オーバートラッパー
生徒会室の全員が一斉に板山 花の方を向くと、板山さんが口を開いた。
「ど、どうして私なんですか?」
「今さっきので確信しました。アナタ、カードゲームをやっていますよね?」
「ど、どうして?」
「ブシロードのカードゲーム、特にバディファイトの件です。私は日本ではなくタイのバディファイトについて語りました。タイのバディファイトが人気な事を知っている人間はカードゲーム好きでも少ないてす。何故なら自分の知ってるカードゲームで無ければ興味を持たない人間も多いからです。これが他の古参大手ならば全世界での人気を知っていても不思議ではない。ですが、タイ版のバディファイトが人気な事を知っていると言う事実こそが逃げられない真実となっている。そう、バディファイトは、もう日本でのコンテンツを終了しているからです!」
「そ、そうでしたー!」
名探偵冨山 蘭(歩)の推理によって、板山さんは机に崩れ去る。なんだか居たたまれない姿であった。
生徒会長の大友が口を開く。
「ま、まあ兼任は許可されてるし良いんじゃないかな?」
それは、明らかな情けであった。
「わかりました……」
机に突っ伏してた板山さんが静かに声を出す。
「わかりました、私もオーバートラッパー含めていくつかカードゲームをやっています。花札も持っています。ですが、この屈辱で簡単に入る訳にはいきません。私と、オーバートラッパーで勝負してください!」
「屈辱?何が?どこが?」
板山さんの怒りを理解できずに心から困惑する蘭。そりゃあ自爆とは言え、皆の前であんな無計画に自分も巻き込まれて注目を浴びたらそうなる。趣味が何かが問題なのではない。隠してたどうかも定かじゃないが、そういう事では無いのだ。
しかしこれは逆にチャンスとも言える。何故なら板山さんの発言を受け取るに、勝負すれば部活には入部してくれると言うことらしいからだ。
「その勝負良いでしょう、ではいつ?」
「ルールはチュートリアル、勝負は今、いえ私達の教室で!」
なんとも熱い展開だ。まるでカードアニメのように熱い。その熱さに脳が焼かれそうだが、絶対に忘れてはならない事がある。
ここは学校、目の前にいる生徒会、別にオーバートラッパーが世界の中心になっている訳ではない。そうです、そういうの持ってきちゃ駄目じゃん。
「生徒会の人間ならルール守れよ」
俺は生徒会に関係無いけど、流石に口から叱りの言葉が出てしまった。当たり前である、いくらクラスメイトとは言え、生徒会の人間がルール破りを明言したからだ。
その言葉を聞いて蘭が慌てて弁明する。
「違うんですよ、持ってきてないです。流石に」
「じゃあ、どうやって対戦するんだよ」
「これを使うんです」
蘭が鞄からある物を取り出した。それは、全世界の人間から愛されているカードゲームの最大手。様々なルールが新たに増えていく古にして新のカードの集まり。
そう、トランプであった。
「いや、トランプじゃねえか!」




