113話
次の日。
俺達はダンジョンを進んでいた。
「いやー、クロのおかげでかなり楽ですね」
「え、名前までつけたんですか?」
「いつまでもモンスターじゃ流石にどうかと思いましてね」
黒いからクロ。すごく単純だが、まあいいだろう。クロも気に入っているようだしな。
そうして俺達は進んでいると、モンスターがやって来るのだが、クロの走る速さについて来れないでいた。
そのため、俺達はモンスターとの戦闘をする事なく進む事が出来ていた。
そして遂に80階層へと到着した。
流石にボスモンスターは倒さないといけないだろうと思い、俺は一旦クロから降りる。
そして、80階層へと入ると……
「……」
そこにはサイがいた。
これは強そうだな。
俺は刀を構えようとすると……
「なっ!?」
すごい速さで突進してきたので、俺はすぐに横に飛んで避ける。
ドオォォォン!
そのままモンスターは壁にぶつかり、壁が大きく抉れたのだった。
うわあ。これは攻撃を食らわないようにしないと。
俺はそう思いつつ、刀を構える。
そして、モンスターは再びこちらに向かって来た。
俺はそれを避け、モンスターが通り過ぎる瞬間に刀を振るう。
しかし、刀はモンスターの皮膚に弾かれてしまう。
また通らないのか!
俺は今回は最初から本気で行くしかないと思い、走り出す。
ドオォォォン!
その瞬間、モンスターがまた壁にぶつかった。
俺は一気にモンスターとの距離を詰め、モンスターが反転する前に後ろから攻撃するため、上に飛ぶ。そして刀の切先をモンスターへと向け、そのまま落下する。
「心証流秘剣ー雫」
しかし、俺の刀はやはり弾かれてしまった。
「まだまだ!」
俺は無理矢理刀をねじ込む。
「ガアアアアア!」
すると、刀が皮膚を貫通した。
しかし、モンスターはまだ消滅しない。
「もっとだ!」
俺は一旦刀を抜き、その場で上に飛ぶ。
「心証流秘剣ー雫」
再び剣技を放つ。そして再び無理矢理刀をねじ込んだ。
「ガアアアアア!」
そしてそれを何度か繰り返すと、遂にモンスターは消滅した。
「ふう。何とか倒したな」
今回は突進の威力はすごかったが、避けてしまえば何て事はなかった。
「難波さん!」
そこで、クロに乗ったローデンさんとケシリーさんもこちらに来たので、そのまま俺はクロに乗って先に進んだのだった。
そして90階層へと到着した。
俺が入口から入ると、そこにいたのは……
「ガオォォォ!」
ライオンのモンスターだった。しかもかなり大きい。
モンスターは、俺を見た瞬間に襲いかかって来る。
速っ!?
「くっ!」
俺は爪での攻撃を刀で受けるが、かなりの威力で後ろに下がってしまう。
「はああ!」
そのままやられるわけにはいかないので、俺は力を込めて押し返す。
しかし、モンスターは全然動かない。
「ぐ……あああ!」
渾身の力を込めると、やっと少し押し返す事が出来た。
その瞬間、俺は横に飛んで逃れる。
そして、すぐに体勢を立て直す。
「ガオォォォ!」
しかしすぐに俺の方へ向かって来るので、俺は避け続けていた。
その間にもう1本の刀を抜き、二刀流で立ち向かう。
「いくぜ!」
今度はこちらからモンスターに接近して、刀を振るう。
「心証流奥剣ー紫電」
モンスターの攻撃を左手に持った刀で受け止め、その瞬間に右手に持った刀で攻撃をする。
「ガアァァァ!」
攻撃は決まり、俺はその隙に距離を取るため後ろに飛ぶ。
「ガオォォォ!」
どうやらモンスターは怒ったようで、先程よりも走るスピードが増した。
これはまずいな……
さっきまでのスピードで、ギリギリ追いつけるかどうかだったのに、今度のは完璧に速さで負けてしまった。
「ガアァァァ!」
そして、今度は俺を嚙み殺そうとしてくる。
俺はそれを横に飛んで避けるが、モンスターはすぐにこちらに向かって来る。
このままだとすぐに捕まる……仕方ない、やるか……
そう思った俺はモンスターの攻撃を躱しつつ、呪文を唱え始める。
「我、手にするは王の力」
「光を纏い、闇を照らす」
「我が魂、その力を持って」
「光り輝く未来を切り拓く」
「キング・ソウル・ドライブ!」
その瞬間、俺の体は光に包まれる。
「ガオォォォ!?」
モンスターも、その光に驚いたようだ。
そして光が収まると、俺は金色の光を纏って金色のマントを羽織った姿だった。そして、刀も金色になっていた。
「これで速さじゃ負けねえ」
俺はそう言うと一瞬でモンスターに接近し、刀を振るう。
「ガアァァァ!」
ワニやサイのモンスターように、皮膚が硬いわけではなかったので、刀は弾かれる事なくモンスターを斬りつける。
「ガオォォォ!」
モンスターは俺に向かって攻撃をしてくるが、俺はそれを避ける。
そして、その隙に俺は攻撃をする。
それを何度か繰り返し、一旦距離を取る。
俺は次の一撃で決める事にした。
「いくぜ」
俺は刀を構え、縦横無尽に走る。
その俺を、モンスターは捉える事が出来ないでいた。
俺はモンスターに接近すると、一気に刀を振るう。
「心証流奥剣ー吹雪」
「ガアァァァ!」
俺の攻撃は決まり、モンスターは消滅したのだった。
そして、途轍もない大きさの魔晶石がその場に残された。
「難波さん、大丈夫ですか!?」
「お怪我はありませんか?」
ローデンさんとケシリーさんが、クロに乗ってこちらに来た。
「大丈夫です。ですが、かなり今の戦闘で消耗したので、今日はここで休んでもいいですか?」
「あ、はい。もちろんです!」
「あの、それはいいんですけど、その姿は一体……」
ケシリーさんがそう聞いてくる。
「あー、あまり詳しくは話せないんですが……」
俺は少しだけ王の力について説明した。
「そ、そんな力が……」
「それがあれば、難波さんは無敵じゃないですか!」
「いや、無敵ってわけじゃないと思いますけど」
「でも、もう90階層ですよ!ここまで来た人なんて、今まで誰もいなかったんですから!難波さんがすごいのは間違いないですよ!」
そうかなあ……
「まあそれは置いといて、一先ずテントを張りましょうか」
そうして俺達は90階層でテントを張り、休む事にしたのだった。
このダンジョンは、恐らく100階層が最終階層だと言われている。それなら、あと少しでゴールという事だ。
さて、もう少しだな。
そう思いながら、俺はテントの準備をしていたのだった。




