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飛び火  作者: 梅子


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3/9

プロポーズ

 青年は、美有のようには寝られなかった。寝顔を見ると、真っ白な顔をしていて、きれいだと思う。何だかこのまま、ちゃんとした彼女にしたいな、と思えてくる。でも、自然にそうなりそうな気がする…

 美有は、心の中で会心の笑みを浮かべていた。やっと、ここまで来た。ここまで。

 あと少し…


 青年は、美有に惹き込まれた。どこまでいってもぼんやりして掴みどころがないのに、頼りにされている、と感じる。言葉は少なくて、何を考えているのか分からないのに、常に微笑んでいる。

 半年もしないうちに、青年は美有にプロポースをした。それは、美有がぼんやり、妊娠したかも…と言い出したことがきっかけだった。

 青年は、美有に、

「えっ…?」

と聞き返したが、美有は不安がる様子もなく、

「うん…」

と、ただ頷く。青年は、最初はびっくりしたが、美有のことは好きだし、こういう人生もありかな?と思った。

「検査しようよ…もししてたら、結婚しよう。」

と、思い切って言うと、

「病院で検査するね。もし、してたら、写真貰ってくるね。」

と、気負う様子もなく笑う。

 しばらくして、美有は、

「してた…」

と写真を見せてくる。

「え…?まじで…やっぱりしてたんや。」

「うん。」

「……。」

「……。」

青年は、責任取って!!とか、どうしよう!!とか言ってくるのかな…と待っていたが、美有は、ただ座って何も言わない。

「結婚しよう…」

青年が言うと、美有は、

「そうだね…。」

と言った。そして、すぐに

「大丈夫?」

と聞いた。

「何が?」

「嫌じゃない?」

「嫌なわけない…美有のこと好きだし、予定が早まっただけだよ。」

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