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何で俺だけ  作者: コンソン
「僕」
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何で僕だけ「追い込むのか、追い込まれるのか」

 ゴブリンは最初30と言う数ではあったが、バラけていた。なので今も僕へと迫るゴブリンは包囲をしようとする動きでは無く、個別にバラバラに迫ってきていると言う状況だった。


「十匹目!」


 真っ先に僕へと迫って来たゴブリンの首へと剣の刃を滑らせる。カウンター気味だ。

 棍棒を振り上げたゴブリンの攻撃の遅さは切ってくれと言わんばかりだ。師匠との打ち合いは役に立っている。ゴブリンの打ち込みがこれほどまでに遅く感じるのだから。

 そして今のステータスならその隙へと踏み込んで僕の攻撃を当てる事が可能だった。

 それには度胸が必要ではあるのだが、今の現状はその度胸を無理やりにでも発揮しないとこのイベントのクリアは難しい。


 この僕の攻撃で光となっていくゴブリン。その首がごとりと地面に落ちて行っている。

 クリティカルが出ていたようだ。僕の手にはゴブリンを斬った手応えが余り無い。

 それでもその結果を見れば一目瞭然。この事に一々長々と感じ入っている暇は無い。


「十一匹目!」


 そのゴブリンは僕へと飛び掛かって来ていた。どうやら掴みかかって噛みつこうとしたらしいのだが、遅い。

 その無防備な腹へと剣を滑らせる。ブツリ、そんな抵抗感が僕の全身を巡って来るがそれに構っても居られない。

 コレはゴブリンの横っ腹が僕の一撃でバッサリと掻っ捌かれた手応えだ。致命傷、もうこのゴブリンを気にしないでも良いだろう。次の襲い掛かって来るゴブリンへと意識を向ける。


 二体同時に僕へと近づいて来る。単独では無理だと感じたんだろう敏感な二体が居たらしい。

 その後続は別に纏まって僕を襲おうと考えている個体は見当たらない。

 ここらで冷静さを取り戻して包囲網を作ろうと動いて来る個体が居ても良さそうではあったが。

 しかしコレは僕にとって好都合だった。


「ファイアーボール!からの!」


 十二体目、唐竹割でゴブリンの頭をカチ割る。次に魔法で牽制した方へと迫りその首へと突きで一刺し。倒す事に成功する。


(速攻で13体も減らせた!でもここが今は限界か・・・引く!)


 僕は迷わず背を向けてゴブリンから逃げ出す。しかも慌てて足取りがフラフラしている「演技」を入れて。

 コレはゴブリンに僕が罠へと誘導していると悟らせない様にする為のモノである。

 こうする事でゴブリンに俺がもう打つ手が無いのだと思い込ませるのだ。一応ゴブリンに積んである知能は低く見積もられているのは確認済みだ。

 こんな稚拙な演技でも引っ掛かる事は検証してあった。


 ゴブリンたちは勢いをつけてどんどんと迫ってくる。だがここで俺が仕掛けた「脚を引っかける罠」が。

 これにまんまとひっかっかった二体を狙って弓矢で攻撃する僕。


「この距離では絶対に外さない!」


 そこまで距離は離れていないが、罠でこけたゴブリンに向かって行って剣で斬りつけると言った事はできない。

 だからここで弓での攻撃だ。放った矢は二発。早打ちを師匠に練習させられていたのでここで手早く二体を仕留める事に成功した。

 しかし僕の精神はそこまで高揚していない。寧ろ追い詰められている。かなりの速さで処理できた「15」。順調ではあるのだが。

 あと半分といった所で余裕が出来たのか、僕の頭の中には次はどうなるのか?と言った不安がある。


(迷ってる場合じゃ無い!目の前の敵を全部倒せなきゃその不安だってこの目にお目に掛かれないんだから!)


 この「30」という数がクリアで来たらその次は?「31」?それとも「35」?

 ヤバいのは「40」まで数が一気に増える事だ。こうなるとこの戦闘の後に僕のレベルが「3」に上がっていないと厳しい。


(師匠の言葉を信じるしかない!やるんだ!やり切るんだ!)


 矢を二発、弓を構えて撃った事で立ち止まった分だけ残りのゴブリンは僕へと迫ってきている。

 半分まで数を減らされたゴブリンたちがもう少しで僕を囲い込む所まで来ていた。

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