアは従者に告げた。


 「あ、あの……。よろしければ、私が張りますが……」


 ルシアンが申し出た。


 そうか、ガディアナのところのムネアカアントラーは弓の扱いが上手い。ということは、弦を張るのにも慣れているんだろうね。


 「お願いしてもよろしいので? 確か……ルシアン様ですね」


 「はあ、ルシアンと申します。弦は私が張りましょう」


 ということで、ルシアンが弦を張る。無駄な動きはなく、手早く張る。

 途中で張り心地をマリアに伺いながら終えた。


 「いいですわ、これ!

 ユリアス様、ルシアン様、ありがとう存じます」


 喜んでもらって良かったな。

 笑みをこぼすルシアンを見て、こんな表情するんだなと思った。


 「マリアさん、龍のヒゲの弦にコロンの矢の組み合わせってすごいじゃないですかーっ」


 「ふふん。そうでしょう!? 早く射ってみたいですわ」


 そういえばコロンの矢も持っていたっけ。

 今度、狩りに誘おうかな。


 


 そんなこんなで楽しい夜を過ごした。

短めの話になりました。

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