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何で俺だけ  作者: コンソン
「僕」
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何で僕だけ「冷たい」

 冒険者となればきっと外にも出られるようになるのでは?そんな予想は安易だった。

 すんなりと建物の中に入れはしたが、受付で「アナタは登録無理です」とハッキリと断られた。

 無職、コレが原因だと直ぐに僕は理解した。これ以上ここに居ても無駄だと思って建物の外に出る。


「冒険者登録ができればクエストを受けて街の外に出られるかと思ったけど。そうは甘くないみたいだな。運営はどんな考えでこの「ジョブ」を作ったんだろうか?まあ、良いや。片っ端からNPCに話しかけるか。」


 ゲームを僕は遊んでいるのだ。だから遠慮無くそこら中で歩くNPCへと声を掛けて回る。


「あの、スイマセン。この街から外に出たいんですけど、どうすれば良いですか?」


「はあ?何だお前は?仕事の邪魔だ。」


「あの、スイマセン。外に出ようと思ったら門番に止められてしまって。他に何処か外に出られる様な隠し通路とか無いですか?」


「お前は何を言っているんだ?怪しい奴だな?近づいて来るな!衛兵を呼ぶぞ?」


「あの、スイマセン。転職をしたいんですけど、場所は何処にあるか分かりますか?」


「ァァ?転職だぁ?仕事が欲しいなら斡旋所に行きな。俺は忙しいんだよ。」


 余りにもNPCからの対応がリアルで最初かなり面食らった。僕がやってきたゲームのNPCと何かは分からないけれど、何かが違う。

 そんな感覚を覚えつつも、こうして有用な情報を得ようと必死になって三十回以上は話掛けるのだが、軽くあしらわれ続けた。


(このゲームはプレイヤーにNPCは協力してくれるのではなかったのか?)


 設定ではプレイヤーは「神が遣わした兵」として魔王を倒すと言うストーリ。

 NPC達はこれに積極的に協力してくれる、はずであるのだが。僕には冷たい。


「この反応を受けるのは、まさか僕だけなのか?検証は・・・できないか。ある程度は掲示板を調べて来たのに、今の僕のこの状況を説明できるような話はその中には無かった。この「無職」が原因なのは明らかだなぁ。」


 今の所で得られた情報として「転職」と言ったシステムは導入されていない、或いはあってもまだ秘匿されているのか。

 門番が口にした転職というのはソレを出来る様にする為のキーワードだったと思われるが。


「もしかしたらもっとそう言ったフラグを必要数起てないと転職は無理な場合があるよな。でも、今の僕は外には出られない。この街の中にそもそも幾つフラグがあって、それらを全部起ち上げたとしても本当にそれで転職なんてのができる様になるかは分からないよな。」


 取り敢えず普通のプレイヤーが辿るだろう道を、今の僕のこの「無職」では進めないと言う事は分かった。

 ならばこのゲームの中で僕だけが、僕だけしか進めない道がきっとあるはずだと信じるしかない。


「さて、それなら今の状況を打破できるとしたら、得られた情報の中で「斡旋所」って言うのがポイントかな。そこに行ってもダメだったらもっと別の情報を歩き回って得ないとな。」


 こうして僕は斡旋所の場所をNPCに訊ねて道を教えて貰い、そこへと向かった。

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