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絶体絶命

きりのいいところで終わったらあまり文字数いってませんでした。すみません。

今回はヒロインたちのバトルになってます。


「『風遁・大旋風』!」

 最初に仕掛けたのは優だ。大振りに振り向いた優の腕に合わせ激しい突風が海藤めがけて吹き荒れる。


「ほう。なかなかだ。だが」

 海藤は横っ飛びで難なく回避する。


「『風遁・烈風斬』!」

 すかさず雅の風の刃が着地のタイミングに合わせて襲いかかる。


「む!」

 だが海藤はそれも体を捻ってかわす。

 しかしここまでは2人も想定の範囲だ。かわされることなど百も承知。

 そして優が一気に海藤へと詰め寄り体術戦闘へと持ち込んだ。


「いくよ~。『風遁・風圧掌』」

 優は張り手の要領で海藤の胸部めがけて右手を突き出す。

 海藤は少し焦った様子で胸の前で腕を十字にして防御する。


「ぬおぉ!」

 だが優の放った風圧掌の威力に押され床を滑るように後方へと飛ばされる。

 ようやく止まったところへ再び雅の烈風斬が追い打ちをける。


「くっ!」

 海藤は今度こそ焦った様子でこれをかわした。


「いけそうだね、雅」

「ああ、今のところは、だがな。だが油断するなよ、優。

 やつはまだ明らかに様子見だ」

「そうだね」

 2人はそう声を掛け合い、海藤を見据える。


「うむ。どうやら体術では分が悪いようだ。それに何より見事な連携。

 どうやら私はきみ達を過小評価していたようだ。

 では次はこちらからいくとしよう」

 そういって海藤は5匹の幻獣の狼を生み出し、2人めがけて放つ。


「やはりそうきたか。優!距離をっとって迎え撃つ」

「了解!」

 そして2人は左右に分かれて距離をとったが、読んでいたのか同時に狼3匹がゆうの方へ。2匹が雅の方へと瞬時に分かれ、隙を突かれた2人は体当たりをくらう。

 2人はすぐに体勢を立て直し、再び体当たりしてくる狼たちに反撃する。


 「「『風遁・風圧弾』!」」

 左右に分かれて向き合った二人は同じタイミングで同じ術を放った。

 そして放たれた風の球体状の砲弾は2人の中央付近で5匹の狼を巻き込みながら衝突し、爆発する。

 当然5匹の狼たちは消滅した。


「大丈夫? 雅」

「問題ない。しかしあのスピードは厄介だ」

「そうだね。急に速くなるなんて」

「おそらく術者である奴がその都度コントロールしているんだろう。

 どうにか接近戦に持ち込みたいものだ」

 2人は距離を縮め、同接近戦に持ち込むかを検討する。


「くくく、やるではないか。ならお次は少し数を増やすとしよう」

 海藤は笑みを浮かべ再び狼を生み出す。その数は先ほどの倍の十。


「な! く、これでは接近戦に持ち込むどころではないな」

「どうする雅?」

「ひとまずあの狼どもを消すしかないだろう」

「オッケー。あぁそれにしても幻獣が狼でよかったぁ。もし猫ちゃんだったらお手上げだったよ」

 優が、えへへ、と笑いながら言う。


「まぁ……確かにな。来るぞ!」

 そして正面から襲い掛かってくる狼たちに先ほど同様、風圧弾を同時に放つ。

 しかし狼たちの動きは素早く、簡単にかわされ距離を詰められる。

 そして最初の三匹がその口を大きく開き牙をむき出しにして2人を襲う。

 雅がすかさず烈風斬を放ち、2匹を消し去るが残った一匹が、雅が振りぬいた腕へと食らいつく。


「ぐあっ!」

「雅!」

 雅は苦痛に悲鳴を上げ、そこへ優が風圧掌を打ち込む。

 狼は消滅したが雅の腕からは血が滴る。

 だが、雅を心配している余裕はない。残った狼たちが一斉に2人に飛びかかる。


「くっ! ああもう! うっとうしいな! 『風遁・大竜巻』!」

優は雅を庇うように前に立ち、荒々しく声をあげて術を放つ。

 飛びかかってきた狼たちの真下から勢いよく竜巻が生まれ、すべての狼を巻き込み頭上へと打ち上げ、落下とともに狼たちは消滅した。


「ほう。まさか一撃とは。なかなか強力な術ではないか。

 だがどうやら気を使いすぎたようだな。呼吸が乱れているぞ」

 海藤の言うとおり、優は、はぁはぁ、と肩で息をしている。

 雅の方も怪我を負ったので万全とは言えない状況。

 そして再び海藤が十匹の狼を生み出す。形勢は明らかに不利だ。


「雅、腕は大丈夫?」

「ああ。だがこれでは長期戦は無理だな。

何とか短期で片を付けなければ……。優、あれをやるぞ」

「そうだね。やっぱあれしかないよね」

 2人はお互いを見据えて頷きあい、海藤を睨む。


「ふ、何か良い策でも見つかったのかな? だが今の君たちがどう頑張ったところで狼どものスピードについてはこれまい? 

 次は後ろでこちらを睨みつけている九峰院の娘もろとも食い殺すぞ」

 海藤は、くくく、と明らかに余裕の笑みを浮かべて言う。


「だまれ! 華音様には指一本触れさせはしない!

