66 第1王女様と第2王女様
お昼休憩も終わった午後。
引き続き王族の施術となり、ドキドキしつつ次の方を待つ。
「貴方がきららさんね。私は第1王女リリーよ」
「お初にお目にかかります。ネイリストの爪美きららと申します」
リリー様は高校生ぐらいの年代と思われる美しい人だった。
儚げでなんとなく守ってあげたくなる様なタイプだ。
挨拶を済ませ施術を始める。
爪を見ると厚みが大人と変わらないので彼女のネイルはジェルにする事にした。
プレパレーションを始めつつ希望の色やデザインを聞いていく。
リリー様は回復魔法が得意という事だったので白系のネイルをする事になった。
王道白フレンチよりも白グラデーションの方が似合いそうなのでそれを提案。
キラキラが良いという事でラメがけとストーンを乗せることになった。
プレパレーションが終わると何故か浄化されるが回復魔法持ちだからなのかいつもの浄化ではなく回復魔法がかかった様な感じの光が出た。
そして私の疲れも飛んだようでこれから1件目の様な疲れが全くない状態に。
更に視界もいつもよりクリアな感じがした。
これも目の疲れが取れたという事なのだろうか?
スッキリした所でカラーリングを始めよう。
グラデーションなのでぼかしながら塗っていき、クリア系のラメをグラデーション部分に塗っていく。
色味はそのままでキラキラが足される感じだ。
そしてストーンを乗せる。
色味のないシンプルなクリアとパールとオーロラをランダムに散りばめて華やかに。
上品な白グラデーションネイルの完成だ。
「凄く魔力の巡りが良くなった気がするわ。それに綺麗にしてくれてありがとう」
感謝の気持ちを素直に伝えてくれた。
リリー様のネイルが終わり次の方。
「はじめまして。第2王女のダリアよ。1番豪華なのにして頂戴ね!」
ダリア様は華やかでオーラのある方だった。
真っ赤なドレスで胸元が強調されている。
イヤリングもネックレスもおそらくルビーだと思われる真っ赤なジュエリーだった。
プレパレーションをしながら要望を聞いていこう。
「お色はどうされますか?」
「このドレスの様な赤が良いわね」
「爪の上につけるデコレーションは派手系とシンプル系どちらが良いでしょうか?」
「派手なのが良いわ」
「では、サンプルのこれらの中にやりたいものはありますか?」
「コレにするわ! このデザインを全部の指に出来る?」
「かしこまりました。そうするとベースカラーはシルバーかゴールドにした方が目立ちますが…」
「じゃあゴールドで飾りを赤系にして頂戴!」
そう言って選ばれたデザインはストーン敷き詰めネイルだった。
家事をする訳ではないのでストーンが取れることも無さそうだが、一応取れる可能性があることも伝えておく。
プレパレーションが終わりカラーリング。
選ばれたゴールドで塗っていき、デコレーション。
持ってきているストーンセットを見せ、アレコレと選んで頂く。
「赤系のストーンを目立たせるためにこのクリアを混ぜるのはいかがでしょうか?」
「ちょっとやって見て!」
「こんな感じです」
「全部それにして!」
そう言われ全部そうしていき、トップジェルを塗って完成。
全ストーン敷き詰めゴージャスレッドネイルの完成だ。
「ねえ、爪が長ければもっと乗せられるって事だよね?」
「そうですね! 更にゴージャスなキラッキラネイルになりますよ」
「どれぐらいで伸びるかしら?」
「自爪で伸ばすなら1ヶ月に約3mm伸びるので、これぐらいですね。長さ出しの技術もあるのでそれならネイル施術時間は延びますが数時間で出来ますよ」
「本当に!? 次は長さも出したいわ!」
「施術時間の関係もあるのでその時はジェイソンさんに伝えて貰えますか?」
「分かったわ! また必ず頼むからよろしくね! 絶対よ! 約束よ! ああ、そうだわ、後でお礼を送るから受け取って頂戴ね!」
最後に凄い圧をかけられたが大満足だった様でルンルンで帰られた。
王族の女性陣はダリア様で最後だったようで王妃様と王女様のネイルは無事に終わった。
そして男性陣(王様と王子2人)のネイルも出来るかジェイソンさんに聞かれたが、全員のジェルネイルをするには時間が足りないのでケアと爪磨きなら出来ると伝えた。
それでも良いという事で、今日は講習会を中止とし男性陣のネイルもする事になった。
まさか王様のネイルをする事になるとは…。
緊張でヤバい!
ヤバすぎてヤバい!!
万が一失敗したら殺されない!?
無礼者! ザシュ! って斬られない??
無い語彙力が更に無くなりヤバいヤバいと心で騒いでいると王様が来た。来てしまった。
「いやー、ローズがねえ、男も綺麗にした方が良いって言うから急遽やってもらう事にしたよ〜。最初が息子達じゃなくておじさんで悪いね〜」
近所のおっちゃん、居酒屋の隣席のおっちゃんの様にフランクにやって来た…。
あまりの衝撃に膝を折ることも忘れ立ち竦んでいると”ここに座れば良いんだね?”と言いながら対面の席に座られた。
慌ててご挨拶をし、席につきケアから始める事に。




