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信頼

遅くなって申し訳ありません。

かなり短いですがどうかお許しを。次話は長めにする予定です。

「さて、一度霧島先生に連絡を入れておくか」

 優雅は気絶した男8人を噴水の前に雑に寝かせおもむろに懐から連絡用の札を取り出し、気を札へと流し込む。


(相沢か? 丁度良い。今からそちらに向かうところだ)


「そうですか。ならここに襲撃者の男が8人眠ってるんで回収をお願いできますか?」

 優雅は気絶した男たちを見ながらそう口にする。


 前回連絡を入れた時とは違い周りに誰もいないので声に出しながら会話をする優雅。

 今の状況を一通り話し終え、霧島が答える。


(そうか、ならきみは早く遠山たちの方へ行ってやりたまえ。幻術使い相手では今のあいつらには少々荷が重いだろうからな)


「そうですね。まぁでも2人の力を最大限発揮できれば問題ないと思いますよ」

(ほう、では2人はあれが使えるのか?)


「多分。一応雅に確認も取ったんで大丈夫だと」

(そうか。まぁそれでも早く行ってやれ。あの2人の性格からしてきみを心配しているだろうからな)


「あぁ、確かにそうですね。2人は優しいですからね。

 それじゃこっちの後片づけはお願いします。しばらく起きないと思いますけど念のため神経を麻痺させといたんで起きても動けないと思いますが」

(了解した。では後で合流する)


連絡を終えた優雅は札をしまいいと息ついた後、優たちの待つビルへと向かおうとしたところで優雅の身体が突如眩く発光し始める。


(あら? やっぱ急いだほうがよかったみたいだな。2人の気配はまだあるから無事だろうけど……まぁ移動する手間が省けたからいいか)

 そんなことを思って、そして優雅はその場から輝きが消えると同時に消失した。




 一方、優雅がパーティ会場へと向かった後の優たちはというと、何もない真っ白な空間に優、雅、華音、そして海藤と名乗った今回の襲撃者のリーダーが立っていっる状態だ。


「ほう、何もないとはいえ、これだけの空間結界を張るとはつくづくあの少年には驚かされる」

 最初に口を開いたのは海藤だ。


「当然だよ。優雅くんはすごいんだから」

 優が自慢するように言う。


「ふむ。しかしこれを維持したままの彼で向うで待ち構える私の仲間と満足のいく戦いができるかな?」

 海藤がそう問いかけるが雅が一蹴する。


「できるさ。それに優雅は考えがあるといった。なら私たちはそれを信じて戻ってくるのを待つだけだ」

「そうそう」

 優が頭を縦に振りながら同意する。


「ずいぶん信頼しているのだな。しかしそう簡単に行くかな」

 海藤は不気味な笑みを浮かべながらそう言う。


「どういう意味だ?」

 雅はその不気味さから思わず問う。


「なに大したことじゃないさ。ただ向うにはそれなりの忍術者が控えているだけだよ。

 8名ばかりね」

「「な!」」

 優と雅は海藤の言葉を聞いて激しく動揺した。


 無理もない。昨夜の襲撃からおそらく5名以上入るという話だったが、すでにこちらに海藤と、先ほど気絶させた香忍術使いの2名がいる状態だ。向うは多くても4,5人程度だろうと優も雅も思っていたのだ。


 そして海藤はさらに追い打ちをかけるように告げる。


「くくく。どうした? 所詮、あちらにいるのは基本忍術である4系統の忍術者が2名ずついるだけだ。あぁ、そういえば彼も君たち同様、基本忍術の風遁使いだったな」

 それを聞いた優と雅の表情からはあまりにも覇気が無くなっていた。


「そ、そんな……」

「くっ! 卑怯者め!」

 雅は罵声を上げるがどこか弱弱しかった。


「ふ、この程度で卑怯者呼ばわりとは、君たちはずいぶん甘い考えだな。

 そんなことでは到底、九峰院の娘など守れんぞ?」


「だまれ! 華音様は命に代えてもお守りする!」

「そうよ! 絶対華音様を殺させはしないんだから」

 2人は必至な様相で何とか声を張り上げるが、明らかに動揺し、焦っているようだった。


 しかし、そんな2人の動揺を吹き飛ばす言葉が2人の後ろから掛けられる。

「優! 雅! 少し落ち着きなさい。やたらと敵の言葉を鵜呑みにするのはよくないわ。

 それに優雅は私に生きて戻ってくると約束したわ。

 なら私たちはその言葉を信じて待つだけでしょう?」

 華音の言葉は2人の心に激しく響く。


「華音様……確かにそうですね」

「ありがと、華音様。おかげで楽になったよ」

 2人はそう言い微笑んだあと再び目の前の男へと向き直る。しかし2人の表情は先ほどとは打って変わって生気に満ちていた。


「ほう。さすがはその年で九峰院を受け継いだだけのことはあるな。きみの一言で彼女たちがとんだ強敵となってしまったよ」

「あら、お褒めいただき光栄だわ。

ただしあなたに褒められてもちっとも嬉しくないのだけどね」

 華音は腕を組んだ状態で横目で海藤を睨む。

「ふっ。ではそろそろ始めるとしようか。万が一にも彼が戻ってきてはこちらとしても面倒なのでね」

 海藤はそんな華音の視線を受け流しそう告げる。


「そうだな。だが貴様は私たちが倒す!」

「そうだよ。私たちだって腕には結構自信あるんだから」

 

 そう言って2人は華音を下がらせて忍術の構えを執った。


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