餞別
私達がスカウに到着して、8日後にナプドノに別れることを提案された。
宿屋の客室で向かい合って、話し合う私達。
「私はカブサットが死なずに生きていけるか心配だ。私がいつまでもついていては成長出来ないと思っている」
「うん……」
「だから、私達別れよう。預かっていた金貨500枚を渡す。くれぐれも無駄遣いするんじゃないぞ、これは」
ナプドノが預かっていた金貨500枚が入った大きな麻袋を私に渡してくれた。
「わかった!!大事にする!!」
「餞別にこの二冊の書物を渡す」
「ありがとう、ナプドノ!!これは題名がないよ?」
「それには私がカブサットに困ったら読んで、行動できるようにアドバイスが書いてある」
私は鞄に金貨500枚が入った大きな麻袋と二冊の書物をしまった。
「ありがとう!!」
「あぁ。私はタンオックに帰る。どうしても私の助けがいるならタンオックに来てくれ」
「わかった。タンオックだね」
「私は今日中に此処を発つけど、カブサットはまだ滞在するのか?」
「明日には発とうと思います」
「そうか……元気でね、死なないで長生きしてくれよ!」
「はい!!ナプドノもお元気で!」
彼女が片腕を差し出し、握手を求められたので、握手を交わす私だった。
ナプドノが客室を出て行った。
「カブサット、また1人になったけどどうするんだ?」
木精のナインマスが聞いてきた。
「ナプドノさんに色んなことを聞いたし、学んだから気ままに旅を続けるよ。貴族って連中は警戒しないとね」
「あぁ〜面倒くさい連中か。妾も好きじゃないな、あの連中は!!」
私は宿屋を出て、大通りで買い物を済ませ、馬車がいつ発車するかを確かめないと。
カブサットに別れを切りだしたのは、良かっただろうか。
彼女と出逢った時に死ぬまで見守ろうと決心したのに、成長出来ないだろうと思い至ったのはどうしたのか?
文字の読み書きの半分は覚えたがまだ未熟だ。
アドバイスは一冊のノートに書き留めた。
彼女は賢いのだ。困ったらあのノートを読むだろう。
さぁ、馬車が停まっている場所へ行こう。
「なぁなぁ〜カブサット、妾、腹が減ったぞ!何か食べに行こうぜ!!」
ナインマスが頭の周りを飛びながら、やかましくする。
「あぁ〜わかった。わかった、何か食べに行こ!」
私は声を荒げ、客室を出ていく。
宿屋を出て、大通りを歩いていく。
ナインマスが食べたいという食事を食べることにした私だった。
カブサットがナインマスと食事を摂っている頃にナプドノがスカウを発っていた。




