発覚
偶然なのか?と思った。美有との出会いは…。会社だ!!会社に行く途中の電車!!あれは、偶然でしかない、と思う。でも、そもそも、美有は、何で、東京から奈良にある会社に就職したんだ?
その瞬間、彼の頭には、また、赤ちゃんが…と言った美有の顔がはっきり浮かんだ。また?…また、って?
青年は、美有に聞こう、と思って上着を持った。しかし、すぐにそれを置いた。美有には聞かない。自分で調べよう。青年の頭に今度は、半年じゃ何も分からない、と言った父親の顔が浮かんだ。
探偵を雇った。時間はかかったが全て分かってしまった。
養護施設の前、入院してたことを知った。その入院が妊娠のためということも…。しかも、その相手が弟であったことも…。青年は、探偵の話を聞いている間に気分が悪くなって、席を立った。外の空気を吸って、考えた。彼女は、弟と子供を失った。そして、いとこである、僕を求めて奈良に来た。そして、その息子を産んだ。何か意図があるはずだ…血に関わる意図が…
美有は、夫に問い詰められた。青年は、冷静に話したかったが、美有を前にすると、どうしても声が震えた。それを隠したくて、大きな声も出してしまった。美有は、
「ごめんなさい。」
とだけ言った。青年は、
「謝ってほしいんじゃない。何でこんなことをしたのか、知りたいんだ…」
と言った。
美有は、下を向いたまま黙って首を振った。
青年は、また頭に血が上って、
「僕なんて、弟の身代わりだったんだろ!!赤ちゃんだって、流産した子の身代わりなんだろ!!」
と叫んだ。涙が頬を流れた。




