何で俺だけ「森の中でダンスを」
とうとう姿をプレイヤーの前に現したメリーはその後何もせずにただ突っ立ったままだ。
しかしプレイヤー二名は攻撃を仕掛けない。いきなり出てきた相手は敵だと認識はしているものの、その容姿が美しく整っている事で見惚れてしまったのだ。
「・・・くそっ!コイツぅ!」
だが直ぐに気持ちを持ち直してプレイヤー二人は同時にメリーに斬り掛かる。しかしメリーの姿はそれと同時に掻き消えた。
「逃げられた!?・・・違う、俺たちへ攻撃を仕掛けてくるつもりか!」
だが幾ら待ってもそれらしい事は起こらない。焦れるプレイヤーたち。これに精神がじりじりと焼ける様な感覚を味わう。
立て続けに嫌らしい攻撃を続けられている状況で正常な判断が利きにくい状態。
「走ろう!居ないなら居ないでいい。こっちが動かないとさっきの奴も出てこないって言うならこのまま待っていてもしょうがないぜ。」
そう言って盾を構えて森からの脱出をしようとするプレイヤーはリーダーから止められる。
「待て!迂闊に動くな!おい!待てって!」
盾を構えたプレイヤーは制止も聞かずに10m程を走ったのだが、突然その姿が消える。
「やっぱりかよ!誘導された!落とし穴だ。・・・古典的な手を使ってきやがってぇぇ!」
罠に掛かったプレイヤーはその穴の中で光となって消えていった。その表情は驚愕。自分に何が起きたのか分からないままに死亡判定を食らっている。
「私メリー。貴方たちをこの森から生きては帰さないの。」
再び姿を現したメリーに一人残ったプレイヤーは怒りの表情で即座に斬り掛かる。その振り下ろされた剣が硬い物にぶつかる音が響く。
ソレはメリーが何処から出したのか、その手に握る剣とぶつかった音。
「一緒に踊ってくださらない?さあ、楽しみましょう?」
その受けた剣を力で弾き返した後に、メリーは自身が受けた攻撃と全く同じ攻撃を放つ。剣の速度も、軌道も、威力も。
「くそっ!ふざけてんじゃねー!」
メリーから放たれた剣撃を同じく受け止めてから弾き返すプレイヤー。
そう、剣で受けたのだ。避けないで。いや、何故か避けれなかったと言うのが正しい。
不意を衝かれた訳でも無い、攻撃が見えなかった訳でも無い。だが、不思議と体がそのように動いてしまった。
「おかしい!絶対におかしい!今のは何でだ!?」
自身の動きの違和感に即座に気付いたプレイヤー。しかしこの違和感が何処からどの様にして来るのかが分からないでいる。解決策が見つけられないでいる。
そしてこの周囲をうっすらと白く靄が出ている事にも気が行っていない。
「フフフフフ・・・まだまだ踊りたりないの。さあ、もっと楽しませてくれないと。」
明らかにおかしい、様子見をした方が良い。プレイヤーはそう分かっていても目の前に敵が確実に実在するのだから動かずにいる訳にはいかなかった。姿が消えたりせずに相手は剣でこちらの攻撃を受け止めたのだから。
「何モンなのかは知らねーけど!てめえはここで俺に斬られとけや!ぶっ潰れろ!」
プレイヤーは短期決戦を挑むために自身の今出せる最大威力の攻撃技を繰り出した。
剣の中から黄色い光が溢れ出し始め、次第にそれが剣にまとわりついていき黄金に輝く。
ソレを大上段に構えてプレイヤーはメリーへと向けてその剣を振り下ろした。




