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何で俺だけ  作者: コンソン
「僕」
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何で僕だけ「増えていくモノ」

 それにしてもあの冒険者たちが僕の無職を知っていたのは何処から話が漏れたのか。

 しかしそれの出所を探そうとしても恐らくは無理だ。何せ僕はどうにもとある業界では有名らしいから。


(門番には最初に僕を無職だと大声で宣伝されたし。それを口止めした訳じゃ無いからな。別に師匠関連でもそこら辺の話は広まっていてもおかしくない)


 それにギルドでは僕は冒険者になれないと一度断られている。そこら辺でも話が何処まで広がっているかはもう突き止められないだろう。何処で誰が話を聞いていたかなんてわかりっこない。

 そんな思考をしながら奥へと進めば、居た。今度は六体。余りにもこれには不自然を感じた。


(どう言う事だ?もしかして続けて依頼を受けると連続性がそのまま受け継がれるのか?)


 限界は何処だろうか?ゲーマーな僕はその事を検証したくなった。最初は三体、次に四体、その次は五体。今回は六体である。

 しかしここで少し自制する。レベルの件を先に検証するべきなのだ。このイベント検証は強さを先ずは上げてから挑戦をするべきだ。

 そして今はそれよりも僕は一人でこの六体を倒せるかどうかも熟考しなくちゃいけない。


(ゴブリンとの距離を考えて隠れる場所も慎重に・・・音を立てるのも駄目だ・・・)


 ゴブリンを見失わない様にと息を殺して木々の裏、草の生い茂る場所へと身を潜めて移動する。

 獲物を探して徘徊しているのか、ゴブリンはその場にはじっとしていてくれない。

 自分の存在がバレない様にしつつも戦闘シミュレーションを考えるのは結構キツイ。

 それでも成し遂げなければいけない。ここで引き返すと言う選択肢は無い。


(街に戻ってHPもMPも全回復した。・・・やれる、事はやれるんだけど・・・)


 武器屋で買うのは剣では無く弓矢の方が良かった。ここで少しだけ後悔する。でも遅い。

 ここでMPに余裕を持たせるために別の遠距離攻撃の手段を持っておくべきだった。これでは師匠に怒られる案件である。

 師匠には様々な戦術を使えるようにと武器を揃えておく事は毎度の事に言われていた。

 まあこの場合は金額的な問題があって揃える事は困難だったと言う点もあるけれど。


(じゃあ思い切って広範囲攻撃魔法を放ってみるか?一応は放った事は無いけど師匠からは一通り教わってる。でも、今の僕じゃ失敗するか?別に今回の一回で十体を倒さずに次にギルドに入った時に十体であれば良いんだし。ここで引き返す手も・・・)


 しかし戦略的撤退をするにしてもここで一体も倒さずに帰ると言うのは無しである。

 四体は確実に仕留められる自信はあった。ならば残り二体を振り切って逃走を図ると言うのもアリだった。

 あくまでもギルドではゴブリン退治の「清算」をするには最低でも十体と言う数が決められていると言うだけだ。

 ここで四体、逃げて街に戻り、また準備をして森へと入って残りの六体を始末。そんな手順でも可能である。


(いや、ここでもしかしたら六体を全滅させないとフラグがゼロに戻る可能性が)


 もしかしたらこの連続でゴブリンの数が上がっていくのだろうサブイベントみたいなものは一回こっきりの可能性もある。

 コレを逃したらもう二度とこの現象は起きないかもしれない。逃せない。この機会は。

 僕は事前にこのクエストの下調べをしなかった。ゴブリン退治など初歩の初歩、そんな事を考えて。

 でも、ちゃんと油断は捨てるべきだった。この様な事が起きると思っていなかったのはしょうがないとしても。

 そして、レベルの上がっていない事も僕の思考が横道に逸れた原因でもある。今のこの僕のジョブ「無職」はトラブルが多すぎて考えなければならない事が余計に増えて思考が散漫する。


 ここでゴブリン六体を全滅させるべきか、それとも、逃げ出すべきか。

 今こうしてゴブリンを付け回しながら掲示板を見て情報収集と言った事を同時に熟す余裕は無い。


(決めなくちゃな。六体倒す為の戦略は整えた。けど、成功率はあんまり高くない。・・・逃げる事も視野に入れないと。でも・・・あーもう!腹を決めろ僕!)

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