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第3話 あま〜い朝食

今日はのんびり一緒に朝ごはん作って一緒に食べる日!どんな甘々が見られるのでしょうか?ちなみに、この第3話は2話とは繋がっています

―洗面所であま〜い朝支度をした後、キッチンにて


「せ〜や〜、今日は何食べたい?」


 エプロンを着ながら誠也に問う姿は嫁そのものだった。まだ結婚はしてないが誠也の目には穂乃実がもはや彼女ではなく嫁にしか見えなかった。


「朝は和食がいいな」


「分かった!この私に任せてね♡」


「今日は僕も一緒に作るんだけどね」


 張り切って部屋着の上からキチッとエプロンを着こなす穂乃実は心なしか元々良かったスタイルが更に強調されていた。

 お腹側で紐をリボン型にして結んで笑顔で誠也の方を見た。やる気は十分らしい。


「米は冷蔵庫にある在庫をチンすればいいから…先に味噌汁作ろっか!」


「分かった、野菜切っとくよ」


「ありがと 私は味噌とかの調味料用意するね♡」


 そう言って穂乃実は冷蔵庫から味噌や棚から出汁・調味料などを取り出した一方誠也は大根をイチョウの形に薄く切っていた。


「せ〜や切るの上手いね!さすが私の教え子だ!」


「穂乃実は何様なんだ?」


 穂乃実から直接料理の授業を受けたわけではないが、こういう一緒に作る日があるおかげで少しずつ料理の腕は上がってきている、とまではいかないが慣れてきている。


「ちょっとせ〜や? そこは可愛い穂乃実ちゃんのおかげって言うところでしょ?//」


 穂乃実の顔がほんのりと赤く染まっているのを誠也は見逃さなかった。恐らく自分で言っておきながら恥ずかしくなってしまったのだろう。穂乃実は意外と照れ屋なのに誠也に対してこういう冗談をよく言う。なぜなのかは誠也は理解していない。


「そ・れ・に! 大学生の頃はろくに包丁も握れなかったくせに!」


 事実である。誠也は高校生まで調理実習以外では包丁を握った回数は数えられる程度の回数である。そのため大学生時代は穂乃実がよく家に料理を作りに来てくれていた。

 ちなみにこの時誠也はエプロン姿の穂乃実になれておらず、近づけなかったため今のように手伝ったりは一切しなかった。


「それはごもっともです」


「でしょ? えっへん!」


「ありがとな、よしよし」


「ひゃっ!?//」


 つい癖みたいな感じで誠也は穂乃実の頭を撫でた。付き合い始めた当初から頭を撫でるのは誠也の癖だが穂乃実は未だに慣れておらず照れてしまっている。さらに今回に至っては不意打ちなので尚更照れている。


「………」


「どうした?不服か?」


「ううん………」


 どうやら不服ではないらしい、なぜかって?なぜなら穂乃実が誠也の手に頭をグリグリ押し付けているからだ。

 穂乃実は低身長ながら思いっきり背伸びをしてグリグリと頭を擦り付けてくる。まるで『もっと』と言わんばかりに。


「そんな背伸びをするとふらつくよ?」


「ガルルルルルル」


 ライオンの物真似か?どうやら威嚇をしているらしいが背伸びによって表れている、おぼつかない足のせいで穂乃実の威嚇は可愛い抗いにしか見えず、誠也には効かない。別の意味では効いているが…


「ガルルルルルル!……うわっ!!」


 ドンと鈍い音がなって身体に重さがかかったと思ったら穂乃実が倒れてしまい誠也に寄りかかってる状態になった。幸い二人とも両手には何も持っていなく、倒れずに済んだので良かった。

