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何で俺だけ  作者: コンソン
「僕」
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何で僕だけ「痛みを食らう覚悟をして」

 そもそも「3体」の討伐から始まって「20体」が始末できた時点で二百体を越えるゴブリンを倒している数となる。

 この「ゴブリン異常繫殖」のイベントはチェインイベントなのだ最初から。途中でこの依頼を受けるのを止めていればきっと発生しなくなっていただろう。

 そうなればこの情報がギルドから師匠へと渡り、きっとプレイヤーの知る所とならずにひっそりと「終わり」を迎えていたに違いない。


「おりゃああああ!」


 とうとうゴブリンに囲まれた僕は叫びと共に気合を入れてその包囲から即座の脱出を計る。

 まだまだ体力は残っており、走ってこの森を逃げ回りつつゴブリンを長い時間かけて始末する事が可能ではあった。

 しかし僕はここで戦略的撤退は避ける。何故ならここであまりダラダラと時間をかけ過ぎても良くないと思ったからだ。

 余りにもそうして逃げ回って一対一の態勢を整えてからゴブリンを一体ずつ始末していれば、終わるのにどれだけ時間が掛かるか分からない。

 そうなると師匠が介入してくる可能性が大いに高まる。師匠は「死ななければどうとでもなる」と言った教えを説いてくれてはいるが、強敵相手に時間を稼いでもジリ貧で追い詰められるだけなどと言った場面はこの先充分考えられる。

 そうなったらそこは賭けであっても勝算の高い挑戦をしなくちゃいけなくなるはずだ。いや、低いモノでもやってみない事にはそのまま死ぬと言った場面がきっと僕の進む道を塞いでくるはず。


 そして今の場面ではケリをつける事を決断しなければならない所だ。多少傷ついてHPを減らされたとしても。


 そして僕は包囲から抜け出る事に成功した。狙いを付けた一体目掛けて思い切り体当たりをしたのだ。

 コレをモロに受けたゴブリンは吹き飛んで転ぶ。どうやら囲まれた僕が怯えて動けなくなるだろうとでも思っていたのか、こちらの動き出しに反応が鈍かった。


 無言で僕は吹き飛び倒れたゴブリンの鳩尾に剣を突き刺す。その後は直ぐ剣を引き抜いて左隣のゴブリンへと斬り掛かる。しかしコレは大きく後ろに下がられた事で逃げられた。

 避けられたならソレはどうしようもない事だ。いつまでもそれに拘っている余裕が僕には無い。ここからは駆けずり回りつつも多少の無茶をしつつ数を減らしていかねばならない。


 包囲の中に居た僕がこうして即座に外へと出てしまった事はゴブリンたちの計算外だったようで。

 またしてもバラバラに僕へと群がって来る。やはり知能レベルが低く積まれているだけはあって戦いやすい。

 だがそれでも油断なんてできない。まだ「14対1」だ。数の脅威は大きい。


 正面から来る二体の内、先行してきたゴブリンを一歩踏み込んで袈裟斬りにする。

 肺まで達したその剣撃で光と変わって消えていくそいつの背後から無理矢理飛び掛かろうとして来る次のゴブリン。

 ソレを僕は前蹴りで蹴っ飛ばして転ばせる。丁度金的にソレは当たった。運が良い。

 急所に蹴りが入ったそのゴブリンは吹っ飛んで地面に転がるなりのたうち回り始めた。どうやら相当に痛いらしい。

 そいつが邪魔で他のゴブリンの接近はある程度止まった。しかし他の方向から迫って来るゴブリンには影響が無い。

 前蹴りなどと言った攻撃を仕掛けたせいで僕の態勢は少しだけ崩れてしまっている。そこにゴブリンの棍棒が迫った。

 だけどここで散々師匠に「盾の使い方がなっとらん!」と叱られ続けた事で身に着いた動きを咄嗟に出す事に成功した。

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