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112話

次の日。

俺達はさらにダンジョンを進んでいた。

そして……

「ここからは、未到達階層です」

俺達は今、57階層へと続く狭い通路を進み、遂に57階層へと到着した。

「ここより先に出て来るモンスターは、今まで誰も訪れた事がないので情報がありません」

「分かってます」

「大丈夫ですか?」

「はい」

俺はローデンさんとケシリーさんにそう言って、歩き出す。

後ろから2人がついて来る。

そうして進んでいると……

「ゲロゲロ」

モンスターが出て来た。

そのモンスターは、蛙の見た目をしていた。

俺は刀を鞘から抜いて構える。

「ゲロゲロ!」

すると、蛙のようなモンスターはこちらに向かって来た。

俺も走り出す。

そして、すれ違いざまに刀で斬るが……

「ゲロ」

「あれ?」

俺はモンスターの腹を斬ったのだが、刀が弾かれてしまった。

マジか、これじゃあ腹に攻撃しても無駄だな。

それなら……

「ゲロゲロ!」

再び、モンスターが俺へと向かって来る。

それに対して、俺は上に飛ぶ。

そして刀の切先をモンスターの方へ向け、そのまま落下する。

「心証流秘剣ー雫」

グサッ!

俺の刀は、モンスターに深々と突き刺さった。

「ゲロ……」

そのまま、モンスターは消滅したのだった。

「ふう。何とかなりましたね」

そう言って後ろを見ると……

「あれ?」

ローデンさんとケシリーさんは、かなり離れた場所にいた。

「す、すみません」

「蛙は苦手です……」

そう言いつつ、2人はこちらに来た。

どうやらゴキブリだけじゃなく、蛙も苦手なようだ。

「それなら、早く次の階層に向かいましょうか」

「は、はい!」

「お願いします!」

そうして、俺達は歩き出したのだった。


そして、遂に60階層へと到着した。

「気をつけてくださいね」

「頑張ってください!」

ローデンさんとケシリーさんにそう言われ、俺は頷いてから走り出す。

そうして60階層へと入ると……

「グアア!」

そこにはワニのようなモンスターがいた。

ワニか。それなら……

俺は一気に走り出し、上に飛ぶ。

そして刀の切先をモンスターに向け、そのまま落下する。

「心証流秘剣ー雫」

そして、俺の刀はモンスターの背中に深々と……

「グアア!」

突き刺さらなかった。

やっぱ駄目か。

俺はモンスターの背中を蹴り、距離を取る。

流石は60階層のモンスターだな。俺の攻撃が通らないなんて。

だが、恐らくは背中だけが特別硬いのだろう。

それなら……

「グアアア!」

そんな事を思っていると、モンスターがこちらに向かって来た。

俺も刀を正眼に構えて走り出す。

そうする事で、お互いの距離はすぐになくなる。

「グアア!」

そしてモンスターがその大きな口を開いて、俺を嚙み殺そうとしてくる。

いくぜ!

狙いはモンスターの側面だ。

「心証流奥剣ー刹那」

俺はモンスターとすれ違いざまに刀を振るう。

そして、俺の攻撃はモンスターに通った。

「グアア!」

しかし、モンスターはまだ消滅しなかった。

今ので駄目か……

モンスターは反転して、俺に向かって来る。

仕方ない。

俺は空いている右手で、もう1本の刀を鞘から抜く。

そして、モンスターに向かって刀を振るう。

「心証流奥剣ー刹那」

俺はモンスターとすれ違い、今度は先程よりも斬撃の回数を増やす。

そして……

「グアア……」

遂にモンスターは消滅したのだった。

はああ……中々手強かったな。

流石は60階層のボスモンスターだ。これからも気をつけないといけないな。

「難波さん!」

「大丈夫ですか!」

そして、ローデンさんとケシリーさんがこちらに来るので、俺は刀を鞘に納めて2人に無事だと伝えたのだった。


それからさらにダンジョン内を進み、遂に70階層へと到着した。

もうかなり時間が経っているので、今日はここまでだろう。

「いってきます」

俺は入口から70階層へと入る。

するとそこには……

「グルル……」

馬がいた。それも真っ黒だ。

俺は刀を構える。

馬なら、かなりのスピードで来るかもしれないな。

そうして様子を伺っているのだが、モンスターは全然こちらに来ない。じっとこちらを見ているだけだ。

何だ?

今までのモンスターは、みんな俺に攻撃を仕掛けてきた。

しかし、このモンスターはそれをしてこない。

俺が怪訝に思っていると……

「ヒヒーン」

パカラッパカラッ。

モンスターは俺の方へとゆっくり近づいて来た。

俺は刀を構え、その場でモンスターの出方を伺う。

そして、遂に俺の側まで来た。

すると……

「グルル……」

モンスターは俺の匂いを嗅ぎ、手を舐めてきた。

あれ、どういう事だ?

俺が困惑していると、モンスターは俺の前で座ってしまう。

どうなってんだ?

俺は油断せずにその場で様子を伺っていると、モンスターはこちらを見てくる。

そして尻尾を振り、何かを待っているようだ。

え、どうしたらいいんだ?

俺が困惑していると……

「どうされたんですか?」

ローデンさんが、入口から俺に声をかけてきた。

「いえ、このモンスターが俺を攻撃してこないんですよ」

「ええ!?」

「どういう事ですか!?」

いや、それは俺も聞きたいんだが……

そう思っていると……

「グルル」

モンスターがこちらに向かって何か言っているようだ。

何だ?

さっきから、俺と自分の背中を交互に見ている。

……乗れって事か?それで、乗った瞬間に背中から急に棘が生えるなんてないよな……

俺はそう思っていると……

「グルル」

モンスターは早くしろと言わんばかりに俺を見てくる。

……仕方ない。もし棘が生えてきたら、その時は大人しく串刺しにされるか……

俺はそう覚悟を決め、モンスターの背中に乗る。

すると……

「ヒヒーン」

モンスターは起き上がり、俺を乗せたまま歩き出す。

あれ、特に何もないな……

棘が生えてくるという事もなく、ただ騎乗しているだけだ。

俺は過去に乗馬経験もあるので、それを生かしてモンスターに指示を出してみる。

すると、モンスターはその通りに進む。

おお!これはすごいな!

なぜかこのモンスターは、俺の言う事を聞いてくれるようだ。

「え、何してるんですか!?」

「危ないですよ!」

ローデンさんとケシリーさんはそう言ってくる。

「なぜか言う事を聞いてくれるみたいなんで、大丈夫ですよ。ローデンさんとケシリーさんもこっちに来てください」

俺がそう言うと2人は暫くその場にいたが、やがてこちらに恐る恐る近づいて来た。

「本当に大丈夫なんですか?」

「ええ。乗ってみます?」

このモンスターはかなり大きいので、恐らく3人乗っても大丈夫だろう。

俺はモンスターに指示を出し、その場に座らせる。

「乗ってください」

すると、ローデンさんとケシリーさんは、ゆっくりと乗った。

そしてモンスターを立たせると、再び歩き出す。

「うわあ!すごいですね!」

「モンスターの背中に乗れるなんて!」

2人も最初は怖がっていたが、段々と慣れてきたからか、そんな反応をしていた。

「もしかすると、このままこのモンスターに乗ったまま、ダンジョンを進めそうですね」

「それなら、かなり早く進めますね」

「それに楽ですしね」

その後は70階層でそのままテントを張り、休む事にしたのだった。

因みに、モンスターに俺達の食糧を分けると、すごく美味しそうに食べていたのだった。

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