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出張ネイリスト異世界でもネイルをする  作者: ありえ


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70/72

70 ロイヤルビューティスト

 ろくに寝れず朝が来てしまった。

 頭が覚醒してしまっているようで眠気は全くない。

 しかし、昼頃に眠くなったりすると困るので初級ポーションを飲んでおこう。

 きりこを起こし、各々ドレスに着替えたりの準備タイムだ。

 ヘアセットはきりこがやってくれるのでお任せし顔を作っていく。

 パンパンに浮腫んでいるのでリンパマッサージから行い美少女へと。

 ごめん。盛った。

 美女へとだった。

 …。

 ヘアセットも終わったので私の準備は全て終わり、次はきりこだ。

 きりこが顔を作っている間に髪を巻いてあげる。

 その後きりこの後ろで動かず鏡を持ち、きりこが自分でセットを行う。

 美容学校に行っていたがヘアセットが苦手なので私は役に立たないのだ。

 …大役である鏡持ちが終わり、お互いに気になる所が無いかのチェックだ。

 パーフェクトッッッ!!

 持ち物の確認も終わり転移に備える。


 時間丁度に召喚され王族のヘアセット。

 今回は顔も頭も任せられているのでそれを行う。

 お付きの侍女たちはそれを見学する事になっている。

 私もアシスタントとしてコテの準備をしたり女性陣の髪を巻いていったり、化粧前のスキンケアのマッサージを行う。

 その間男性陣のヘアセットをきりこが行う。

 日本での成人式の日と同じぐらい忙しくアシスタントをこなすが、ポーションを飲んでいるからか疲れ知らずで動けている。

 男性陣のヘアセットが終わり、女性陣のヘアセットやメイクを行うきりこに変わり、男性陣のアイブロウ等を私が行う。

 ワックスを持ってきた方が良かったかなと思いつつ、王様の眉毛を切り、不要な部分を抜いていく。

 次に第1王子。

 顔を触られることがあまり無いようで照れている。

 耳が真っ赤で可愛いー。

 その照れ顔を見てヤル気アップで美眉へと進化させる。

 第2王子の眉も整えるが痛い痛い言うので護衛の目が怖い。

 お願いだから剣に手をかけないでー!!

 王族全員のセットが終わり王族達は着替えの為退出された。

 一仕事を終え、私達は待機だ。

 きりこも私も持ってきていたプレゼントはジェイソンさんに預けているのでリアクションを見ることが出来ないが喜んで貰えたらいいな。

 やる事もなく待機していると朝食が運ばれてきた。

 この後パーティーの為軽食が出され、それらを頂く。

 よく分からない種類のフルーツの盛り合わせとサンドイッチだ。

 パクパク、うまうま。

 今度の取引の時フルーツも欲しいと伝えよう。

 朝食後にティータイムで優雅に過ごしていると開場となったと報告を受けた。

 ジェイソンさんの案内で王宮のホールへと向かう。

 パーティーの雰囲気やルール等はジェイソンさんから既に聞いているがこんな本格的なパーティーは初めてで緊張する。

 やらかしませんように。と祈りながら入場。

 おぉ。

 映画の様なキラキラした光景が目の前に。

 今回のパーティーは子供達もオッケーらしく家族単位で行動している人達が多い。

 子供達もオッケーということから王族達の入場が終わった後はテラス席に食べ物を持っていって食べても良いそうだ。

 私達は社交も無いしダンスも踊れないのでテラス席で食事を楽しむつもりである。

「あらあ、貴方はどこの家の方だったかしら? 王女の誕生パーティーに何故参加されているのかしら〜?」

 うわ!

 軍事パレードの時に絡んで来た人だ!

 まーた絡んで来たよ…。

 とりあえず微笑んでおこう。

 ニコッ。

「あらあ、言葉の意味が分からないお馬鹿さんなのね〜。お子様は早く帰った方が良いんじゃないかしら〜」

 ブフォ。

 絡まれているこの光景を見て吹き出しているきりこ。

 肩を震わせ声を出さないように大爆笑してやがる…。

「あらあ、この下品な方は貴方のお友達かしら〜?類は友を呼ぶのね〜」

「でしたら私達3人は仲の良いお友達になれるという事になりますね」

「どういう意味よ!」

「キララさん、キリコさん、お料理とって来ましたよー! キララさんのはこっちのお皿ですね」

 ジェイソンさんが料理取りづらいだろうから持ってきますねと言って持ってきた料理。

 肉好きだと思われているせいで全てが肉料理だ。

「わー! 美味しそうですね! ありがとうございます」

「伯爵夫人、キララさん達に何か用ですか?」

 美味しそうな肉料理を見つめているとジェイソンさんがあの女に話しかけていた。

 そうだった。今絡まれている最中だった。

 肉料理を見たら一瞬で忘れていたよ。

「この2人が何故参加されているのか聞いただけよ」

「そうでしたか。彼女達はロイヤルビューティストで王族達との繋がりが強く正式に本人達より招待されています。貴方のように伯爵家での招待では無く個人名での招待ですよ」

「そ、そうでしたか。失礼致しました」

 ビックリするぐらい冷たい言い方をするジェイソンさんに慌てて去っていく彼女。

 それよりも気になるロイヤルビューティスト。

「あの、ロイヤルビューティストとは?」

「ああ、先程正式に決まったんですよ。王族達が満場一致だったので議論が行われることもなく決まりました」

「ロイヤルビューティスト?」

「ビューティストというのはこの国では髪の毛や化粧等の美容全般の専門家という意味で使われておりまして、ロイヤルが付くと王族達の担当という事になり、名誉のある職業となりますね。キララさんは爪だけだと思いロイヤルネイリストでしたが、その他にも出来ることが多いという事が分かったのでビューティストに変更しました」

 なんか急にロイヤルビューティストになった。

「ありがとうございます?」

「ちなみに次回から報酬も上がるので楽しみにしていて下さいね」

 まじか!

「ありがとうございます!」

 もちろんネイリストとしてがメインだけど、他の事も好きでアレコレやっていて良かった。

 きりこにこき使われたおかげかもしれない。

 そんな話をしつつ肉料理を食べようとした所で王族の入場となった。

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