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10[LOG] PM14:35 /

月水金の週三更新


大体夜の11時10分ごろを目安に更新していきます

 「あはは……待たせてごめんね~紅茶淹れようと思ったんだけど、美味しすぎて自分で飲んじゃった!あれ?どしたの?そんな怖い顔して」



 グレモリーは変わらない笑みを浮かべて話しかけてくる。それに反比例して俺は今にも潰れそうなのを必死に耐えてる、そんな感覚だった。あんな棺桶の中身なんて見なきゃよかったと思うくらいに、暗い気持ちがグルグルと駆け巡る。

 聞きたい事実があるのに、中々話を切り出すことが出来ない。話さなきゃいけないこと、知りたいことが混ぜこぜになって言葉が詰まる。中々言語化できず戸惑うことしかできなかった。

 どうしたらいいかと悩んでいるとチュンが口火を切った。




 『PPP……アンタに聞きたいことがあるんだけど?……PPP』


 「うん、なぁに?小鳥ちゃん」


 『PPP……あの棺桶の中身、なにあれ??……PPP』




 よくまぁ、ここまでハッキリ言えるもんだ。自分の作った機械人形ながら感動を覚える。普通だと言い淀むもんだけどな……その度胸だけでも少し譲って欲しい。口が悪いのは遠慮するが。

 チュンがくれたきっかけにより、何を言えばいいのか少し整理出来た気がする。すかさず俺も一番気になっていた問いを投げかける。聞きたいことを溜めていてもモヤモヤを引きずるだけだ。




 「棺桶の中身は……俺と一緒に住んでた友人なんだ。あの日、妹と一緒に攫われた……。

 ど、どうして棺桶なんかに入っているんだ!」




 彼女は鳩が豆鉄砲を食ったように驚いた表情を浮かべるが、直ぐにいつもの表情になる。ふわふわと浮かびながら、優雅な動きで空いているソファに座る。そして一息つくと、ゆっくり語り始める。


 棺桶の中の彼……つまり景春(ケイシュン)は俺と出会う少し前に、この地下道で拾ったそうだ。正直言葉にしたくないが、グレモリーが見つけたときは……その……既に損壊が激しい状態だったらしい……。

 初めて見た時はゴミと勘違いしそうになったくらいだと言っていたので、あまりに凄惨な状況だったんだろう。想像しそうになった自分の思考を必死で止める。ずっと一緒に暮らしてきた奴の、変わり果てた姿なんて考えたくない。

 余程酷い状態だったらしく、彼女の力を持ってしても修復するのに時間がかかるらしい。だから自身の血液を薄めた水で満たした棺桶の中に入れ回復を待っていたそうだ。しかし、未だに目が覚めないままだ。


 グレモリーは何だかんだ目が覚めるのを律儀に待っていたらしいが、暇を持て余しすぎて耐えられなくなったらしい。

 情報収集も兼ねてフラフラしながら予備の(ペット)を探していたら、死にかけていた俺と出会った──というのが彼女が語るこれまでの経緯だ。

 

 互いに利用し合う関係だから信頼なんてあるはずない。だけど、天帝の命とかでグレモリーが俺へ探りを入れるためワザと近づいたわけでは無いということに、つい安堵してしまう。

 俺を死の淵から救ったことすら計略の内だったら、もう何を信じたら良いか分からなくなるところだった。

 だが、その代わりに受け入れがたい色んな情報が一気に流れ込んできて頭を痛める。正直、こんなこと知りたくなかった。

 

 俺を構成する周りの「いつもどおり」が、どんどん崩れていって足元がふらつく。

 景春(ケイシュン)が色んな偶然の重なりによって、奇しくもグレモリーに拾われていたのは良いことなのか悪いことなのか分からない。

 だが一先ずギリギリ生きてるそうなので少し希望は持てる。しかし疑問は最初の時よりも、一層濃くなるばかりだった。どうして彼がそんな殺され方をされたのか、一緒にいたはずの李沈(リーシェン)は何処に行ったのか。

 

 考えても答えが出ないことに頭を悩ませてる俺を待っていられなかったのか、グレモリーが自分から話題を投じてきた。




 「とりあえず、今話したことが私の知ってる全てかな?納得した?」


 「あ、あぁ……とりあえずは……」


 「じゃ、本題なんだけど──」

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