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――― ???
『最近、雑魚を歪みに誘導して使ってようだね。何をしてる?』
「ちょっと面白い物を見つけてね・・・」
『面白いもの?』
「ああ、あなたも気づいていますよね?あの古の化け物を宿し従える、王の器」
『・・・手を出さない方がいいとだけ、忠告しておくわ』
「そうなの?僕は一族の中では新人のほうだから、あれの恐ろしさ知らないんだよね」
『もし、手を出すなら。・・・そうね、今の内かもしれにないわね。彼の心に余裕があるうちに』
「ふーん。・・・協力してくれます?」
『Aランク魔石50で手を打とう』
「うわ。それ僕の一ヶ月分の魔力じゃないですか」
『むしろ一ヶ月であれを手引きしてやるのだから感謝しろ』
「なるほど、お婆様にそれほど言わせるとは。・・・ふむ、期待してもいいのでしょう。では、はい。どうぞ?」
『相変わらずだな。・・・確かに受け取った』
「1週間後。お願いしますね」
※※※
―――桜花高校 入学式より一週間後の放課後
僕の通う学校は桜花高校。
私立の特殊な学校で入学はすべて自己推薦のみ。
高校としては内部環境はとてもよく国内外から広く認知されている高校でもある。
ただ、個性的な人が多く、毎日が楽しいと思っていた。
「幸一。今日は暇かい?」
「うん?蓮二、美鈴さんはいいの?」
「今日は料理部があるからね。待ってるように言われたけど、夕食を作ってがるということで許してもらったよ」
「ふーん。美鈴さん、料理作るんだ?」
僕が意味ありげにそう言うと蓮二は違和感を感じながら何か考え込むようなしぐさをする。
「うん?まあ、作るよ?・・・まあ、なんか最近新しい何かを思いついたみたいで料理が関係してるみたいなんだけど」
「お前も苦労してるんだな・・・」
「お、幸一に蓮二。ちょうどよかった。これからゲーセンいかね?」
「どうした?・・・あ、ボウリングか?」
「せーかい!来週、町内会の大会に呼ばれてな」
「なるほどな、じゃあ・・・!」
ボウリングにこの後の予定が決まったと思った時、周囲から人が消えた。
「うそだろ・・・ここ、学校だぞ」
外を見ると赤と青の太陽が空高く照らしていた。
いるのは、僕と武蔵と蓮二の3名。周囲に気を張っても他の退魔師の気配を感じられない。
さらに言えば、脱出するための門の術式が起動しない。
つまり―――
「ようこそ、僕の影世界へ」
―――誰かに招待された隔絶された影の世界ということだ。
※※※
「なにものだね?」
「そうだね。上位魔人と言えばわかるかな?」
彼はそう言って手に持った赤い液体の入ったグラスを一気にあおる。
「血の匂い。・・・そうか、吸血鬼」
「昼間からということは、克服した上位種。ロードか?」
「ふふ。・・・もっと上」
僕が問うと彼(彼女?)がそう言って笑みを浮かべた瞬間僕達は一世に机を彼に向かって投げた。
「〈魔王〉・・・怠惰スキル〈武器召喚:二丁拳銃〉」
「霊装展開!こい、白銀!」
「紋章展開!俺に力を!」
僕は前と同じ服装に加え、蒼銀と紅銀の2丁拳銃。
蓮二は真っ黒なスーツの服に白銀色の刀。
武蔵は全身に紋章の痣を巡らせ拳にガントレットをはめている。
「そうか、〈魔王〉に〈刀鬼〉、〈魔拳〉だったのか。それにしてもこんなに若いとは」
飛んできた机を眼力に込めた魔力で真っ二つに切り裂いた彼は笑いながらうれしそうにそう言って、教卓の上に飛び乗る。
「改め自己紹介を。自分はオルテラ。裏世界十二氏族が一つ。吸血鬼の王族です。お見知りおきを」
その言葉に僕達は息をのむのだった。
※※※
吸血鬼―――それは歴史に何度から出てくる存在であり、太古に影の世界に住みついた人の変異種である。
人も魔物のように変質することがある。
完全に体内に魔石ができる前であれば、浄化すれば人に戻れるのだが体名に魔石が作られる。または、自ら魔石を作り出し適合した時、それは魔人と呼ばれいくつかの超人となる代わりに永劫に影の世界に封じ込められることを意味する。
ただ、そう言った超人を世界が承認しており一応、管理している。
基本的には影の世界に出現する魔物の間引きをしてもらっている。
ただ、表の世界との間にできたゆがみには入られると魔人では対応できなく
