スカウを発つ
私はナプドノと別れた翌日、回復薬など買い集め、支度を済ませる。
木精のナインマスが相変わらず、頭の周りを飛び回っている。
回復薬を15本買い、食糧も買い集める。
スカウから発って、舗装されていない道を歩く私。
「やっとスカウからおさらばか〜!次はどこだどこだ〜カブサット!!」
ナインマスがやかましい。
5キロメートル程歩いたところに蹲る少年が見えた。
「大丈夫かい?」
「脚を怪我して……」
「そう。怪我みして」
少年が蹲りながら、片脚を見せた。
私は一本の回復薬の瓶のコルクを抜き、少年の片脚に回復薬を掛ける。
薄い青色の光が、回復薬が掛かった脚に光る。
脚が光ったが傷が治らなかった。
「なんで治らない」
「彼はドワーフだ。回復薬じゃ傷は治らないよ、カブサット」
「えぇ〜!!そんなことある!?ナインマス、分かってたなら早く言ってよ!!どうしたら良い?」
ナインマスが右耳に囁いた。
少年の怪我した脚に片手を触れ、怪我を治した。
「ありがとう、お姉さん」
「僕を親のとこまで連れてってください、お姉さん」
「うぅ〜ん、そうだなぁ……」
「少しくらい良いんじゃない?」
緑髪の少年はナグレタという。
ナプドノから聞いたテントなる物も役立っていた。
私より歳下のナグレタにテントに入ってもらい、私は眠気と戦いながら、護衛をした。
通りかかった馬車の御者に行き先を聞き、ナグレタの住む地域に通りかかるか聞いた。
「ああ、そこなら通るぜ。乗んな!!」
私とナグレタで馬車に乗り、彼が帰れるように馬車に揺られた。
盗賊や魔物に襲われることなく、馬車に揺られること8日が経った。
ナグレタの故郷に着いて、滞在することなく、馬車に乗った。
馬車の同乗者が問いを投げてきた。
「お嬢さんはどこに行きたいんだ?」
「行き先は決まってないの。お勧めの国とかないですか?」
「お勧めか……——」
「おじさんのお勧めの国、いつか行ってみるね!」
「ああ、行ってみると良いぜ」
「お嬢さん、なんで1人で旅してるの?」
男性の隣に座る女性冒険者が聞いてきた。
「ひどい親と過ごしたくないから、旅に出たの。お姉さんは?」
「そう。私はね——」
「そうなんですね」
馬車はがたがたと揺れながら、進んでいく。
やはり、同乗者にも木精のナインマスは見えていない。
私は焼かれた骨付き肉にかぶりついた。
話しかけてきた男性や女性冒険者が、欲しそうに涎を垂らしたが他人に分け与える程食糧は持っていないのだ。
何か魔物が襲ってきたら、食糧は困らないのだが。
相変わらず、頭の周りを飛び回っているナインマスがやかましく、休めない。




