↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
226/638

何で俺だけ「仲間割れ」

 魔法使いは動けない。麻痺を起こして体の動きが完全に停止した。


「ぐっ!ぐはっ!なんだよ!?勝手に体が動く・・・!?き、気持ち悪ぃ!?」


 魔法使いがその腕を前に伸ばす。そしてその手に持つ杖の先を仲間たちへと向ける。


「おい!どうした!?何があった!おい!」


 リーダーは警戒心を上げる。だが魔法使いは次第に虚ろな目になっていった。


「へ、へはっ!?め、目の前にいきなり魔物!皆は一体どこに行ったんだ!?」


 急にそう叫び出す魔法使い。仲間はこれに何の事かと困惑を隠せない。そしてその困惑で一手遅れた。


「くそっ!こうなったら・・・氷結散弾!」


 魔法使いは仲間に向かって魔法を放った。だが、これは無意味だ。本来だったならば。

 パーティを組んでいる仲間同士の攻撃は当たってもダメージゼロなのだ。だが今は違った。

 魔法使いは操られている。誰にか?ソレはメリーである。


「なんだよクソがぁ!何やってんだよテメエっ!?」


 この魔法が直撃した一人のプレイヤーが瀕死になって地に倒れた。仲間の魔法でダメージを食らった事にまたしても大きな混乱で動き出せないプレイヤーたち。


「へ、へへへへ・・・クソ!まだ倒せてないのが三体もこうなったら!」


 魔法使いは次の魔法を使おうとする。するのだが、その杖の先が、魔法が出るその杖の先が今度は自分自身に向いているのを気付かない魔法使い。


「メガバースト!・・・へ?」


 魔法使いは魔法を唱えてから正気に戻ったが、既に遅い。と言うか、メリーがこのタイミングで魔法使いを正気に戻したのだが。


 爆発、それと同時に魔法使いは吹っ飛んだ。そして綺麗な光の粒を全身から出しながら消えていく。そう、自爆で死亡した。


「何だってんだよコレはよぉ!何処だ敵は!出てきやがれ卑怯者!」


 リーダーは叫ぶ。だがそこにメーリーが素直に姿を見せる訳が無かった。そしてまたしてもメリーの犠牲者が出る。


「ぐあっ!なんだ今度は!?」


 先程の魔法使いの攻撃で地に倒れた剣士。彼は体力がギリギリ残った状態で「気絶」していたのだが。

 いつの間にか立ち上がって回復役のプレイヤーに斬り掛かっていた。今度のコレもまたメリーが操って攻撃をさせているのでメンバー同士のプレイヤーでもダメージが入る。


「おい!やっちまうぞ!このままやられて堪るかよ!」


 リーダーは判断が早かった。その剣士を一撃で斬り捨てる。


「な・・・何で・・・お前・・・」


 だがソレは早まった行動だった。その時には既に気絶から剣士は正気に戻っていた。

 仲間同士ならフレンドリーファイアは本来ならあり得ないのに、これもまたメリーに操られていたと言う事で攻撃を受けてしまう判定になっていたのだ。


「て・・・めえ・・・覚えてろよ!」


 光の粒をまき散らしながらその剣士のプレイヤーは自らを切ったリーダーを睨みつつ消滅する。この剣士にとっては動けるようになったと思ったら仲間から切り捨てられてキルされたのだから裏切られたと勘違いしてもおかしくは無い。

 冷静になって後から考えればあり得ない事が起こっていると理解できるだろうが、今はそう言った理性が働かない状態だ。

 奇襲を受けた、仲間からの魔法攻撃で気絶判定にされた、いきなりリーダーから斬られた。これらが揃えば理性的な判断などできる状態ではいられないだろう。


「皆固まれ!互いに背中合わせになって全方向に警戒態勢をとるぞ!・・・おい!?」


 ここで残り三人、そう思ってこのリーダーは周囲を見渡したが、一人居ない事に気が付いた。それは先程剣士に切られた回復役のプレイヤーだ。


「この森から出るぞ!走れ!」


 ここでようやっと撤退を決めたリーダーは叫ぶ。しかし、これはもう遅い、遅すぎた判断だった。


「私メリー、今、貴方たちの目の前に居るの。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。