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何で俺だけ  作者: コンソン
「僕」
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何で僕だけ「一体全体どうなっているって言うんだ?」

 このNPCから貰える情報はいくつかある。


 悪魔王の伝説。その部下の話。神々との戦争。もうちょっと細かい話などもあるがそこまで重要では無い。

 このNPCのおばあさんは歴史家で、古代のこうした伝説や物語などを中心で研究していると言う設定だ。

 そして話を聞き終えた僕はお礼を言ってその場から離れる。


「次に行くのは・・・街の外だ。この「ジョブ」で何ができるのか試してみなくちゃな。」


 仲間を探す、それは今の自分にとって非常に困難な事である。ここまでの道を歩いているだけで周囲のプレイヤーの反応はもう理解できている。

 他のプレイヤーとのコミュニケーションを取るようになれるのはもっと、もっと、もーっと、後の事になるだろうこの調子では。

 こうなれば今は「ソロ」で何処までやれるかが問題だ。しかしここでこんな問題が起きるとは僕は思ってもみなかった。


「ちょっと君、待ちなさい。どう考えても君は戦えるようには見えない。街の外には出せないよ。」


 僕が門を通ろうとしたら呼び止められた。しかも「強制」らしく動けなくなる仕様だ。

 どう言う事だ?そんな驚きと共に僕はこの門番NPCの説明の続きを聞く事になった。


「どうやら見た所、君は新人らしいね。ジョブはなんだい?」


 僕はこれに素直に答えて良いモノかどうかを悩んだ。これは一体何のイベントなのだろうか?と。

 しかし僕はここで正直に自分の「ジョブ」の名前をこの門番に教えたのだが。


「君、ふざけているのかい?まさか「無職」って・・・あり得ないだろう?」


「いえ、本当です。自分に何ができるのか試したいので外に行かせてくれませんか?」


「いやいや、君、幾ら何でもソレはできないよ。せめて戦闘職へと転職してからじゃないとね。みすみす死なせに行かせられないって。」


 どうにもこうにも、ランダムで決まったこの僕のジョブ「無職」はこのままでは街の外にすら出られないらしい。


(どう言う事だ?このまま無理矢理出ようとしても駄目っぽいしな。って言うか、じゃあ僕は何をしたらいいんだ?)


 戦闘をしてみたいのに止められ、外に出れない。ではこの街の中で何ができるのか?

 もしかしてこの「無職」だけでしか発生しない特殊イベントかクエストが?などと思ったのだが。


(一度ログアウトして掲示板を確認してみた方が良いか?あと、転職?このゲームは初期ジョブからは転職できないだろう?したとしてもクラスアップ、クラスチェンジするだけ。第二ジョブもあるけど、結構進んでからじゃないと駄目だろう?)


 僕はここで「無理ゲーか?」と一瞬だけ考える。だが、それはそれで面白いとも思ってしまった。


「今まで遊んできたゲームは数知れず。ゲーマーと自負している僕だ。良いね。どうせ僕を仲間に入れようとするプレイヤーはきっと居ないだろうし。徹底的にこの街でこの「無職」で先ずは何ができるのか隅々まで駆けずり回ってみるか!」


 どうにもこうにも僕はこの件で当初の目的を大幅にはみ出していく。

 僕はこのゲームで自身を曝け出し、他のプレイヤーとの交流で「中身」を埋めていく予定だった。それが「からかい」やら「脅し」やら「馬鹿にされる」などと言った事であっても。

 そうやって交流していった中で僕は何を感じ、何を思い、何を怒り、何に嬉しくなり、何に対して悲しくなり、何を楽しいと思うのかを確かめていくつもりだった。

 しかしどうにもソレが今の状態では無理筋である事は理解できている。未だに僕を遠巻きに見てコソコソクスクス笑うプレイヤーばかりだから。


 こうして門番からの話が終わって動けるようになって僕は先ず最初は何処へ行けば良いかを考える。


「確か冒険者ギルドとか言うのがあったよな?そこで登録してクエストでも受けてみよう。」

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