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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十四章

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そんなの関係ないとばかりに

 劉表は王威に劉脩と共に至急襄陽に帰還する様に使者を送ると共に、劉備には南陽郡に居る賊の討伐を命じた。

 と同時に許昌には親族を送るのを遅れる使者を出した。

 劉備は劉脩の一団が襲われた事を知り、直ぐに配下の者達に兵を与えて近隣の賊の討伐と治安を回復を命じた。

 暫くすると、王威の下に居た張飛が戻って来た。

「兄者。劉脩様の一団を襲った賊達は見つける事が出来たか?」

「いや、何処に行ったのか全く分からん」

 劉備が険しい顔で首を振るのを見て、張飛はもしかしてと思い述べた。

「もしや、賊共は北に逃げたのでは?」

「北だと?」

 張飛の一言を聞いて、劉備はその可能性を打ち消した。

「馬鹿者。北は曹操の勢力圏だぞ。何故曹操が賊を送る必要があるのだ?」

「う~ん。劉表殿を挑発する為とか?」

「全くお前という奴は、曹操は丞相だぞ。そのような事をせず朝廷に劉表殿討伐を奏上すれば、そんな事をする意味は無かろう」

「それもそうだな」

 張飛があまりに呆れる事を言うので、長嘆する劉備。

 そんな義兄を慮ってなのか、張飛が明るい顔をしだした。

「まぁ、兄者。気持ちは分かるが、今は賊共を見つけて討伐するしかないだろう。色々と気苦労が多い兄者に良い手土産があるぜ」

「手土産?」

「ああ、外に出れば分かる」

 張飛が笑顔でそう言うので、悪い事ではないだろうと思いながら劉備は外に出る事にした。


 外に出ると、兵に手綱を取られて一頭の馬が居た。

 それは体格の良い葦毛の馬であった。

 眼下の涙を留める場所が大きく、額に白い点があった。

 額の白い模様が口に入り歯に達していた。

「むっ、中々の良馬ではないか。何処で手に入れた?」

「帰る途中、賊に出くわしてな。その賊を率いていた張何とかという奴が乗っていてな。賊を討ち取るついでに、兄者への手土産にしようと思って手に入れて来たぞ」

「ほぅ、お前が気を使う事があるとは知らなかったぞ」

「兄者。それは酷いぜ」

「ははは、すまん。では有り難く乗らせてもらうぞ」

「そうしてくれ」

 劉備は張飛が手に入れた馬を自分の乗馬にする事にした。


 十数日後。

 劉脩様の一団を襲った賊を一向に発見する事が出来ずにいた。

 劉備が焦っている所に、劉表からは早く賊を見つけろという督促の文が届けられていた。

「・・・劉表殿はかなり怒っておられる様だ。早く見つけろという文を次から次へと送って来るのだから」

 届けられた文を一読した劉備は困った様に呟いた。

「劉表殿が相当焦っている事が分かりますな」

「それはそうでしょう。何せ、早く劉脩様を許昌に送らねば、曹操が何時攻め込んで来るか分かりませんからな」

 孫乾と麋竺の二人は困ったと思いつつも、劉表の気持ちが分かるので溜め息をつく事しか出来なかった。

 その劉表の方も許昌からの使者が数日置きに来るのであった。

 来る使者は皆一様に「劉脩様を何時頃許昌に来るのですか?」と述べるのであった。

 劉表は宥めながらもう暫く待って欲しいとしか言えなかった。

「はぁ、これだけ探しても賊の影も形を見つける事が出来ぬとは、いったい奴らは何処に隠れているのだ?」

 劉備は愚痴を零して、どうするべきか考えていると兵が評議を行っている部屋に入って来た。

「申しげます。耿文様が御話ししたい事があると言って参っております」

 兵の報告を訊いて、劉備達は顔を顰めた。

 追い返そうにも、現在義勇軍時代の借金を返している最中の為、劉備達は扱いに困っていた。

「・・・・・・話したい事があるそうだな。通せ」

 無下に扱えないので、劉備はとりあえず通す事にした。

 張飛を含めた皆は何も言う事が出来ないでいた。

 少しすると、兵が耿文と共に来た。

「お久しぶりです。劉皇叔。お元気そうで何よりです」

「う、うむ。お主もな」

 挨拶を交わす二人。

 そして、兵が下がるのを見送ると劉備が尋ねた。

「今日はどうされた? 済まないが、今月の分の金はまだ出来ていないので、もう少し持ってもらえるか?」

 劉備は耿文にそうお願いして来た。

 皇族が頭を下げて頼むを見て、耿文は悪い気分では無いなと思ったが、直ぐに思考を切り替えた。

「本日参りましたのは、返済の催促ではなく皇叔にお伝えしたき事があり参ったのです」

「わたしに? どの様な事か?」

 劉備が尋ねると、耿文はいやらしい笑みを浮かべた。

「はい。良い情報にございます。この情報を如何ほどでお買いになりますか?」

 結局の所、金を出せという事が分かり張飛は顔を赤くした。

「てめえっ、ようは情報をやるから金を出せという事じゃねえかっ」

「それが何の問題で? そもそも、金を借りて返すのが道理です。それを今日まで返さなかった皇叔が悪いだけですよ」

 まともな指摘に張飛は言葉を詰まらせた。

「別に払わないと言うのであれば、構いませんよ。その内、知るだけの事ですから」

 耿文は踵返そうとしたが、劉備が止めた。

「ま、待ってもらいたい。麋竺」

「はっ」

 劉備が声を掛けると、麋竺は一礼し離れて行った。

 少しすると、お盆に革袋を乗せて戻って来た。

 そして、麋竺は耿文の傍まで来た。

「どうぞ」

「有り難く」

 耿文は革袋を懐に収めると、語りだした。

「数日前に、冀州に居るわたしの友人から文が届きました。鄴にいる曹操が何時まで経っても許昌に人質が送られない事に怒ったのか、戦の準備をしているとの事です」

「「「なにっ⁉」」」

 予想以上に凄い情報に劉備達は耳を疑った。

「その内、先遣隊を送られるでしょう。兵数と誰が率いるまでは分かりませんでしたが、もう少ししたら分かると思います」

「そ、そうか。情報の提供に感謝する」

「はい。では」

 耿文は一礼しその場を離れて行った。

 劉備は手に入れた情報をすぐに劉表の下に送り、同時に対策の軍議を行った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 当たり前のように¥を出させられる麋竺さんw残された劉備の参謀も¥の問題でギスギスさせる策があればw
[一言] 金は返さないが、無いわけではない
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