何で僕だけ「グダグダな内容」
剣が折れてしまった。どうやら穴掘りで剣の耐久値が非常に落ちてしまっていたらしい。
本来の用途では無い使い方をするとその道具は耐久値を大幅に減らして壊れてしまうのだ。
ソレを忘れていた。このゲームをする前にその点なども事前調査をして知っていたはずなのに。
「失敗した!勿体無い!クソー!ショートソードを予備に持っておいて正解だった!」
この予備武器のショートソードを直ぐに取り出して近づいて来る三体目に相対する。
ゴブリンの方は走って来て勢いを止められないらしい。既に先に二体が目の前でやられているのだが、もう自棄だと言わんばかりの顔で僕へとその手の棍棒を横振りして来る。
その棍棒をショートソードをしたから振り上げてぶつける。ゴブリンはその衝撃で棍棒を弾かれてバンザイポーズになる。胴体がガラ空きだ。
「しっ!」
短く息を吐いてその胴を薙ぐ。ゴブリンの横腹は半分まで綺麗に切れた。致命傷だ。しかし安心しては居られない。止まっていられない。
ここでまだ終わりでは無い。すぐさま僕は走り出す。怪我をしている残りの二体を仕留めなければならないからだ。
仲間がやられた事で動揺を隠せずにオロオロしているが、そこにまだ僕は辿り着けていない。
背を向けて逃げ出されると厄介だった。だからここで僕はショートソードを「槍投げ」の様に構えて撃ち出す。
「当たれええええええ!」
アイスニードルが二の腕に掠っていたゴブリンはもう逃げ出す瞬間だった。その背に向けて思い切り投げつけたのだが、コレが功を奏した。
ブスリ、そんな擬音が聞こえてきそうなくらいに見事にその背中にショートソードが刺さってくれた。
この戦闘は残り一体となったが、ここまでは僕の実力と言うよりも「運」が良かったと言っていい内容だ。
この内容を師匠に知られれば再び地獄の特訓を課せられる可能性が高い。
やっと全力で走った事で残りの一体に追いついた。どうやら怪我の様子が深くて早く走れないらしい。
その逃げている背中に僕は飛び蹴りを食らわせる。コレで態勢を崩してしまったゴブリンは地面へと思いきり顔面を叩き付ける様に倒れた。
「このまま止め!・・・あれ?」
そのゴブリンはどうにも顔面を打ち付けた際に首の骨まで折ってしまったらしく、それが致命傷となって光に変わっていっていた。
「・・・締まらないなあ。でも、これで少し余裕を持って戻れる事を喜ぶかぁ。」
一端この時点でギルドに戻って報告をしようと思い僕は森を出る方向に踵を返した。ショートソードの回収も忘れずに。
精神的な疲れが大きくてその足取りは重いが、何ら問題無く森を抜けて街道に出る。本来ならもっと罠を使っての楽な狩りになる筈だったのだ。しかし結果はこれだ。
これに帰還する途上で僕は思う。
「無駄が多かった。穴を掘って罠を作ったのもそうだし、その際に剣を使ったのも悪かった。戦闘もその中身は中途半端だったし。折れた剣は回収したけど、鋳つぶして貰うしかできないだろうな。売っても二束三文以下か。」
買ったばかりの剣がゴミと化したのが一番イタイ。自業自得だが。
「これで次に八体倒せるのか・・・?あ!ステータス確認して無いや。どれどれ・・・!?」
レベルが「2」に上がっていた事で僕は静かに喜びを噛み締める。そして。
「やった!これでステータスの上昇値如何ではソロでこのままゴブリン狩りが続けられる!正直に言ってこのままじゃ到底無理だと思ってたからなあ・・・あ、あれ?」
僕は自分のレベル「2」となったステータスを何度も確認をしたのだが、どうにもおかしな事に気が付いた。




