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何で俺だけ  作者: コンソン
「僕」
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何で僕だけ「嵐を受ける」

 あれから三週間が経つ。その間の僕の活動内容と言えば。


 食事作りに部屋の掃除、洗濯。これらは自分の為では無く、僕の師匠となってくれるNPCのためのモノだ。

 そして一日三時間みっちりと「稽古」を付けて貰う。そう、僕はこの師匠となるNPCの世話をする代わりに自分が強くなるための指導を受けているのだ。

 依頼料の代わりにこうして毎日の家事を任されており、それらを全部終えると僕の特訓が始まる。


「ええい!剣刃が真っすぐに立っておらん!集中力を切らすんじゃない!」

「槍先が突き出す際にぶれておる。もっと全身に力を込めんかい!」

「戦斧は力任せに叩き付けるモノでは無い!何度言ったら分かるんじゃ!」

「盾の使い方をもっと考えんか馬鹿者め。敵の攻撃を防ぐだけが盾の役割では無いぞ!」

「長剣を使いたいじゃと?舐めた口を利くな!貴様の貧弱な腕で振った所で怪我をするだけじゃ。」

「二刀流?お前はいつから偉そうな事を言うようになった?ふざけた事を言う暇があったら素振りを続けんかい!」

「戦槌なんぞを持てば貴様の腕の骨が折れるだけじゃ。笑わせるな。」

「弓を引く際には背中を意識しろと何度言わせたら気が済むんじゃ?姿勢を正せ!先ずはそこからじゃ!」

「その体型では格闘術もできんわい。痩せろ痩せろ。その短い手足で何ができると言うんじゃ?」

「棍術?貴様の様な不器用な者に扱える訳が無かろう。槍もロクに真っすぐに突けずにブレてしまう貴様が何を言うとる。」

「さっきから言っているじゃろうが。短刀は相手の懐に入らねば意味は無い。お前のその体型でソレが可能だと思うのかの?」

「魔法を使いたい?・・・ふむ、魔力量は多くは無いみたいじゃが、別に使えないと言う程でも無いの。気が向いたら教えてやるわい。それよりもさっきから体幹がぶれておる!余計な事を考えておるからじゃ。」


 ハッキリと言わせて貰うとすると、キツイの一言だ。しかしコレに僕は我慢に我慢を重ねた。

 コレを越えられればきっと冒険者として登録を出来る様になり、やっとこの街から出て魔物と戦えるようになるはずなのだから。

 そうすれば経験値を得てレベルアップし、このゲームの中を自由に何処にでも行けるようになる。

 そんな事を夢見て僕はこの三週間を必死に耐えていた。

 その間にもまだプレイヤーが数字付きの悪魔を倒したと言う情報は流れていない。


(まだ僕にだってチャンスがある筈だ。耐えるんだ。僕はこのゲームで無職になったが、どんなモノでもやり遂げて見せると覚悟は決めていたんだ)


 この師匠は昔に冒険者として名を馳せていたと言う設定らしいのだが、その詳しい内容までは聞かされていない。

 只々「凄い人なんです」と言った説明を聞かされただけだ、受付から。こんな杖を突いて背中も曲がっている老人が以前は凄まじい活躍をした冒険者なのだそうだ。

 ついでに情報を付け加えるならハゲである。眉間に皺を寄せていつも不機嫌そうにして僕へと罵りの言葉を吐いてくるのが毎度の事である。

 気まぐれでその日その日に僕へと扱わせる武器を変える。しかし一度始まれば三時間の間みっちりとダメ出しの嵐である。

 一応は駄目出しされた部分を修正して稽古を続けると極稀に「やればできるではないか」と褒め?られたりもする。

 僕はずっとこうしてこの先いつまで続けれれば終わりになるのかと言った不安を抱えながらの毎日を続けていた。

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