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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十四章

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考え方は人それぞれ

 後少しすれば、年が明けるというある日。

 廬江郡の太守を務めている孫河が孫翊の下を訪ねていた。

「孫翊。お前、盛憲の部下達を配下に加えたそうだな?」

 訪ねてくるなり開口一番で孫河は孫翊に問い詰めてきた。

「そうだが。何か問題でもあるのか?」

「あるに決まっているだろう。盛憲が討たれて、まだ半年も経っていないのだぞ。そんな時に部下であった戴員と嬀覧を配下に加えるとは、正気を疑うぞ」

「だが、二人は孝廉に推挙される程に有能だぞ。そんな者達を野に放ったままにするのは愚かだと思うぞ」

「どれだけ有能であろうと、主を討った者に平然と仕える者など信用できん。今からでも遅く無いから職を辞させろ」

「ふんっ、わたしの家臣だ。わたしが誰を登用しようと、お前には関係ないであろうっ」

 孫翊は折角部下にした者達を辞めさせる事は出来ないのか、声に怒りを宿していた。

「大いにあるっ。わたしが治める廬江郡はお前が治める丹陽郡の隣なのだぞ。お前の治政が失敗すれば、わたしまで巻き添えを受けるかも知れんのだぞっ。だから、何をしでかすか分からん奴らなど仕えさせるなっ」

「親族だからと思い我慢していたが、誰を登用しようとわたしの勝手だ。如何に父上の代から仕え、孫策兄上に気に入られたお前であっても、口出す権限など無いわっ」

「後悔しても知らんぞ!」

「ふんっ、客人のお帰りだ! お見送りをしろ!」

 衛兵にそう命じた後孫翊は何処かに行ってしまった。

「ええいっ! 大殿も殿も甘やかすから、あんな粗暴な性格になったのだっ」

 悪態をついた後、孫河は顔を赤くしながらその場を後にした。

 親族とは言え、二人は仲が良くなかった。

 この件以降、孫河は孫翊に何も言わなくなった。

 

 同じ頃。

 荊州南陽郡新野県。

 仇敵であった劉表と孫権との和睦と同盟を結ぶ仲介をしたという事で、劉備の名声は世に知れ渡った。

 誼を通じようと、遠い地に居る富豪や商人などが劉備の下を訪ねていた。

 そんな時に、伊籍が会わせたい者達が居るという文を送ってきた。

 部下にして欲しいと思い連れて来たのかと思い、劉備は伊籍と面会した。

 上座に座る劉備は目の前にいる伊籍の後ろにいる三人の者達を見た。

「その者達がわたしに会わせたい者達か?」

「はい。皇叔に会いたいと申しましたので連れて参りました」

「そうか。名は何と言うのだ?」

「はい。左から馬順伯常、馬統仲常、馬安仁叔常と申します」

 伊籍が紹介すると三人は頭を下げた。

「長男の馬順伯常と申します」

 頭を下げて名乗る馬順。

 年齢は三十代前半で落ち着いた雰囲気を纏っていた。

 その雰囲気に見合うように温和な顔立ちで口に髭が少しだけ生やしていた。

 劉備は一目見て少し影が薄い印象があるなと思っていた。

「次男、馬統仲常です」

 そう名乗り頭を下げる馬統。

 三人の中で一番体格が良かった。

 服の上からでも鍛えられた肉体を持っている事が分かった。

 引き締まった大柄な目鼻立ちな顔をしていた。馬蹄の様に髭を生やしていた。

「三男の馬安仁叔常と申します。劉皇叔のご尊顔を拝む事が出来まして嬉しく思います」

 そう笑顔で名乗る馬安仁。

 見栄えが良く感じの良い顔立ちをしており、顎に髭を生やしていた。

 陽気な雰囲気を出しており、華があった。

「三人共、馬の姓だが。兄弟か?」

「はい。襄陽の馬家の者達です」

「襄陽の馬家⁉ 荊州でも有数の名門の家と聞いているぞ」

「はい。その通りです。後二人、四男の馬良と五男の馬謖という者達もいるのですが、まだ若いので仕えるのは早いので連れて来ませんでした」

「そうであったか。だが、その様な者達がわたしに会いに来てくれるとは嬉しく思うぞ」

 劉備はその後、宴を開き馬順達を歓待した。


 宴を終わると、伊籍は劉備と話したい事があるので、馬順達は一足先に襄陽に帰る事にした。

 城を後にし、馬に揺られながら話しあっていた。

「劉皇叔はどう思う?」

「君子という言葉が似合う様に見えていたな」

「だが、それはそう装っているだけだ。本性は目的の為には手段を択ばない狡猾な野心家と見た」

「それでいて優柔不断な所も見受けられたな」

 三人は劉備を見て評を下していた。

 三人が劉備の下に来たのは、劉備に仕えるかどうかを決める為であった。

「わたしは今後の事を考えて仕えても良いと思う。お前達はどう思う?」

 馬順は劉備に仕える事に決めた。

 劉表に会った事があるが、気分次第で処罰されると聞いたので仕える事を止めた。

 劉備も問題はあるが、補佐すれば何となありそうな気がしたので仕える事にした様だ。

「わたしは嫌だぞ。どうにも信用が出来ん」

 馬統は話をしていて、どうにも劉備の事が好きになれなかった。

 だから仕える気が無かった。

「そうか。安仁はどうする?」

「わたしも仕えるのは止めます」

 馬安仁の場合は劉備の人柄というよりも、まだ誰かに仕えたいという気持ちが無い為、仕えないと述べたのだ。

「そうか。では、それぞれで頑張ろうぞ」

 弟達の答えを聞いた馬順は頷いた後、帰路に着いた。

 数日後。

 馬順は劉備の下に赴き仕えたいと述べた。

 劉備は快く受け入れた。

 本作に出て来た馬良と馬謖の兄達の名前は荊南諸雄記に記載されておりましたので、その名前を使いました。

 生年は馬順は170年。馬統は175年。馬安仁は180年とします。

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― 新着の感想 ―
[一言] あ…あんどりゅーふぉーくの先祖wこの世界ではすでに耳長に使える次点で山登り状態。白眉の兄ちゃんは果たしてどちらに行くか。登山家は史実よろしく劉備に逝ってどうぞw
[一言] 馬良の五兄弟の上三人は史実に全く名前が出てこない訳ですが、恐らく劉表に仕えていたか、或いは曹操に仕えていたから名前が残って無いんですかね。 内政に長けたタイプの人材だと、県令や地方官吏として…
[良い点] 更新お疲れ様です。 [気になる点] 馬氏五常 馬良、馬謖以外は記録がない字については、この頃は長男から順に「伯」「仲」「叔」「季」「幼」の文字を付ける習慣があった。例えば司馬仲達はそれで次…
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