 そして貴様はこれで終わりだ!」

「私たちを甘く見すぎたね」

 2人の強気の言葉を聞き、海藤は僅かに疑問の表情を浮かべるが。


「はっはっは。何を言うかと思えば私を倒す? 冗談でも笑えんぞ、小娘ども。

 いいだろう。やってみたまえ。行け、狼たちよ!」

 そして海藤は2人めがけて放つ。


「いくよ、雅!」

「ああ!」

 2人は横列に立ってそれぞれ右と左の掌を合わせる。

 そして集中し、気を練る。そして。


「「『忍術融合・風神大旋風』!」」

 発動とともに合わせた手を向かってくる狼ども、そして海藤めがけて振りぬく。

 忍術融合はその名の通り二つの忍術を融合させ放つものだ。

 2人が発動したのは共に大旋風。それを融合し本来の大旋風より強力な大旋風となる。

 もちろん違う忍術でも、まして違う系統の忍術でも融合忍術は可能だ。

 ただ全く同じ忍術の方が一般的により効果が高いといわれている。

 

 そして2人が放った忍術融合も明らかに効果が上がっていた。

 戦闘の最初に優が放った大旋風は規模が小さくあっさりとかわされたが、今回はどこへ逃げても無意味なほどの広範囲だ。

 さすがの海藤もこれは予想していなかったのか、かなり焦っていた。


「ば、ばかな! 忍術融合だと! その年ですでに使いこなすというのか」

 2人の放った術はすでに半数の狼を吹き飛ばし後方の壁に激突し消滅する。

 続けざまに立ち止まっていた残りの狼をも軽々吹き飛ばし消滅させる。

 海藤は、グッと足に力を入れ、顔の前で十字を作り防御を試みる。が、風圧に押され思わず上体をのけぞらせた瞬間、後方へ吹き飛び激しく壁に衝突する。


「がはっ!」

 海藤は鈍い悲鳴を上げそのまま床へと倒れこむ。


「はぁはぁ、や、やったか?」

「ど、どうだろ? でもこれで起き上がられるとちょっときついかも」

「うむ。少々気を使いすぎた」

 そういうと2人そろって膝をつく。2人は心からこれで終わりであってくれと願っただろう。だが、その願いはことごとく打ち砕かれる。


「ふ、ふふ、ふははははは――」

 海藤は笑いながら何事もなかったかのように立ち上がる。


「な!」

「う、うそ……」

 2人はまさに絶望というべき表情を浮かべる。


「くっくっく、これが君たちの忍術融合か? とんだ見せ掛けだったな。

 確かに、規模は拡大したが威力は単一でのものとさほど変わりがないぞ?

 もちろん無傷とはいかなかったがこの程度なら何とでもなる」


「そ、そんな。全力だったのになんで……」

「くっ! 打つ手なしか! くそ」

 2人にはもはや対抗する手段も気力も残ってはいなかった。


「ふ。気を使い果たしたか。ちょうどいい。今から九峰院の娘を殺す。

 君たちはそこで見ているがいい」

 そういうと海藤は先ほどまでよりも一回り大きい狼を3匹生み出す。


「……させない。……華音様は殺させない!」

 優は何とか立ち上がり華音と海藤の間に立ちふさがる。


「そんな状態で何ができるというのだ? ふ、いけ!」

 海藤は優めがけて1匹の狼を放つ。


「優!」

 雅が叫ぶが優の身体は猛スピードで突進してきた狼によって激しく飛ばされる。


「くそ!」

 雅は自分の非力さに怒りさえ覚える。

「守れないのか……。私たちでは――」

 自分の動かない身体を戒め涙さえこぼれた。悔しい。それが今の雅の感情だ。

 それは優も同じだろう。なにが学年3位と4位だ。そんなもの今まで何事もなく任務が遂行できていたに過ぎない。だが実際に襲撃者に襲われてみたらこのざまだ。

 

 しかし、海藤はそんな感情にとどめを刺すかのように狼どもを華音に向けて放つ。


「さぁ狼ども。九峰院の娘を食い殺せ!」

 そういい放たれた3匹の狼は猛スピードで華音の下へと駆ける。

 そして、その凶暴な牙をむき出しにし、一斉に飛びかかる。


(どうやらここまでかしら?)


 華音はその場から動こうとはしなかった。もちろん逃げたところで忍術者相手に一般人である自分が逃げ続けるのは不可能であることはわかりきっている。


 だが華音が動かない理由はそんなことではなかった。

 華音は彼女たち、優と雅を信頼していた。そしてその信じた彼女たちが敗れた。

 だがそれは2人の所為ではない。自身の見る目がなかっただけのこと。

 なら自分が殺されるのは致し方ないことだ。

 しかし、華音にはもう一人、心から信頼しているものがいる。


 優雅だ。


 そして優雅は守ると言ってくれた。なら自分は最後まで信じるだけ。

 故に華音はその場を動こうとはせず、飛びかかってくる自分よりも大きな狼たちをその綺麗な蒼い瞳でもって睨みつけている。


「「華音様ぁ!」」

 2人が必死に叫ぶがそれでも華音は動かない。


 そして今まさにその牙が華音へと襲い掛かる瞬間、華音の手に握られた何かが激しく光った。そして直後、3匹の狼たちは同時に何かによって後方へと吹き飛ぶ。

 光が収まり、現れたのは風によって生まれた壁、風障壁だ。


 それがフッと消え、そこに姿を現したのは、お姫様抱っこで華奢な華音を抱き上げる、優しく微笑んだ優雅だった――。


やっぱお姫様抱っこは鉄板ですよね!

次回は優雅が暴れます。期待してください。

あいかわらず忍術名にセンスがないですがとりあえずということであまり気にしないでもらえると助かります。

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