第10話 二人の銃士
一度上った城を下に降りていくのは精神的に疲労するものがあった。
身体能力はステータスに見合ったものだからスタミナ切れはないが、時間制限がある上にそれがいつまでかは判らないというストレスがまたひどい。
「バーストブレイド!!」
「グレネードショット!!」
俺とショウはアンデッドナイトをまとめて爆殺し、階段を下る。地下へ降りる階段すらもいちいち金細工で装飾がしてあり、踊り場には歴代の王の肖像画が飾られている。そこへ飛び散る肉片や骨片。
地下の最下層までひたすら下る。
最下層はそれまでと雰囲気が違っていた。
「駐車場みたいなとこだな」
ショウが場違いなことを言い出すが、そのだだっ広い空間は天井が低く駐車場を思わせる四角い柱がいくつも並び、電灯替わりに青い松明・・・否、鬼火がともっていた。
足を踏み入れると、ぱちゃぱちゃと音がする。どうやら地面には水が張ってあるらしい。
広大な地下の奥には上り階段があるようだ。
あの先に腐敗王はいるのだろうか・・・そう思い、口にしようとした瞬間、横にいたショウが前のめりに飛んで行った。
「ショウ!?」
2mかそこら飛ばされたショウを追う俺に、後ろから衝撃が襲いかかった。
「ぐあっ!これは・・・ペインショットか!?」
背中を痛みがはい回り、思考力が落ちる。
倒れていたショウが目の前に現れた人影に目向け、硬直した。
「シンシア・・・」
目の前には魔力の青い残光をまとったシンシアのゾンビがいた。
シンシア・・・彼女は1300レベルの引退者だった。確か就職か何かの都合でこの世界を去ったはずだった。職業はショウと同じガンナーで、いつも二人で競い合っていた。やれこっちのスキルが強いだの、この武器のほうが強いだのと、お互いの持論をぶつけてはより強いキャラを育てていたものだ。シンシアが引退してからのショウは少しインしない時期があった。それほど仲が良かった二人がこんな風になるなんて・・・・。
「ザム、シンシアは俺が引き受けた。お前は腐敗王のところに行ってくれ」
それだけ言うと、ショウは拳銃を両手に取り出し、決闘スタイルに変わっていた。
単体用に特化したクイックドロウタイプのスキルが使えるスタイルだ。普段のライフルは大型や範囲の敵に使うと強いが、敵が人間タイプの一体に関してはこちらの方が強い。
「死ぬなよ!!」
俺は衝撃波をシンシアに放つと同時にその横を駆け抜け、一気に階段を目指す。背後では激しい銃撃音が複数放たれる。
チュイン!
俺の頬を銃弾がかすめた。危ねえ!?しかも方向から言ってショウの奴が撃ったとしか思えない。味方の流れ弾で死ねるかあああああああ!!
俺はとにかく全力疾走で階段にたどり着き、そのまま上りきった。
「邪魔だあああああああ!!」
その勢いで最上にあったいかにもな観音開きの扉を粉みじんに粉砕し、入った部屋には・・・。
プレイヤーだったと思しきゾンビが5人も待ち受けていた。




