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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十四章

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間に合った

 劉備率いる軍が新野を出陣した十数日後。


 江夏郡沙羨県。

 その県の近くには長江と支流の漢水が合流する河口があった。

 漢水は昔夏水と言われていた為、其処から取りその河口は夏口と言われている。

 その地にて黄祖は孫権軍と激戦を繰り広げていた。

 だが、将の質は孫権軍が高かったのか、黄祖は敗退してしまった。

 敗れた黄祖は安陸県までの撤退を決めた。

 背を向けて敗走する黄祖軍に猛追するのは孫策の代から仕えている凌操率いる部隊であった。

 他の者達の部隊は周辺の敗残兵の掃討に掛かっていた。

「黄祖を逃がすな。何としても首を挙げるのだ‼」

 率いている兵達に檄を飛ばす凌操。

 兵達の喊声を聞きながら思っていた。

(ここで黄祖の首を取り、その勢いに乗り劉表の首を取るっ)

 心の中で意気込む凌操。

 先代の主君である孫策も今の主君の孫権も、父の仇である劉表を討ち取る事を切望している事を家臣の中で知らぬ者は一人も居なかった。

 これで意気込まねば男が廃ると思いながら駆けていた。

 後少しで黄祖軍の最後尾に追いつくという所で、前方から砂煙が上がっているのが見えた。

「ぬうっ、援軍か⁉」

 後少しで黄祖を討ち取る事が出来るというのにと思いつつ、凌操は跨っている馬の足を止め率いている兵達に止まるように命じた。

 駆けていた為、止まるのに時間は掛ったが何とか止まる事が出来た後、すぐさま陣形を整える様に命じた。

 それが終わる頃には砂塵が晴れて、旗の字を見る事が出来た。

「・・・劉という事は、劉表の一族の者か⁉ 黄祖の代わりにその首を取ってくれる!」

 手でひさしを作り見ると、劉の字が書かれた旗が見えたので劉表の一族の者だと思った凌操は率いる将の首を取り手柄にしようと兵達に攻撃の命を下そうとした。

 其処に劉の字の旗を掲げる軍勢から白い旗を掲げた騎兵が駆けて来た。

(降伏? いや、交渉か?)

 向こうが何をしたいのか分からず凌操はとりあえず向かって来る騎兵の話を聞く事にした。

 一応兵達に備える様に命じつつ、護衛の兵としてニ騎ほどつけて部隊より前に出た。

 凌操達が出て来るのを見た騎兵は徐々に馬の足を緩めていき、凌操達から十数歩ほど離れた所に足を止めさせた。

 馬から降りて、少し近付いた後一礼した。

「わたしは劉皇叔の配下の孫乾。字を公祐と申します。貴殿がこの部隊のを率いる御方か?」

「そうだ。凌操と申す。しかし、劉皇叔か」

 劉姓は劉姓でも相手が劉備と分かり、凌操はこいつでは無いと思いながら口を開いた。

「して、劉皇叔は何用でこの地に参ったのだ?」

「はっ。我が主は同族である劉荊州牧と孫権殿との争いに心を痛めておいででした。この度、両名を和睦をさせる為の使者として赴いた次第にございます」

「なにっ⁉ 和睦だと⁉」

 凌操が驚いて大声をあげてしまった為、後ろに控えている兵達の耳にもハッキリと聞こえていた。

 失言したと思い手で口を抑えたが遅かった。

「・・・・・・オホン。して、ご使者殿。話は分かったが。これはわたし一人で決められる事では無い。一度殿に御話ししたいと思う」

「承知しました。後日、我が主と共に孫権殿の下に赴き詳しくお話したいと思います。ああ、それと」

 孫乾は懐に手を入れた。

 凌操の後ろに控えている護衛達はその動きに警戒したが、凌操が手で制止させた。

「我が主が程普殿と黄蓋殿に文を認めましたので、どうか届けて下され」

「承知した」

 二通の文を護衛の兵に取りに行かせて、兵から文を受け取ると凌操は孫権の下に戻る為、部隊と共に引き返していった。

 凌操の部隊が引き揚げていくのを見届けると孫乾も劉備の下に戻って行った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そういえば甘寧は曹昴の方にいるから、凌操は黄祖戦では戦死しないのか···バタフライエフェクトで別のパターンで死ぬ(劉側の奇襲とか)可能性も有りますが。
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