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335.思い出せない事


『やっと見つけた…。』


終ったといいながら止まっていた瑞樹様は、

そう言って動き出した。

かと思えば、私じゃなく黄昏時の神様に説明し出した。

私が見たままの出来事に加えて、

瑞樹様が見た事感じた事知ってる事を全て。



〔…と、言うわけで。

お前が気になって仕方がない事ははっきりした。

約束通り、やるべき事をやりなさい。〕


〔分霊の儀式は…失敗の筈なのに、何故か成功している…。

私から分かたれた彼等は、信仰ではなく恨みから生まれた…。

それに、…ごにょごにょごにょごにょ。〕


約束が何なのかは知らないが、

瑞樹様は事を早く進めたがっていた。うん、わかる。

私のやる事は…まだまだたくさんあるんだから。

それなのに黄昏時の神様は、

ごにょごにょ呟きながら考え込んでしまっている。

それに瑞樹様の声も聞こえていないようだ。

そんな様子を見た瑞樹様は……。


〔………………このクソ野郎。〕


小声でそう呟き、拳を大きく振りかぶった。



〔えっと…、はい。

あの、おれ、ぼく……私、い、行ってきます。〕


そう言うと、フッと消えた。

身体中ボコボコになり、大きなたん瘤をこさえた姿で。

私にはよくわからないけど、

神様達には重要な『やるべき事』のために…。


〔最初からさっさと行っていれば、

殴られずに済んだものを…ったく。〕


「「……そうだねー。」」


拳を握り締めたまま、瑞樹様はそう言った。

無表情で殴る姿、それはもう恐ろしいのなんのって…。

まぁそれはそれとして、今は考えるのを止めておこう。


私にだって、やるべき事があるんだから…。



「私は…次は、何するの?

怨霊隆延の魂を鎮めればいいの?」


〖まだ怨霊などではないわ!!!〗


…水神様のツッコミは無視しておく。

でも、正直鎮めるためには義伯父の助けが必要だ。

というか寧ろ、義伯父がメインで私のやる事はない。

出来る事と言えば応援する事だけなんだけど、

義伯父も含めた皆は止まったままだから、

どうしたらいいんだろう?


〔そう言えば結希、そなたは隆延をどこで見たんだ?〕


「……は?何言ってるの?」


意味のわからない事を〖おい!!!〗

……ふぅ。意味のわからない事を言う瑞樹様。

水神様のツッコミを無視したら余計にうるさくなった。

でもそんな事を気にしている暇なんて無い。放置だ。


隆延をどこで見たかって?そんなの過去に決まってる。

瑞樹様と行った、過去の桜庭家。

そこで見たのが最後の筈だ。


〖……無視なのか?〗


〔過去以外で、だよ。そなたは見ている筈だ。〕


〖……おい、泣くぞ。〗


「そんな事言われても…。」


知らないよ…。

過去以外…?叔父の遺影が隆延に見えた時?

それとも精神空間で水神様が見せてくれた、

池に映った映像とか?

いや、流石にそんな前の事なわけ…………ん?



〖………………ずずっ。〗







ちょっと待って。……池?

はっきりとは思い出せないけど、

何かを見たような気がする事があった。


何故か記憶を消されていた時から、

突然記憶が頭に流れ込んだ…と言うか思い出した時。

私は、池に…落ちたんだ…。


そしてその時、何かを…見た……。

思い出したい気持ちはあるのに、全く思い出せない。

でも、思い当たるのはその辺りの時しかない。

どうやったら…思い出せる?



〔そなたなら、きっと思い出せる。〕


何?その謎理論…。

でも『思い出せる』と言うって事は、

記憶には…ある筈なんだろう。

“知らない”とは違う。………私は、知っている。




池……落ちて……どこかに居て……、

また………落ちた……。


そして……………あ、そうだ。

そう…、だった。思い出した……。


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