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何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
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何で俺だけ「メリーの領域」

 メリーからの忠告、コレを耳にしているプレイヤーは仲間を止めようとする。しかし。


「うざいなー。そんなに帰りたいのかよ。ビビり過ぎだろお前。ほら、パーティ解散申請しろよ。怖気づいたんなら早く行っちまえ。」


 リーダーだろうプレイヤーがそんな言葉を切り出してくる。


「・・・分かった。俺はここを抜けさせてもらう。なんだよ、俺の言った事を真剣に受け取ってくれないんだな、お前らは。もう良い。後で後悔しても遅いだろうよ。」


 この森から出る事を提案したプレイヤーは唖然とした顔から即座に悔しそうな顔になる。だが次には手続きを素早く終えてこのパーティから脱退した。そして即座に走って道を戻ってこの森から出て行く。


「なんだよアイツ。俺たちがドッキリに乗って騙されなかったからって機嫌悪くしてるじゃん。中身はまだ餓鬼だったのか。」


 このゲームを遊ぶプレイヤーたちにこうした「イケイケ」の性格をしている者が多いのは偏に「長い歴史」からくる。

 VRゲーム、それは現実の自分では無いのだ。そこで中の「人」は「どうせゲームだから」と言う理由でどんどんと気を大きくしていった。

 どんな事が起きようとここはゲームの中。現実の自分の身体がどうなるものでも無い。だから強気になっていった。

 しかし精神がどうなるのかまでは考えていない者たちがこうして「イケイケ・ノリノリ」でゲーム内を動いている。

 様々なゲームを遊んでいる者程にこうした傾向があり、そしてこのゲームではそう言った者たちが多めに占めている、そんな状況であった。

 対人関係なども「どうせネット内だけの関係」とドライに考えて切り捨てる傾向も追加である。幾ら仲間であってもこうして簡単に付き合いを切ってしまうなんて事もザラであった。


 そして今この森に残っているプレイヤーたちはその傾向が大きい者たちであり、逆に逃げ出した者はまだ理性を大分残していた。

 この違いが掲示板にまた大きな話題を提供すると言った事に繋がる。


「前衛が一人居なくなったけど、まあ戦闘には影響はそんなにないだろ。」


 このリーダーの言葉にメンバーの誰もが同じ意見なのか何も反論は出ない。しかしここでまた一人怯え始めたプレイヤーが一人出る。


「ひっ!?何だ今のは!く、首筋がいきなり冷たく!?」


 急な大声でそう叫ぶ魔法使い。これに驚かせるなと周りが責める。


「おい!あんまり大声出すなよ。うるせぇなーもう。」

「急になんだよお前。なんもねーじゃん。」

「首が?何言ってんだお前?ほらさっさと行こうぜ。」

「なあ、何か周りにそう言った気配あるか?敵の攻撃?只冷たいだけ?」


 一人は一応は警戒心を上げたのだが、周囲に何も見当たらないばかりか、その魔法使いの方をずっと向いていてその様な怪しいものが出たのを視界には捉えていない事が不思議だった。


 魔法使いは確実にこの森に何かがあると言って訴える。


「おい!もしかして俺たちヤバいんじゃねーか?何かが潜んでるぞ絶対にこの森!もしかしてメリーってのが俺たちを襲って来るんじゃ・・・」


「はぁ?お前何言ってんの?だったら返り討ちだろ?そんなのは。って言うかよ、お前もビビり過ぎだろ。ほら、もうちょっと奥に行こうぜ。この場に突っ立っててもしょうがねーだろ。」


 首筋に手を当ててさすりながら魔法使いは訴える。かなり勘が鋭い。もう今彼らプレイヤーは既にメリーの「テリトリー」に入り込んでいた。

 しかしリーダーはここまで来て只戻ると言った選択肢は無いと言い、このまま森の奥へと踏み入る事を促す。敵が来ても返り討ちにできる、そんな自信を持って。


 彼らは何も見えていなかった。敵がいれば真正面から打ち倒す、そんな気概は持っているが。

 では、そもそも先ず、敵となる相手が真っ当に真正面から攻めてこなかった場合を考えているのかと言うと、全くそう言った思考を持ち合わせていない。

 そしてメリーの得意戦術は搦手、盤外戦術、精神攻撃、分断、罠、そう言った戦闘を得意としており、このパーティのリーダーの思考も行動も全く噛み合わない相手である。


 考慮に入れない、それは致命的。彼らはもうメリーの攻撃を既に食らっているのだ。既に一人は脱落。森を出た。

 ではこの魔法使いはどうか?首筋に冷たさを感じたプレイヤー。実は彼ももう既にメリーからの攻撃を受けている。

 その攻撃は徐々に効果を出して魔法使いを苦しめ始める。


「おい、早く来いよ。何突っ立ってんだよ?・・・おい!」


 魔法使いを除く四名が森の奥へと行こうとして歩き出すのだが、魔法使いだけがその場から動かない。


「分からないんだ!体が言う事を利かない!」


 この時点でこのパーティ全員がやっと「攻撃を受けている」そう認識したのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 攻略組でもないのに 無神経に突き進むなんて怖くてできませんねぇ 自分はいつも2〜3番手グループで 出揃ってる情報から育成最適化で最前線にいましたから
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