↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
222/638

何で俺だけ「会議でダンス」

 運営スタッフたちはこの魔王の封印解除にひたすら頭を抱える。


「早過ぎる・・・こっちがこの間に調整したばかりの予定がこれじゃあ破綻するじゃないか。どうしたって言うんだよ・・・」


「封印解除の条件、これなら思いつかないっしょ!みたいな事言われてたからそれに俺も賛同したけど。したけども!」


「人工知能が暴走するのって、これで何度目?何体目?この「プレイヤー」の行動がオカシイ・・・それらを誘発させるのが上手いね!って皮肉言ってる場合じゃねえ。」


「NPCたちがこちらのある程度の制御を受け入れているとは言えさ。それってストーリー上の関係している部分だけ、だよね?そうなるともうこれは一人歩きし過ぎ。」


「魔王の翼がメタクソ中二病全開なのはデザイン課の奴らのセイデス。僕は一切ワルクアリマセン。」


「そんな事言ってる場合か?玉座の間で魔族を一人殺す。その後にポイントを玉座に吸収させるって言う条件だったんだぞ?あり得るか?コレ?」


「この魔族さ、アレだよな?本来だったら通る筈の本筋で言う所の魔王の「魂」が入ってるやーつ・・・」


「そうなんだよなあ。こいつの事をすっかりと忘れてたんだよなぁ。魔王の中身に「プレイヤー」が入る訳無いとか思ってて、しかも、ね?」


「そうだよ、魔王がやらかすからそっちに気が行ってコイツの制御とか調整を全然考えて無かった!悪いか!?」


「それにしたって・・・あり得無くない?幾ら何でもNPCに性格付けはしていたし、自由性も付与していたけどさ?成長と言うか、まるでこれじゃあ俺たちの手から完全に離れたって感じだろ、こんなの。」


「いやいや、まだこっちのプログラミングは受け入れてるよスパコンは。ストーリーもまだ「壊れて無い」って判断出してやがる。」


「ソレが一番厄介なんだよ。大幅に修正が必要だと言った判断でこっちがアップデート組み入れてもさ。AI様がそこら辺の細かい部分を変えてきちゃうだろ?で、ストーリーもそうで、俺たちコレ、軌道修正はできると思うか?」


「無理だな。俺たちが準備した道は外れていない。大きくカーブさせられてはいるが、踏み外しちゃいないんだよ。そこが問題。って言うか。「魔王に手を出すな問題」が存在する以上は俺たちにできる事は無い。」


 会議はこの言葉で沈黙する。プレイヤーが「ズル」をした訳でなく、ハッキングもされた訳じゃ無い。

 魔王の動きもNPC達の動きもあくまでも「はみ出してはいない」のだ。完全に削除や修正をしなければならない境界線は飛び出ていない。ギリギリ内で収まっているのであった。

 しかしそれが彼ら運営スタッフたちを余計に悩ませる所となっている。いっその事、飛び出してくれたらもっとやり易かった、そう皆思っている。

 そうなれば遠慮無くガッチガチに組み直しを始めてもうちょっとくらいは「魔王」を大人しくさせられるのに、と。


「一応は今俺たちは「魔王」の方の設定やらステータス、ストーリーは把握できてる。なら、コレを参考にして少し厳しめに他の部分の調整を行っていこう。そうじゃ無いと・・・」


 彼らは「魔王」の担当から資料の一切を回収していた。魔王の「調整」をしていた担当者からもそちらのプログラミングやバランスの資料を貰っている。

 そしてそれらは全員に配り、共有している。「魔王」はもう丸裸も同然の状態だ。


「だけどさ、根本的に上からの声がある限りは動けないだろ?実質。他の部分の調整してもさ、解決にならんだろ?」


「直談判?無理無理。だって一度気に入っちゃったら変えない主義でしょ?」


「あの人はそうだな。それで俺たちは今苦しめられている訳だが。・・・もういっその事、魔王のしでかす事に一々反応するの止めにして無視しないか?」


 この言葉に会議室にまたも一時の静寂が訪れる。


「プレイヤーの方の調整に集中しようって事か?・・・幾ら何でも無視は・・・しかしそれもアリっちゃありか?」


 この言葉から次々に会議に参加した社員たちが「賛成」と声を上げる。


「ぶっちゃけ、もうどうなっても知らん。こうなれば上が責任取って貰うしかない。」


「それな。俺たちもう魔王に関してはボイコットで良いんじゃね?って言うか、魔王に対しての調整するな、かかわるなって指示が出ているし?」


「まあこのゲームが早々に終了を迎える様な事があれば俺たちは路頭に迷う運命だけどな。」


「もう、付いて行けない・・・俺は胃を休めたい。安らかな精神で居たいので、もう魔王の事は考えないようにする。」


 この最後の言葉に誰もが「明日は我が身か」と言った顔になって会議はお開きとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 封印解放の条件が主人公にとって想像以上に悪質だった...どうにか仲間に被害を出さずに達成出来て良かったね ...魂ってどういうこと?全部消しちゃったんですけど
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。