 どういう状況か簡単に説明すると立っている誠也のお腹の中にダイレクトにヒットし両腕の中に穂乃実がすっぽりと包まれている状態だ。


「う〜〜〜っ//////」


 声にならない高いうめき声が聞こえてきた。恐らくいろいろな感情が交差しているのだろう。

・意地張って背伸びしてふらついて倒れた恥ずかしさ。

・事故とはいえ誠也に抱きかかえられている恥ずかしさ。

 そのせいか穂乃実の顔を覗き込むと、穂乃実の顔が完熟されたトマトみたいに真っ赤になっていた。


「恥ずかしいか?」


 ドスッと鈍い音がしたと思ったら穂乃実が誠也の胸めがけて後ろ向きに頭突きをしていた。


「言わなくていい///」


 やはり恥ずかしがっていた。


「もういい!私一人で作るからせ〜やはあっち行ってて!」


「わかった」


 声は一切怒っていなかったので単なる照れ隠しだろう。誠也はリビングのソファに腰掛けて朝のニュースを見ていた。


 数分後、キッチンの方から味噌汁のいい匂いと、焼魚と思われる香ばしながらも食欲をそそって白米が欲しくなる匂いが瞬く間にリビング一帯に広がっていた。

 コトンっと音がしたと思ってダイニングの方を見ると今にも喰いつきたいほど美味しそうな朝食が並んでいた。間もなく―――


「せ〜や〜!おいで♡ご飯できたよ!」


甘い声が響いた。誠也は即座にテレビの電源を切ってカウンターに並べられた料理をテーブルに並べるのを手伝う。


「私の作った料理にひれ伏すがよい!」


「いつも頭が上がらないよ」


「えへへ///」


 穂乃実が作る料理は見た目と味において完璧である。

 まず見た目、和食・洋食・中華によって使う食器は毎回変え、一品ごとに具材の偏りがないように丁寧に盛り付けられている。また、焼魚はなどでは丁度いい焦げがあり、一言でまとめるなら完璧である。

 そして味、炭水化物・脂質・食物繊維・ビタミン・その他各栄養素を満遍なく取れるように計算されていて食欲がなく少ししか食べられないときでも栄養をしっかりと得ることができる。味は絶品でお世辞抜きでミシュランに出せるレベルである。米に関しては穂乃実の炊いた米じゃないと美味しいと感じないレベルである。ちょうどよく水分を含んで硬さ・粘り気がうまくマッチして口のなかに広がっていく米は穂乃実以外の誰に作れるだろうか。申し訳ないが実の親を上回っている。


「今日も美味そうだな」


「さぁ!食べよう!」


 そう言って穂乃実は誠也の右隣の席に座って手を合わせた。同時に誠也も手を合わせる。わざわざ広いテーブルを買ったのに隣に座る理由を聞くまでもなかった。誠也自身も隣に座ってほしかったのだから。


「いただきます」「いただきます」


 二人で共に『いただきます』をしてから料理を口に運ぶ。


「せ〜や!はい、あ〜ん♡」


 穂乃実は焼魚の脂が乗っている一番美味しいところを箸でつまんでくれている。それがすごく申し訳ないが天使のような笑顔で差し出してくる焼魚を食べずにはいられなかった。


「あ〜ん」


「美味しい?♡」


「うん」


 箸を持つ反対の左手でグッドサインを送った。穂乃実がせっかく『あ〜ん』をしてくれたのでお返しにと、穂乃実と同じように脂が乗っているところを厳選して渡す。


「あ〜んして」


「あ〜ん♡  ん〜〜〜!美味しい♡」


 これでおあいこかと思ったが、穂乃実のその笑顔が見られたことにより俺のほうが得をしている状況になってしまった。申し訳ない。

 夢中で食べ進めているせいで口周りに米粒がついていたことに気が付かなかった。


「せ〜や、右のほっぺに米が付いてるよ」


「ごめん、」


 謝罪の言葉を口にした瞬間右の頬に柔らかく、温かい感覚が広がった。穂乃実は誠也の右頬についた米を口でついばんで食べたのだ。


「//ありがと」


 珍しく顔を赤くして照れた誠也を見て愛おしくなった穂乃実は誠也の右頬に再びキスをする。珍しく穂乃実はあまり照れておらず、その分誠也は思いっきり照れてしまった。


「誠也の照れ頂きます♡」


 恥ずかしいことをと思ったが恥ずかしい感情よりも嬉しいという感情が勝ってしまった。


「さ、冷めないうちに食べちゃお/」


「うん////」


 穂乃実はそのまま黙々と食べ進めて時々『美味しい』等と口にするが誠也は照れのあまり料理の味をあまり堪能できていなかった。

 今日で何度目かもわからない甘くて気まずい雰囲気が流れていた。


「ごちそうさま、私着替えてくるね」


 この雰囲気に耐えられなくなったのか早く食べてクローゼットのある寝室へ行ってしまった。食器が片されていないのは『せ〜やがやって』という意思表示なのだろう。

 間もなく寝室の方から『何着ようかな〜?』などと口に漏らし鼻歌を歌う穂乃実の声が聞こえた。

 誠也も食べ終わりキッチンに立って食器を片付け始めた。顔に米と引き換えに付いた照れによる赤みが未だに取れていなかったのは穂乃実には内緒のお話である。

最後まで呼んでいただきありがとうございます!

相変わらず甘々ですね〜。僕もエプロン姿の彼女見てみたい!(彼女なんていねぇよ)そして『あ〜ん』されてみたいです!男のロマンですよね!そうですよね?!(圧

今回の話が面白いと少しでも感じることができましたらブックマーク・評価・レビューなどをしていただけるとモチベーションに繋がって非常にありがたいです!


では次の話でお会いしましょう!

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