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何で俺だけ  作者: コンソン
「僕」
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何で僕だけ「次を発見」

 三体のゴブリンを仕留めた。幸先が良い走り出しである。でもまだこれからだ。最低のラインは十体の討伐。

 それからは上限が無いと言っていた。であれば幾らでも切り殺せばその分だけの報酬が積み重なると言う事。


「・・・楽しくなってきたな。ふーん、上限は無いとか言ってたけど、この周囲一帯のゴブリンを一匹残らず殲滅したらどうなるんだろう?」


 武器の損耗状態を確認する。師匠からはちゃんと「確実」と言うのを習った。

 現在の状況が次の目的を達成できないと判断したら即座に撤退と言う判断を取れと。

 確実性が無ければ無い程に、自らの命が危うくなる。それをいやという程に聞かされた。耳にタコができる程に。

 アイテムは減っていない。空腹度も。武器のショートソードも刃毀れは見当たらない。歪みも無し。


「よし!このまま続行だな。さて、ゴブリンを探すのにも時間を余り掛けたくないな。コツを覚えないと・・・」


 ここで師匠に森に連れられて行った時の事を思い出す。師匠がゴブリンを見つける際にどう言った動きをしていたかを。


(時間ばかり掛かけていると効率がすこぶる悪くなる。そうなれば殲滅なんて到底遠いよな)


 僕は地面を見た。ゴブリンの足跡を探すのだ。ここまで来た流れを逆さに辿ってみようと考えた。

 もしかしたらゴブリンの巣なんかが発見できるかもしれない。でもその時には。


「戻って報告をした方が良いんだろうな。一応はここまで来た道は印を木に付けて歩いて来たし、直ぐに戻れるよな?」


 巣を見つけても今の自分で壊滅をさせる事ができない事くらいは弁えている。

 物語の、ましてや「オレツエエ」の主人公でも無いのだ僕は。まだ駆け出しの底辺冒険者だ。

 僕ができる事なんてたかが知れている。レベルもまだ低いし、特殊なスキルや魔法が使える訳では無い。


「それでもやり様によっては多くのゴブリンに痛手を負わせて逃げ切れる方法も無くは無いだろうけど。」


 そんな無謀をして英雄気取り、なんて事をする気も無い。そもそも僕がこれからそのゴブリンの足跡を辿って巣に辿り着くかも今の段階では分からないのだ。


(もしかして条件を揃えると特殊クエストに途中で変わったりするかもしれないけどね)


 そんな考えをボンヤリと頭に浮かべつつ足跡、それと獣道などが無いかどうかを良く観察しながらに進む。

 僕はパーティでやっていない。ソロである。ここで物音を大きく出してワザと魔物を引き寄せると言った方法は取れやしない。

 そんな事をすればたちまちのウチに囲まれて袋叩きでキルされるだろう。

 そんな大胆な方法は自分の強さに自信があるか、もしくはそれを跳ねのけられるだけの数を揃えられている時だけだ。

 そんな準備や強さを持っていたとしても、時にはソレを凌駕する危険が迫ってきたりする事も無きにしも非ずだろう。

 確実な目的が無ければそんな行動などしないでおくのは当たり前だ。目的があろうともそんな手段を取らずに他にやり様はきっとある。無難を選ぶのが自分を守るための基本だ。

 しかし時には賭けに出てみないと現状打破ができない場面などこの先幾らでも出て来ることだろう。


 そして余計な事を考えている間に今度は四体のゴブリンを発見できた。幸運だと言って良いだろう。

 コレを全滅させられれば合計で七体の討伐に成功となる。早々とクエスト成功条件の達成にあと一歩になる。


「おっと。油断は禁物大敵だよな。やっぱりゴブリンは索敵範囲が狭いのかな?まだまだコッチ気付かれる様子は無いな。」


 やる事は最初に遭遇した三体の時と同じだ。違うのは初手で放つ魔法の数である。最初の一撃だ。

 僕はピースサインをし、それぞれの指がゴブリン二体を指している。


「アイスニードル」


 二本の氷の針が狙ったゴブリン二体へとそれぞれ飛んで行った。

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