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334.記憶を覗く間に


〔終わったぞ。〕


「………?え?」


何をされるかと構えて早々に聞こえた言葉に、

私は驚きを隠せなかった。

瑞樹様の手が私の額に降れて数秒…、

本当にたったそれだけだったから。

てっきり、もっと時間がかかるものだと思っていたのに…。


当然、私に影響は…多分無いと思う。

人から見たらどうかは知らないけど、

少なくとも私自身の感覚だと問題ない。

それに周りの皆が私を見る様子から想像すると、

慌てた様子も無いので問題ないんだろう。

…と、勝手に思っておく。


だけど瑞樹様の様子は少し違った。

『終わった』と言ったその姿勢のまま、動かないのだ。

え、固まってる?考え込んでる?


どうしたらいいのかと思いつつも、

どうすることも出来ないという事はわかってる。

神様に不慮の突然死なんてものは存在しないし、

そこの心配は全くしていない。

でも何かよくわからない術の途中だろうから、

気にはなるけどそっとしておくのが1番だ。



という事で……どうしよう。

暇そうな神様達に何かを聞こうかと思ったけど、

聞いたらいけない事のオンパレードな気もするのだ。

私が今現在理解出来る事は、

儀式中・昔から因縁がある神様達・迷惑してる私達。

そして怨霊隆延の対処…をするのは義伯父だけど、

その後に黄昏時の神様と瑞樹様を御神体へと還す…。

本当にざっくりだけど、そのくらい。


幾つか疑問も多いけど、それはまぁ…後でいいか。

どうせ言ったらいけない事なら教えてくれないし。

結構神様達の中だけで解決してる事も多いんだよね…。


全部全部終ったら、私は寝る!………?

違う。何かを…忘れてる…?


「全部終ったら……えっと……。」


「僕の葬儀だね。」


それだ!!!すっかり忘れてた。

叔父は死んでて幽霊で、

通夜を終えて日を跨いだのが今。

夜が明けたら葬儀が待ってるんだった!それも神式の!



「どうしよう、寝れないじゃん…。」


「そこは…仕方ないよ。

葬儀はいいとしても火葬の予定は変えられないしさ…。」


「………。」


事実なんだけど…自分で言うの、すごいな。

別に何とも思ってなさそうな叔父の表情に驚きつつも、

私自身の気持ちの変化にも驚いていた。


叔父とのお別れ…見送る時を迎えるのが、

最初は本当に嫌だった。死んだのも突然だったし…。

でも精神空間から出ていろいろ大変だった中、

ずっと応援してくれていた。

近すぎず、遠すぎずの距離で。

それに神様の手伝いもさせられていたのもあり、

もう休ませてあげるべきかも…と思い始めたのだ。







そこでふと、火葬後の事が気になった。

今気にすることじゃないのはわかってるけど、

どうせ暇だしと言い訳をしながら…。


「遺骨…池に撒いていいの?」


「………あぁ、そうか。

水神様の池で眠るってのも、

呪いが解けたらどうなるのかわからないよね。」


「うん、そうなの…。」


水神様が力を取り戻すために、

歴代当主たちは池に眠っていると聞いている。

でも水神様はもう目覚めているわけだし、

まだ取り戻す必要があるのかどうか…とか。

私達にはわからない事だから、後で聞くしかない。

でももし、池に眠る必要が無いのなら…その時は…。



〔やっと見つけた。〕


私達の話を終らせる、鶴の一声がした。

そうだった…。今はこっちに集中しなければ。

叔父もそう思ったようで、頷き合って声の主を見た。


〖兄上!…意外とかかりましたね。いっ!!!〗


足を抱えて踞る水神様…。

余計な事を言うから蹴られたんだ。本当に馬鹿だな…。

一方無言で蹴った瑞樹様は、私の方へ向かってきた。


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