114話
次の日。
俺達はクロに乗って、そのまま進んでいた。
そのまま突き進み、遂に99階層へと到着した。
「あれ、この階層にはモンスターが出現しませんね」
先程までは、中々強いモンスターが出て来ていた。中には素早いモンスターもいて、クロでも逃げきれなかったのでそれについては俺が倒した。
「そうですね」
「何か、こうもモンスターが出て来ないと逆に怖いですよね」
嵐の前の静けさってやつか。確かにその可能性もなくはない。
「まあ止まるわけにも行きませんから、このまま進みましょう」
そうして、俺達は進んでいったのだった。
そうして結局99階層ではモンスターが出て来ず、俺達は100階層へと続く狭い通路を進んでいた。
「恐らく、次が最後ではないかと言われているのですが……」
「まあ誰も言ったことがないんですから、もしかしたらまだ続いているのかもしれませんね」
「はい」
そうして話していると、遂に100階層の入口が見えてきた。
「それじゃあ、いってきますね」
「気をつけてください」
「危なくなったら逃げてくださいね」
「はい」
そう返事をして俺はクロから下りると、一気に入口から入ったのだった。
そして、そこにいたのは……
「グアアアアアアアアアア!」
「……マジかよ」
何と、100階層のモンスターはドラゴンだった。
これはやばいな。
相手は空を飛んでいる。という事は、俺の刀が届かない。
これはまずいな……
俺がそう思っていると……
「え!?」
「何あれ!?」
入口の方でローデンさんとケシリーさんの声がした。
恐らく、様子を伺おうとしてこちらを見たら、ドラゴンがいたので驚いたのだろう。
「難波さん!あんなのに勝てるんですか!?」
ローデンさんがそう聞いてくる。
「分かりません。ですが、何とか戦ってみます」
俺はそう言って、刀を構える。
ついでに向こうを見ると、そこに通路はなかった。
やはり、ここが最終階層か。
どうやら、このドラゴンを倒せばダンジョンはクリアみたいだな。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
するとドラゴンは叫び、こちらに向かって来た。
そして、大きな口を開ける。
俺を食べるつもりか!?
俺は何とか横に飛んで避けるが、かなりギリギリだった。何せ、ドラゴンの体長は恐らくだが10メートルはあるだろうからな。
「くっ!?」
避けたのだが、ドラゴンが通り過ぎた時に起こる風によって、俺は少し吹き飛ばされた。
「これ、90階層までとは全く違うじゃねえか」
今までとは別格のモンスターに、思わずそう悪態を吐く。
でも、やるしかないんだよなあ。
俺は最初から全力で行こうと、刀を2本とも抜いて構える。
そして、呪文も唱える。
「我、手にするは王の力」
「光を纏い、闇を照らす」
「我が魂、その力を持って」
「光り輝く未来を切り拓く」
「キング・ソウル・ドライブ!」
その瞬間、俺の体は光に包まれる。
「グアアアアアアアアアア!」
ドラゴンはこちらに向かって来ようとするが、それより俺の王化の方が先だった。
光が収まると、俺は金色の光を纏って金色のマントを羽織った姿だった。刀も金色に染まっている。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
しかし、既にドラゴンは俺の眼前まで迫っていた。
「はっ!」
俺は一瞬で横に避けると、先程まで俺がいた場所をドラゴンが通過する。
俺はその瞬間、ドラゴンの翼を斬りつける。
「グアアアアアアアアアア!」
しかし、全然効いていないようだった。
「これでも駄目か」
ドラゴンの皮膚は硬く、俺の刀が弾かれてしまっている。
そして、ドラゴンは空中で旋回すると、またこちらに向かって来た。
恐らく、ドラゴンの皮膚を傷つけるのは俺には無理だ。
それなら……
俺はドラゴンが来るのを待つ。
そして……
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ドラゴンが俺の目の前まで来た。
「難波さん!」
「避けて!」
ローデンさんとケシリーさんはそう叫ぶが、大丈夫だ。
俺は走りつつドラゴンの口内に向かって、刀を振るう。
「心証流奥剣ー刹那」
俺はすれ違いざまに上顎、舌、歯茎の順で斬りつける。
しかし……
「なっ!?」
少しだけ傷つける事が出来たものの、少し血が流れた程度だった。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
少し怒ったのか、ドラゴンの目つきが鋭くなる。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
そう叫ぶと、先程よりも速い速度でこちらに向かって来た。
「くっ!」
俺はそれを避け、何とか体勢を立て直す。
このままじゃあまずいな。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
そう思っていると、ドラゴンは空中で旋回してこちらに向かって来る。
俺はそれをギリギリまで引きつける。そして、あと少しで再び口内を攻撃しようとした時だった。
「なっ!?」
ドラゴンは口を大きく開けて、その中に火種のようなものが見えた。
まさか!?
俺は攻撃するのをやめ、すぐに横に飛ぶ。
すると……
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ボン!ボン!ボン!
3発の火球が放たれた。
バアァァァァァァァァァァン!
その火球が地面で爆ぜた。
「ぐうぅぅ!」
俺はかなり距離を取ったのだが、それでも熱がこちらまで来た。
そして土煙が晴れた後には、地面は焼け焦げていた。
……まずいまずいまずい!
俺はその光景を見て、かなり焦る。
あれを食らってしまえば、やられてしまうのは火を見るより明らかだ。
何とかしないと!
そう思っていると……
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ドラゴンはこちらに向かって口を開いていた。
やばい!また来る!
俺はドラゴンの火球を避けるため走る。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ボン!ボン!ボン!
そして、ドラゴンは火球を放って来た。
バアァァァァァァァァァァン!
地面に火球が放たれるが、俺は後ろを振り返らずにひたすら走る。
後ろからすごい熱を感じるが、何とか避け切ったようだ。
そして上を見ると……
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ドラゴンは火球を放つ準備をしていた。
くそっ!このままじゃ、いつかやられる!何とかしないと!
しかし、俺の中では焦燥感だけが募っていったのだった。




