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何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
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何で俺だけ「どう言う展開?え?マジで?」

 そこには訓練する広場の中央にポツンと誰かが立っていた。俺の見ている角度からして背後しか見えないのだが、着ている服が見かけた事が無いものであった。

 新しいファッション服を考案したのかな?などと一瞬だけ思ったのだが、そうなるとおかしい事にも直ぐに気付く。

 ここは訓練所。魔族の皆が強くなるために此処で模擬戦を行ったりする場所だ。そこにスーツとみられる衣装を身に纏った者が居るはずが無い。


 それにどうにもおかしい。そいつは俺が来た事が気配で分かったのか振り向いた。そして俺はその顔を見て驚いた。


「黒ヤギさんがスーツを着てこんな所に何故居るのか?」


 思わずツッコミを入れざるを得ない。白ヤギさんは何処ですか?などとふざけた事も追加でこの時に口から洩れたが、この黒ヤギ、別段この俺の言葉に怒った様子は見えない。


「これはこれは魔王様。ここまでの封印解除、おめでとうございます。こうして封印が解かれた事でやっとこちらも観測ができるようになりまして。ご挨拶に来るのがこうして大幅に遅れてしまいまして。」


 その黒ヤギは綺麗な一礼を見せて俺へとそう言葉を発する。


「・・・これはこれはご丁寧にどうも。で、誰?何者?」


「これは失礼を致しました。ワタクシは「悪魔王」様の部下で名はバフォルと申します。以後お見知りおきを。」


「これまたいきなり新しいのがブッ込まれてきたな?悪魔王?」


 ここに来て新しい新要素だろうか?今の今までこいつら何やってた?と言った具合だ。


(シナリオが進んで出てきた?もしくは運営が今の状況にテコ入れ?どちらにしろこれはどう扱って良いんだろうか?)


 俺は悩む。これはこのゲーム上の「確定イベント」なのだろうか、と。ストーリーがプレイヤー側で進んでこうして魔王に関連した何かのストーリーも一緒に進んだのかと。


「・・・どうにもこうして面と向かってお話をさせて頂いた事で確信しました。これまでは神の封印があって解析どころか、魔王の復活すら観測が確実にできていない状況でしたので。魔王様がこうして外に出てきた事でそれも緩和されて調べも大分ついてやっとの事こうして許可が下りてここまでやってまいりましたが・・・しかしまあ、本来の魔王の「魂」は・・・今入っていない様子。では、貴方は「何者」ですか?」


「おー?なかなか鋭い質問だね。なんだかわからんけど、俺の事分かっちゃう方法があるみたいだね、その口ぶりだと。まあ俺が何者かなんてのはどうだっていいじゃん?それよりもさ、用件を教えてくれないと話が進まなくない?互いの事情説明をここでするのもお互いの事を分かり合うために必要だろうけど。あぁ、ちゃんと言葉で言ってこうか。君は何しにここへ?挨拶するだけ?」


 俺はこのバフォルの指摘に何ら動揺は無い。別にバレてもどうって事無いな、と思っていたから。

 自分から誰かにバラさなければ良いだけ。観察され、憶測され、推測されてこうして俺の「中の人」がバレるのはアカウント凍結にはならんだろうと結構な緩い事を考えていた。

 それにそのバレた相手がプレイヤーでは無くてNPCだと思われるキャラなのだから、別段コレには「ストーリの一環かな?」などとこちらも捉えてしまう。


「・・・そうですね。これは失礼を致しました。不躾な事を申し上げてしまい申し訳ございません。無礼をはたらいてしまった事、御容赦を。こちらにも複雑な事情が御座いまして。では改めて私の口から悪魔王様からの要請を魔王様へとお伝え致します。」


『我と手を組み、神の兵共を殺し尽くそうぞ。そしてゆくゆくは神へと再び挑み、奴らのあの高慢な顔に土を付けて見下してやるのだ。魔王よ、魔族の王よ。この世界を腐った神共から奪い、我と共にこの世界を支配しようぞ。協力せよ。今の神共は力が弱まりこの世界に引きずり出しさえすれば我らで簡単に殺す事ができよう。さあ、この世界に闇の繁栄を。』


「●二病もここまで来ると相当だな?大概にして欲しいんだが?これ聞かされたこっちが逆に恥ずかしいわ。」


 どうやら悪魔王とやらが俺との協力関係を求めているらしかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] あぁ...その「魂」、気が付かないうちにトドメさしちゃったんですよ...
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