67 王様と王子様のケア&バッフィング
気さくなおっちゃんの様な王様の施術をスタート。
ケアをして爪を磨くのでまずはファイリングから。
施術をしつつどこかで見たことがある気がするので考えるがどこで会ったのか、似た人を見かけただけなのか思い出せない。
軍事パレードでは見かけているがそれとは別で似た人が居たんだよな…。なんだっけな?
ファイリングが終わりフィンガーボウルにお湯を入れて甘皮をふやかし、キューティクルの押し上げへと進む。
ちなみに会話はしていない。
話しかけて良いのか分からないからだ。
普通目下の人が気軽に話しかけちゃダメだよね。
お客様だとしたら話しかけた方が良いと思うが、王様の場合どうするのが正解なのか…。
そうこうしているうちにキューティクルの押し上げが終わり、ガーゼクリーンをしキューティクルニッパーでルースキューティクルを切っていく。
会話のないままケアが終わりバッフィングへと進む。
荒いスポンジバッファーから始め、目の細かいシャイナーへと進む。
「爪磨きですが、仕上がりを2種類から選べまして、今のこれぐらいか更にピカピカと選べますがどちらが良いでしょうか? 見本はコチラです」
やっと業務的に話しかけ見本を見せた。
「うむ。今ぐらいにしておこう。これ以上ピカピカだと儂が気になってしまう」
そう言われ2000Gのシャイナーで終了にする事になった。
最後にキューティクルオイルとハンドクリームを付けて終了だ。
「ではこの後の息子達も頼むぞ」
そう言って帰っていった。
緊張が解け一気に疲れた。
10歳は老けた気がするよ…。
しかし仕事はまだ終わらない。
次は王子様だ。
「母上に言われ来たぞ! 第2王子のアリッサムだ。サムと呼んでくれ!」
元気にご挨拶してくれた第2王子のアリッサム様。
ミモザ王女様より2歳ぐらいお兄さんに見えるおよそ10歳ぐらいの子だ。
消毒してケアのファイリングから始めたが”それ何!?””なんかすげー!”と一つ一つに感想を言ってくれた。
そしてバッフィングは王様とは違いピカピカの方を選ばれたので4000Gのシャイナーで磨く。
トップコートを塗ってあるようなツヤで仕上がり大満足そうだ。
施術が終わる少し前にいらしていた方が第1王子様に爪を見せ手を振りながら帰っていった。
王子様ではあるが王様のように気さくな方であまり緊張せず施術する事が出来た。
そして最後に第1王子様だ。
「皆が世話になっているが私の爪もよろしく。私は第1王子のオーキッド。母上やミモザから君の話は聞いているよ」
爽やか系の王子様って感じの王子様だ。
なんだろう。キラキラのオーラがある感じ。
つまりイケメンって事だ。
いやハンサムって言葉の方が似合いそうなハリウッドスターな感じ。
これが同い年ぐらいなら”キャー! 格好良すぎて施術出来ない! キャピキャピ!”ってなったのかもしれないが、おそらく一回りぐらい年下なので特に思う事は無いな。
さて、仕事しよ。
第1王子様はサム様と同じピカピカの爪にする事となり、ケアから始めた。
そしてバッフィングを行いピカピカの爪の完成だ。
「おぉー。何か魔力の流れがスムーズになった様な気がする。ちゃんと巡っているのが分かるな。感謝する」
魔力の流れは全然分からないが、喜んで貰えた。
これで王族全員のネイルが終わった。
前の軍事パレードで全員を見てはいたが、近くで会って話すのは初めてだ。
とっても疲れたが、貴重な経験をしたなと思う。
さて、片付けて帰る準備をしよう。
「きららさん、こちら今日の報酬となります」
ジェイソンさんに声をかけられ報酬を受け取るがいつもより多い。
「あの、いつもより多くないですか?」
「ええ。王妃様より王族全員の施術をしたのだから多くすべきと言われこちらとなりました。金貨500枚となっております」
おお。
え!? ヤバ!! ヤバすぎてヤバい!
…貰いすぎて怖い。
これを現金化したら…。ゴクッ。
いや、考えるのは辞めよう。あはは。
「あああ、あり、ありがとうございます!」
うわずった声でお礼を言い受け取る。
「後、こちらは第2王女様から渡すよう言われた物となります」
そう言われ渡されたのはマジックバッグだった。
「ありがとうございます!」
「そちらの中にプレゼントが入っていますので後程ご確認下さい」
後程確認と言われたので帰ってから見てみよう。
貰った報酬の金貨200枚をポーションや魔石に交換してもらい300枚はそのまま金貨で持ち帰ることにした。
きりこも帰る準備が終わっているみたいだし帰りましょう。
◇用語集◇
バッフィング→爪磨き。サロンによって使うメーカーが違うのでグリット数が違う事も。数字が低い物が荒く数字が高い物が細かい。400G→800G→2000G→4000G。
シャイナー→バッファーよりも細かい目。2000Gや4000Gの物をシャイナーと呼ぶ。




