表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
399/406

334.5 ①

記憶を覗く事になってしまった瑞樹様は………。



結希が…無事に、戻ってきた…。


ホッとしたのも束の間に、あいつも一緒に戻ってきた。

迎えに行ったのだから当然と言えば当然だ。

だが…これは本人には絶対に言えないが、

あんまり信用していなかったし、今もそう思ってる。



遣いとしてここに来て、

私に『お嬢さんをお願い』と言ってモヤへと消えた。

語りかけるといいながら…消えたのだ。

私も結局、結希を引き上げる事が出来なかった。


だがその理由は、

結希が想定以上に深く引き込まれていたからだろう。

そのため私の手が届かなかったというだけ。

あいつが消えたのも、深くまで迎えに行っただけ。

だから別に嘘を言ったとは思ってない。

そう…。思ってはいない…。


だが万が一という事もある。

分霊の儀で分かれた同じ神だから、

我々を呪った黄昏時に共鳴してしまうんではないか…。

そう疑ってしまうのは仕方がないだろう。

いくら私が目覚めさせたとはいえ、な…。



そんな私の感情は、一先ず置いておくとしよう。

あいつ自身は何も悪くはないんだから。

さて、帰ってきた結希が手にしているのは、

ただの煤だ。依代である器だった筈の、煤。


という事は、2人は、もう既に…。


そう思った時、黄昏時の神が私の元へとやって来た。

彼が言うには、

何やら結希に伝えたかった事があったらしいという事。

詳しく話さない内に結希の元へと行ってしまい、

あまりよくわからなかった…。


ただ1つわかるのは、権限の譲渡は完了したという事。

奏多に引っ付けていたあの子と共に、

己の意思で進むべき道を…往くべき道を見つけたのだ。

権限を譲渡された側である彼には、

一刻も早く交渉しに行って貰いたい。

欠片の神と呼ばれていた子達が、

解放の時を今か今かと待っている筈だから。

まだ待たせる事を、許して貰わねばならんのだ…。


が!

あいつは結希との話が途中だのなんだのと言って、

1人で舞い上がっているようだ。

何か気になる事でもあるんだろうか?

だがあまりグズグズしているわけにもいかない。

いい加減止めようかと思った矢先、

こちらへ向かってくる姿が見えたのだ。

……結希の腕を引っ掴んだままで。



勢いそのままに私に訴えかけてくる。

“地下での儀式”“黒い奉納品”“自分は記憶に無い事”。

それらの事を知るために、記憶を覗いて欲しいらしい。

彼には使うことが許されていない術だからこそ、

私に頼みに来たんだろう。

仕方がないので条件を取り付けた上で、引き受けた。

私が見た内容を聞いたら、

理解出来ようが出来まいがやるべき事をやれ…と。


彼も受け入れたので、奏多と話す結希の元へ行く。



……正直、私もかなり気になるのだ。

過去で結希と共に訪れた祭壇の、あの地下なんだろう。

分霊の最終段階で間違いないとは思うが、

素人の儀式らしいから何とも言えない。

それに地下地上関係なく、奉納品は普通の筈だし…。

その辺も含めて、見ればいいか…。






〖兄上ならば余程の事でもない限り失敗などされないし、

そなたの安全を最優先で考えてくださる。〗



最初に結希へと説明しているのは黄昏時の神。

その不足分を珍しく饒舌に説明をする水神が言った、

あまりにも失礼な言葉。


そんな事は説明するまでもなく、

当然に決まっているだろう!

これ以上ふざけた事を抜かしたら、蹴り飛ばしてやる!

そう思いながら、私は結希へと手を伸ばすのだ。


……では、速やかに始めよう。

結希が闇の中に引きずり込まれた所から、な…。



1つずつ、追っていく。…見落とさないように。

少しずつ、力を使う。…結希に影響を出さないように。


そして見えてくる景色、

結希の見た記憶を…探っていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