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空気中と同じくらいの感情濃度

 今日は特別緊張する。

 胸がザワザワして、落ち着かない。頓服を飲み忘れてきたせいか……でも錠剤2粒でこんなに心の状態が変わるものなのか。

 休んでしまおうか、と少しだけ頭に浮かぶ。

 毎日が楽しくない。自閉傾向は年々ひどくなっていく。身内といても緊張する。親と目が合わせられない。枝分かれしていた人生がだんだん細い一本道になっていく。

 空気の80%は窒素で、残りの2割が二酸化炭素や酸素。と理科で習った。自分の心のなかもそれに似ていて、緊張が8割を占めていて、残りが不安だとか不満。楽しい感情というのは空気中の,(小数点以下)レベルくらい、というのは言い過ぎだろうか。

 人々の端っこにぽっかりと浮かぶ惑星わたし。けれどその衛星には、半身不随の父と、精神病と免疫性筋炎(難病。治らない)を患う母が回っている。あまりにも可哀想だ。助けてあげようよ!



 作業所でしばらく作業していると、いろいろなことを考える。親が死ぬのも、そう遠い先のことではなくなってきているので、そうなったら自分はどうなるか。A型と年金(例の)だけでは生活できないので、障害者雇用での就職を目指すか、あるいは転院してどうにか2級に引き上げてくれるよう医師に頼むか。

 実はこないだ、紹介状なしで一度別の病院で診察を受けてみた。「〇〇先生ならなんとかしてくれるんじゃないかな」とハローワークの窓口の人が言っていたので、とあるクリニックのその先生に診てもらったのだが、一通り診察してもらった結果、年金の等級を上げられるかは「何とも言えない」とのこと。

 初診なので、そういう回答なのは仕方ないが、「何とかしてみるよ」と言ってくれればすぐの転院も考えるのに。

 これ以上、国にたかるな、ということなのかもしれない。



 作業所には一見普通に見えても色々な人がいて、この間はちょうどトイレから戻ったときに、「あー腹立つ!」「帰ります!」と言って、叫びながら出て行った人がいた。作業所の人たちは、あえて触れない優しさなのか、目をむける人は少なかった。指導員の人も一人は追いかけていたが、別の人たちは冷静に机で作業を続けていた。そういうものなんだろうか。優しいのか、事務的なのかよくわからない。

 あとは最近気付いたが、とても背が低い人がいる。小人症なのかもしれない。人それぞれ、いろいろな生きにくさを持っているようだった。

 私事いつもそうだだけど、叔母は統合失調症で、30代の頃に1年以上東京の病院に入院していたと聞いた。その間髪も洗わず、誰とも口を利かなかったそうだ。ずっと緊張していた、と言っていた。目の前でふっと手をあげられる、それだけでも緊張して身構えちゃうの、と。その感覚は、聞いていて少し分かると思った。

 その叔母が、いまは普通に家族と会話をしているのだから、自分もそのうちどうにかなってくれるのかも、と少し期待している。

 ただ、年金(例の)の審査に出す主治医の診断書には、残念ながら「予後は不良とみられる」と書かれていた。

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