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何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
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何で俺だけ「森のメリーさん」

 とあるパーティは調査に来ていた。このバケモノ屋敷の周囲を。

 屋敷の方の攻略ばかりに目が行っていて、この森に有る「資源」の事を今まで調べたり気にしたりしてこなかったのだ。

 最後のプレイヤーが挑戦をしてからと言うモノ、それからはぱったりとこの屋敷に人の来訪が途絶えた時に彼らはやって来た。


「なあ、今まではさ?屋敷に侵入した奴らが返り討ちにあってるだろ?だから俺たちは大丈夫だと思うんだよ。」


「中にさえ入らなければこの森は結構な狩場だしね。魔物のレベルもドロップアイテムもオイシイし。ここら辺で取れる素材もかなり高額で売れるしでウハウハだよな。」


「・・・屋敷の話が広まってからは森にも近づくのは危険と言った判断が掲示板では普及してるけど。ほんと、人いないし、採り放題だし、狩り放題。ウマー。」


「人が近づかないからここら辺で得られるモノは流通なかなかしていないしね。強化素材とかがあれば渋々って言った感じだったもんな。」


「それを俺たちが「安全だ」って宣伝できれば一躍有名人って、一石二鳥じゃん?」


「ここら辺を縄張りにできたら俺たちゲーム内通貨に困らなくなるだろうな。採る、売る、その金でより強い装備を買う。最前線に乗り込めるじゃんね!」


 彼らは一発当てる気でこの森をひたすらに歩く。魔物とのエンカウント、貴重な素材を探してキョロキョロと顔をあちこちに向けて注意しながら。


 しかし残念な事に彼らは「被害者第一号」となってしまう。プレイヤーたちには気の毒な事ではあるが、メリーがこの森を警邏してプレイヤーから先手を取り潰す事を提案したのはつい昨日の事であった。

 運が悪い、タイミングが悪い、そんな言葉で片付けられる事ではある。しかしその事を彼らが知る由も無い。


「私メリー。今アナタたちの後ろに居るの。」


 そんなセリフが一人のプレイヤーの耳に入って来る。これに驚いて飛び上って警戒を取り剣を抜くそのプレイヤー。

 しかし残りの五人がこの行動に驚いた。何をやっているんだと、それぞれが口を出す。


「おい、何やってんだよ?ビビり過ぎて今更帰りたくなったか?」

「剣まで抜くとか怖がり過ぎだろ?まだ屋敷は遠いぜ?」

「奇怪な行動されるとこっちが怖いんだが?」

「何?魔物見っけたのかと思ったけど、そうじゃねーの?」

「・・・おい、何のつもりでまだ剣を構えてんだよ?周りには別になんもねーじゃん。」


「お前らには・・・聞こえて無い?いや!俺にはハッキリと聞こえた!」


 剣を収めないで未だに緊張感を上げていくその仲間を見て五人が顔色を変える。

 敵が来た、そう思った彼らはやっと武器をそれぞれ構えていつでも戦闘に入れるようにするのだが。


「・・・なにも、起きねーじゃん?」


 時間が幾ら経っても魔物の一匹どころか、草葉が風に揺れる音すらしない。これに段々と警戒心を下げていくプレイヤーたち。


「・・・お前ら、信じてねーな?俺の耳にはちゃんと聞こえたんだ。」


 その聞いた内容をそのままそのプレイヤーは語る。


『私メリー、今私、貴方たちの後ろに居るの』


 コレを聞いた五人は少しだけ間を開けてから笑い出す。


「都市伝説ワロス!」

「おまっ!ソレは何でも俺らを笑わせ過ぎ!」

「いやー、どっきりを仕掛けるならもうちょっとタイミング考えて。」

「怪談話は要らんわーこんな時に。」

「冗談のセンスねーな、お前はよー?」


 彼らはここで引き返すべきだった。この時点で引き返せば「警告止まり」で無事に帰還を果たす事ができたはずだ。

 しかしこのパーティは、厳密に言うとこの「警告」を耳にしていない五名が森の中を再び歩き出す。


「待てよ!俺はここで提案する!森を出よう!ここにこれ以上居ると絶対にヤバい!」

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