マスカレード家
私はナプドノに促され、9日滞在したナラシという国を発つことになった。
「ナプドノさん、もう少し居たいよ此処に!」
「カブサットちゃん、自由に動けるようになったらまた来たら良い。今は私の言うことを聞いてくれるかな?」
「うん……分かりました」
「よし、良い子だ、カブサットちゃんは」
ナプドノが私の頭を撫でてくれた。
朝食を済ませ、馬車が集まるスペースに向かった私達だった。
「次は何処に行くの?」
「着いてのお楽しみでどうだ?」
「良いかも」
ナラシに滞在中に魔物や襲ってくる人間の対峙の仕方をナプドノから教わった私だ。
魔物に襲われたりしても安心だ。
中年男性の御者に乗車賃を払い、馬車に乗り込んだ私達。
私はまだ冒険者に登録はさせて貰えなかったが、私が倒した魔物の討伐報酬や素材の買取のお金は貰っている。
馬車が動きだすまで二時間は掛かった。
馬車が動き出し、出入り口で出国料を払った。
馬車がナラシを出国して五時間程進んでいると、オークという魔物の群れが片輪のタイヤが外れて傾いた三台の馬車の周りを囲んでいた。
「お客さん、前方にタイヤが外れて傾いた三台の馬車が停まってて、オークらに襲われてますけど無視しますか?」
ナプドノがほっとこうと言う共に乗っていた乗車した客の意見を聞かずに、降りて救い出すから待っててくれと言った。
「私達で救いに行きます。降ります。すぐ戻ってきますから」
ナプドノに降りて救いに行くよと促され、彼女の後に続いた私だった。
私は腰にさげた長剣を鞘から抜いて、構えて、オークらに突っ込んでいった。
彼女は素早くオークらの急所を突いて、倒していく。
30体いたオークらを2人で倒して、彼女にオークらの回収を任せた。
私には重くて手こずったからだ。
「皆さん、オークの掃討はすみました。ご無事ですか?」
「おぉ、助かったぞ!」
「私は怪我もしてませんわ」
「何者かわからないが助かった。ありがとう」
オークらの群れに襲われていたのは、マスカレード家という貴族だった。
私とナプドノが乗ってきた馬車の御者に三十分後に遅れて通る馬車に空席が有れば、マスカレード家達の集団を乗せることを提案した。
護衛の冒険者達を遅れて来る馬車に乗っていくことになり、マスカレード家の当主とその娘を私とナプドノが乗ってきた馬車に乗せることになった。
「領内に着いたら、褒賞をやろう、君たち」
マスカレード家の当主が、私とナプドノにそう告げた。
馬車の行き先が違ったそうだが、マスカレード家が治める国に寄ってくれるようだ。