その歪みに入った魔物を対処するのが僕たち退魔師の役割だ。
ただし、魔人はその力の強さによっては条件を見たし、現実世界に出現することも干渉することもできる。
その中でも吸血鬼はトータルバランスが高く、魔法剣を使用した中距離戦闘を得意とする。
魔人と戦闘に発展する理由は主に二つ。
魔人の暴走。魔人体内にある魔石が暴走を起こし、理性をのみこみ暴走して現実に飛び出そうとするとき。
そしてもう一つが―――
「吸血鬼の王族様。なぜ、僕達をここに招待したか押していただけませんでしょうか?」
「ん?わかってるでしょ?君たちと戦いたいからだよ?」
―――魔人とは強さを求めた人間の成れの果てであるからだ。
※※※
「くそ!やっぱ強すぎだろ、吸血鬼!」
「予想はしていたが、予想以上だ。しかし、幸一ばかり狙ってないか?」
半壊した学校。瓦礫を背に空中にけがを負った二人は体を自己回復で癒しながら目の前の戦闘を見ていた。
「いいぞ!やはり、お前がふさわしい!」
「なんの話してんだ!」
これまで一時間近く戦闘を続けて、オルテラに傷をつけられたのは幸一一人である。
魔王の力を極力使わず、2丁拳銃で蓮二と武蔵を援護しながら戦っていたが二人がしばらく動けなくなってしまったので片手に刀を持ちながら応戦をしていた。
幸一はやや防衛主体となって消極的だが、それは彼の戦闘スタイルのなのでしかたないことだ。
ただ、気にくわないのは目の前のオルテラがとてもうれしそうに、攻撃してくることだ。
その表情がその・・・発情した雌のようなにおいをはしている。
色欲によって〈識別〉した結果この吸血鬼の王族さんはボーイッシュな女の子であることはわかっている。しかし、なぜか半発情状態と言うのも確認した。
でも、なぜ?
吸血鬼の習性は知らないがもしかして、もしかするのか?
僕はとりあえず、これ以上の切り合いではこちらのスタミナや精神的に限界が近いと感じ巨大な一撃を加えることにする。
刀と銃撃で隙を作り距離を取ると彼女はうれしそうに笑う。
「なにかする気だね?」
「それを楽しみにしているようなのでね?よければ大技のの打ち合いする?」
「いいね!わが血をすすれ、〈吸血剣:ダインスレイブ〉―――」
「返答からの準備が速いね。はぁ、暴食スキル―――」
オルテラの体から赤い光が漏れ出し、それが剣に吸い込まれてゆく。
光を吸い込んだ剣はその刀身を真っ赤に染め上げる。
一方、僕は魔王スキル使用の為に服の白い線の色が変わる。
「―――紅彗星!」
「―――〈暴食〉」
オルテラの剣から膨大で巨大な魔力の塊が放出され、迫ってくる。
一方、僕は刀と銃をしまい、仁王立ちで手をポケットに入れる。
目の前にあらわれた暴食を示す魔法陣。
それは僕の影に吸い込まれていった。
すると僕の影がうごめき、巨大な黒い口が現れる。
それはスカーレットを一口で飲み込む。
「なっ!・・・すごい。すごいよ!やっぱり、僕の見立て通りだ!」
なぜか攻撃が防がれたのに嬉しそうにする、オルテラ。
一方、僕は服の線の色を赤へと変える。
「憤怒スキル:〈超感覚〉」
僕はオルテラとの戦闘中神経が研ぎ澄まされていって気づいたが、ここは誰かに監視されていた。
そして存在がオルテラに戦意がいないと判断した瞬間、僕とオルテラの両方に攻撃を仕掛けてきた。
オルテラは喜びで気が抜けていたのだろう、その攻撃に反応しきれてなかった
生憎、超感覚によって研ぎ澄まされた僕の早打ちによって両方の魔法の核を打ち抜き無効化する。
「・・・大丈夫か?」
「・・・ありがとう///」
オルテラは顔を隠しながら僕を言ってくる。
僕は狙撃ポイント周辺の気配を探るがそこにあるのは誰かが去った痕跡であった。
何が目的か分からないが凄腕であることは事実だ。
「あーっと、そろそろもとに返してもらっていいか?」
「え?あ。・・・うん。いいよ。そ、その代わりなんだけど」
そう言ってオルテラは携帯を差し出す。
「れ、連絡先を・・・」
「う、うん。君たちも携帯使うんだ」
なんとなく魔族は魔王での通話が主流と聞いていたので、表の通信機器など少し以外ではあった。
「失礼な。魔人に世界には娯楽は少ないのでな。上位種はたまに表の世界に娯楽を楽しむために姿を変えて行き来しているぞ?」
「はい?」
表の世界に来れることは知っていたが、まさか娯楽の為とは思わなかった。




