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何で俺だけ  作者: コンソン
「僕」
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何で僕だけ「受けて立つ!」

「ありがとうねぇ。もう私も歳でね。足腰も弱くなって、重たい物も持てなくなりかけてきてたんだよ。」


 そんな風に言うのは僕がその「家事手伝い」で訪れた家の住人だ。おばあさんNPCである。


「ああ、そっちの荷物はこっちへ。あっちの荷は奥へと運んでおいてくれるかい。」


 どうにも老いてきた事で高い所の荷物や、そして重たい物などと言った物の置き場所を変えたいと言う事らしかった。

 そうやって取れない、運べないと言う手遅れになる前に事前にレイアウトを変える為に人を雇って代わりにやって貰う。これは別に変な事じゃ無い。


(だけど僕にとっては変な事の中に入る。僕はいつになったらこの状況から抜け出せるんだ?)


 幾ら何でもこの様な事をプレイヤーにさせると言うのは明らかにリスクが高い。何のリスクかと言えば、クレームという事になる。

 このゲームの評判を落としかねない事案だ。今の僕のこの現状は。ゲームをしていないと言っても過言では無い。

 だけども僕はめげない。今の状態よりももっと酷いクソゲーを僕は幾つもクリアしてきている。伊達に自分でゲーマーなどとは言わない。


(やり切ってやろうじゃないか。僕は自分のこのジョブを何としてでも使い物にして見せる!)


 運営もこの「無職」に対して何ら用意していない、などと言う事は流石に無いだろうと思う。

 そうでなければこの様なジョブを作ってランダムに仕込んでおいたりはしないだろうから。根拠はそれくらいだが。

 大器晩成型、そんな事を考えながらでなくてはやっていられない、と言った面も少なからずある。僕は自分で自分を我慢強い、忍耐がある、そんな風に思っている。


「おお、終わったねぇ。はい、ありがとうねぇ。それじゃあ、コレ、報酬だよ。」


「有難うございます。では、僕はこれで。」


 そう言って頼まれた力仕事の全てを終わらせて受け取った報酬は最初に受けた掃除の報酬と比べたらかなり高い。でもその程度だ。


「本当に僕は何をやっているんだろうか?」


 時々そんな事を思ってしまうのだが、また斡旋所に到着する。もちろん仕事を貰いにだ。

 今の僕はここくらいしか手がかりが無い。手がかりと言うのは、僕がこの始まりの街の外に出られるようになるための手段という意味だ。

 ここで仕事を受け続けていれば何かしらのフラグでも、ヒントでも、もしくは直接外に出て何かを成す仕事を受けられるのでは?という期待だ。

 期待だけでは無く、実際に僕にはここ以外に他に当てが無い。ならば先ずは徹底的にここでやれるだけの事をやるべきだ。

 もしかしたら時間の無駄になる事も在るかもしれない。でも、今までに他のゲームで「くそ」と呼ばれるゲームはいくらでもやって来た。

 それらに比べれば無駄なんて些細な事だ。よっぽど昔にやったクソゲーの方が「時間の無駄」と言えるような内容のものを遊んできている。

 今更僕はそう言った時間の無駄などと言う事に関しては気にはならなくなっている。


 こうして僕はこの斡旋所で幾つもの、それこそ数十と言える程の数の仕事をこなし続けた。

 庭の草むしり、要らなくなった粗大ごみの運搬の手伝い、ドブさらいに、大通りのゴミ拾い、屋根の修理、壁の修理、外壁の修理、ペットの散歩、子供の相手、何かしらのイベント用大道具の設置の手伝い、それの片付け、料理の仕込みの下拵え、大量の洗濯物の手伝いなどなど。

 他にももっと「ザ・雑用」の依頼を受けるだけ受けてそれらを全て熟していった。

 この間、三日。日の限界までログインをし続け、斡旋所で受けた依頼をこなし続ける。それも三日ずっとだ。連続でだ。


「お疲れ様でした。今貴方が終わらせた仕事でもう今ここには他に一つも依頼は残っていません。もう少ししたら少しくらいは新しい依頼が入るかもしれませんが。」


 僕はこうしてこの斡旋所でやる事が無くなってしまった。

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